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【平成の世にサムライを探して】第112回 フィギュアスケートコーチ 山田満知子「フィギュアスケートの名コーチが語る理想の指導法── 一人ひとりの選手を輝かせてあげたい」

伊藤みどり元選手、浅田真央選手ら、世界トップクラスのフィギュアスケーターを育成し、現在は、村上佳菜子選手とともに、ソチオリンピックに向けた調整を続けているフィギュアスケートコーチの山田満知子氏。彼女の数十年に及ぶコーチとしてのキャリアの中に、個性に応じて人の能力を伸ばしていく方法を探る。

伸びる選手に共通する「勘の良さ」

山田満知子(やまだまちこ)プロフィール

1943年名古屋市生まれ。
フィギュアスケート国体で優勝後、コーチに転身。
伊藤みどり氏、恩田美栄氏、中野友加里氏、浅田舞氏、浅田真央氏など数多くの一流選手を育て上げる。
1989年、文部省(当時)スポーツ功労者受賞、2005年、文部科学省国際大会功労者賞受賞。
著書に『素直な心が才能を伸ばす!』(青春出版社)がある。

※黒字=山田満知子 氏

── フィギュアスケート選手の中には、自分の才能をどんどん伸ばしていける選手と、伸び悩む選手がいると思います。伸びる選手に共通する要素とはどのようなものですか。

「勘の良さ」ですね。フィギュアスケートは3、4歳くらいで始める場合が多いのですが、個性や運動能力はその年齢ではまだ分かりません。でも、勘がいいかどうかは、その年齢でもある程度分かるものです。

みどり(伊藤みどり元選手)が私のところに来たのは、彼女が5歳の時でしたが、今でもよく覚えているのは、私がお母さんと話す言葉をよく聞いて、それを理解しようとしていたことでした。人の話をしっかり聞く姿勢がその頃からあったわけです。そのような姿勢があれば、指導者が何を求めているかを把握できるようになるし、それを行動に移せるようにもなります。それが私の言う「勘」です。「理解力」や「集中力」と言い換えてもいいかもしれません。

── 浅田真央選手も、やはり小さい頃から勘が良かったのですか。

世界トップレベルのフィギュアスケート選手を何人も輩出してきた名古屋スポーツセンター(愛称:大須のスケートリンク)
世界トップレベルのフィギュアスケート選手を何人も輩出してきた名古屋スポーツセンター(愛称:大須のスケートリンク)

真央の場合、勘の良さももちろんありましたが、持って生まれた素質がずば抜けていましたね。生まれながらのスター性がある選手でした。

私はそれまで、どちらかというと力強いジャンパータイプの選手を指導してきました。「山田はジャンプを教えるのが得意」とか、「トリプルアクセルに挑戦させるコーチ」といった評判が広まったのもそのためですが、私はもともと美しい演技が大好きですし、フィギュアスケートが芸術的な要素を含む競技である以上、美しさは常に求められます。真央が私のところに来た時、「本当に美しいフィギュアスケートを一緒につくっていける選手と出会えた!」と、とてもワクワクしたことを覚えています。

── 村上佳菜子選手と出会った頃の印象もお聞かせください。

それがね、全く覚えていないんですよ。もともと、彼女のお姉さんの方を私は教えていて、佳菜子はそれについて来ていたんです。おそらく、3歳くらいからリンクにいたのではないでしょうか。砂場で遊ぶようにして氷の上で遊んでいて、気がついたら、目に留まるようになったという感じです。

1位になることを目指さない指導

── 指導法は、選手の個性や素質に応じて変えていますか。それとも、同じ方法を貫いていますか。

私としては、共通したやり方で教えているつもりです。でも、選手それぞれの個性があるので、やっているうちに、それに引っ張られて変わってしまうというのが実際のところですね。例えば、ジャンプが得意な子がいたら、その才能をもっともっと伸ばしてやろうと思うじゃないですか。そうすると、どうしてもそこに力を入れた指導法になってしまいます。変えるつもりはなくても、相手の個性によって自然と変わってしまうものなんですよ。

── 相手が誰であっても変わらない指導方針というものはありますか。

山田満知子氏
山田満知子氏

1位になることを目指さない、ということですね。全員がチャンピオンになれるはずはないのですから、「チャンピオンになれなかったから、自分は駄目な選手」なんて考えてほしくないんです。私はいつも、「1位になる選手よりも、みんなの心に残る選手になってね」と伝えています。自分の力を精いっぱい発揮して、自分の魅力を出し切ることができれば、きっとみんなの心に残るスケートができる。そう私は思うんです。

── 大切なのは、勝ち負けだけではないということですね。

能力が「2」ある子が、努力して「5」まで力を伸ばすことができたとします。一方、最初から能力が「7」ある子が、努力によって「10」まで伸びたとします。競技ではもちろん、「10」の力を持った選手の勝利ということになるでしょう。でも、「2」しかなかった力を「5」まで伸ばすことができたそのこと自体が素晴らしいじゃないですか。その成長を喜べるような選手を育てたいと、いつも思っています。

縁があってフィギュアの世界に入ってきたのだから、成績に関係なく、スケートに一生懸命取り組んだことを大切な思い出にして、「フィギュアスケートをやって良かった」と心から思えて、自分の中にいいものをたくさん残して、それを将来の糧にできるような人にみんななってほしい。そう願いながら、いつも指導しています。

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