【平成の世にサムライを探して】第127回 東京すしアカデミー株式会社 代表取締役社長 福江誠「2ヶ月間で寿司職人を養成するーー正統派の寿司の伝統を守るための果敢な挑戦」|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

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【平成の世にサムライを探して】第127回 東京すしアカデミー株式会社 代表取締役社長 福江誠「2ヶ月間で寿司職人を養成するーー正統派の寿司の伝統を守るための果敢な挑戦」

寿司職人になるには10年以上の歳月が必要──。そんな常識に反して、最短2カ月で誰でも寿司職人になれるカリキュラムを導入して反響を呼んだのが、東京すしアカデミーの福江誠社長だ。彼は寿司業界への反逆者なのか、それとも日本が誇る食文化の救世主なのか。寿司にかける福江氏の情熱の源泉に迫る。

機能しなくなっていた職人育成のシステム

福江誠(ふくえ まこと)プロフィール

1967年富山県生まれ。
金沢大学法学部卒業後、経営コンサルタントに。
2000年、個人コンサルタント事務所を設立。
02年に日本で初となる寿司専門スクール「東京すしアカデミー」を設立し、社長に就任する。
卒業生は開校以来3000人を超え、その多くは世界の国々の日本食レストランの料理人や経営者として活躍している。
著書に『日本人が知らない世界のすし』(日経プレミアシリーズ)がある。

※黒字=福江誠 氏

──  以前は経営コンサルタントの仕事をされていたとのことです。

ええ。その仕事で寿司業界のことを知り、それが後に学校を起ち上げるきっかけになりました。20年ほど前のことです。

──  バブルがはじけて、日本経済が長期的な停滞期に入っていた時期ですね。

そうです。われわれが「立ち店」と呼んでいる町場の伝統的な寿司屋の経営が難しくなり、一方では回転寿司や持ち帰り寿司、デリバリー寿司などの人気が一気に高まってきた時期でした。寿司業界の内実を知れば知るほど、このままでは伝統的な寿司業界はダメになると思いました。

福江誠氏
福江誠氏

──  何が問題だったのでしょうか。

一番の問題は人の育て方です。地方から寿司職人の見習いを呼び寄せて、住み込みで修業をさせ、時間をかけて一人前にしていく。そのいわゆる徒弟制度の仕組みが、もう時代にそぐわなくなっていました。住み込みで修業したいと考える若い人はあまりいないし、いざ始めてもすぐに辞めてしまう。あるいは、修行をしても自分の店を持つことができない。それが業界の実態でした。

──  そこで、寿司職人を養成する学校を始めたわけですね。

廃業した寿司屋の店舗を借りて、初めは寺子屋のような形で細々と始めました。実際に始めてみると、寿司職人になりたい人がたくさんいることが分かりました。地方の学校を卒業した若者などではありません。脱サラした30代の男性、20代の女性、外国人──。つまり、それまで寿司職人になりたくても、そのルートを見つけられなかったような人たちです。この学校は、そんな人たちにチャンスを提供できる場となる。そのことを、最初の5年くらいで確信しましたね。

集中的かつ体系的に技術を習得
集中的かつ体系的に技術を習得

──  その頃から、独自の短期間プログラムを導入していたのですか。

ええ。短期で学べるというのが当初からの売りでした。2カ月間で寿司職人として必要な技術をすべて身に付けてもらうというコンセプトです。入学と同時にしゃりを握る練習をスタートし、和包丁を使いこなす訓練も繰り返し行います。トレーニングを重ねて、集中的かつ体系的に技術を習得してもらう。それが当校の変わらぬ方針であり、学生たちも、そこに魅力を感じてこの学校を選んでくれています。

──  寿司業界には「飯炊き3年、握り8年」という言葉もあるくらいですから、そうとう反発もあったのではないでしょうか。

反発はありましたが、特に気にはしませんでした。寿司職人になるには最低でも10年はかかる。そんなイメージが広く定着していますが、それはあくまで古い徒弟制度の話です。昔は短期間で技術を身に付ける必要は特になかったし、雇用主である親方にも短い期間で弟子を一人前にするメリットはありませんでした。住み込みで長く下働きをやってもらえば、自分の仕事が楽になります。給料もそれほど払っているわけではないから、長くいてもらった方が得なんですよ。しかし、いつまでも安月給で置いておくわけにはいかないから、30歳くらいになったら暖簾分けをする。そうやって、職人は独立していく。そういうシステムが長く続いていたわけです。

東京すしアカデミー独自の短期プログラムは入学初日から実践的な内容となっている
東京すしアカデミー独自の短期プログラムは
入学初日から実践的な内容となっている

──  そのシステムがもはや立ち行かなくなっていたわけですね。一方、このカリキュラムのデメリットはないのでしょうか。

お金がかかることくらいでしょうか。授業料は決して安く設定してはいませんから、経済的に大変な人もいると思います。しかし、それ以外のデメリットは思いつきませんね。

もちろん、2カ月間のトレーニングが終わったら、実際に店に勤めながら継続的に勉強することが必要です。例えば、旬の魚を見る目などは、年間を通じて働かなければ身に付きません。接客のスキルを磨くのにも長い現場経験が必要です。6年前に1年間のコースを設けたのも、食に関する幅広い知識を身に付けたり、進路を見極めたりするにはそれなりに時間がかかると考えたからです。

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