高山市様 河川氾濫シミュレーションシステム構築事例|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

株式会社 日立ソリューションズ

河川氾濫シミュレーションシステム構築事例

高山市様

河川氾濫を予測し市民の生命・財産を災害から守る

台風や豪雨が引き起こす河川の氾濫。岐阜県高山市では、市民へ発令 する避難勧告・指示の判断材料として、 日立ソリューションズの「河川氾濫シミュレーションシステム」から得られた予測データを活用しています。
最長3時間先までの河川水位と道路や家屋の浸水状況を予測することで、日々の防災対策にそのデータを役立てています。

高山市役所外観

課題と選定

豪雨災害を機に災害対策を見直す

標高3000m級の山々が連なる飛?山脈(北アルプス)を望む岐阜県高山市。良質な山林資源に恵まれた歴史ある城下町は、往時の町並みと伝統文化を今日に伝えています。
この一帯を2004年、大型の台風23号が襲いました。高山測候所では1日256.5mm(観測史上最大値)を記録。雨水が市内を走る神通川支流に流れ込み、河川の一部が氾濫したほか土砂崩れや橋梁の崩落、市街地への浸水が発生し、甚大な被害をもたらしました。
山々が生み出す急峻な河川は短時間のうちに増水し、避難する猶予を十分に与えなかったのです。

この災害を教訓にして高山市役所では、豪雨時の災害対策を抜本的に見直しました。市役所は災害の恐れがある場合、市内を流れる河川の水位や降雨予測を基に河川の増水などを推定します。水の越堤や堤防決壊、道路や家屋などへの浸水の恐れがある際は、地域住民へ避難勧告・指示を発令します。
しかし04年の災害時、河川水位の測定と報告は、上流から下流に設置した水位計から送信されるデータを除いて、担当者による目視確認が中心となっていました。そのため、情報収集やデータの分析に時間が掛かっていました。

「判断に要する時間を何とか短縮し、避難の時間を確保したい。市長以下、トップダウンで情報収集やデータ分析を迅速化し、適切な避難勧告・指示の発令を素早く打ち出せる体制づくりに臨みました。人命には代えられない、という必死の思いでした」(高山市役所危機管理室 主幹の下屋仁氏)

河川水位の計測では水位計や監視カメラによる遠隔監視の自動化を進める一方、データの分析・予測についてはITツールの援用を決定。最終的に導入したのが、日立ソリューションズの「河川氾濫シミュレーションシステム」でした。

導入

気象や地形データを基に高精度かつ短時間に分析

河川氾濫シミュレーションシステムは、短時間降雨予測データと河川実況水位を基に、最長3時間先までの河川水位と、道路や家屋への浸水箇所をリアルタイムに予測できる防災情報システムです。
予測には、3次元地図情報に時間軸を加えて表示できるGIS(地理情報システム)エンジンを利用します。水位の変化や、堤防を越えて市街地に浸水が発生した場合の水の動きを、詳しく3Dアニメーションで描画します。50m四方の地形解析精度で、3時間先の予測結果もわずかな時間で入手することができます。

「先行して導入していた他の自治体での利用事例も研究しました。ただ、自治体によって雨量、土地の高低差、市街地の様子などは大きく異なります。日立ソリューションズには、この防災情報システムを高山市に最適なバージョンにしてもらうよう依頼しました」と同じく危機管理室主査の松木邦宏氏は説明します。

日立ソリューションズでは、一般財団法人日本気象協会から入手する雨量データに加え、同市が岐阜県から提供を受けた土地の高低が分かる地形図、河川の断面図、市内の建築物の高さが記された地図情報などを加味することで、市街地に流れ込む水の動きを精度よく描画する調整を行いました。
避難勧告などを発令する判断材料となるシミュレーションシステムには、高い精度が求められます。システムのテストでは、市内を流れる苔すのり川で過去に発生した増水・氾濫時の降雨データ、河川実況水位を入力してシミュレーションを実施しました。得られた予測結果は、当時の状況を高い精度で再現するものでした。システムの信頼性の高さを立証できたことに、松木氏は手応えをつかんだといいます。

システムは11年9月に稼働開始しました。台風シーズン前に作業をすべて完了する短期間での導入でしたが、高山市に最適なシステムを柔軟に構築しました。日立ソリューションズでは、ハード、ソフト、動作検証から保守サービスまで含めてすべてワンストップで提供。市の負担を軽減しています。

河川氾濫シミュレーション画面イメージ

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成果と今後

避難要否の意思決定に自信 災害に強い町づくりに生かす

現在、神通川水系である宮川、苔川に設置された水位計のデータ、日本気象協会からの降雨予想データで、市では10分おきにシミュレーション結果を更新しています。万一、警戒水位を超える予測が出ると、アラームで関係者に通知されます。
シミュレーション結果の表示に利用しているのは、標準的なノートPCです。画面上に3Dアニメーションをスムーズに表示でき、表示角度を変えるなどの操作も直感的に行えます。
様々な条件下で、5つの河川について複数のシナリオをすぐに計算できるため、関係者を交えた検討が具体的に行えるようになりました。

下屋 仁氏(写真右)松木 邦宏氏

高山市役所 危機管理室 主幹
下屋 仁氏(写真右)
高山市役所 危機管理室 主査
松木 邦宏氏

 「以前は、安全を重視して発令する避難勧告や指示が“空振り”に終わらないかと不安を抱える場面も正直ありました。システム導入後は、確度の高いシミュレーションで得られた客観的な情報が手に入るようになったことで、緊急時にも自信を持って迅速な判断を下せるようになりました。最長3時間先の状況を予測できるので、決して遅れてはいけない初動対応が早く行えます。市民を安全な場所に避難誘導する時間もそれだけ長く確保できます」と松木氏は述べます。

高山市は05年の市町村合併を経て、日本で一番広い市になりました。「市では、多くの河川の護岸工事といったハード面での整備と両輪で、市民の皆様に安全に避難してもらうための迅速な情報提供を行うソフト面の拡充を推進しています。そこに今回の防災情報システムを役立てることができました」と下屋氏は述べます。
現在も河川水位や雨量、各種地図データなどシミュレーションに必要なデータが時々刻々と蓄積されています。データが蓄積されるほど予測の精度はさらに高まります。

同市危機管理室では、市民に配布するハザードマップや避難マニュアルにこのシミュレーション結果を反映し、市民の防災意識を高めていく予定です。
「家族や地域での話し合いや日頃の心構えが被害を未然に防ぎます。市民の生命と財産を守るため、市では今後も先進技術の活用を含めてあらゆる可能性を検討していきます」と下屋氏。その言葉から、災害に立ち向かう強い決意が伝わってきました。

USER PROFILE

高山市

所在地 市役所所在地:岐阜県高山市花岡町2丁目18番地
人口 9万2861人(2012年4月1日時点)
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最終更新日:2012年7月12日

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