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平成の世にサムライを探して 

【第九十五回】 株式会社ジャパンエリアマネジメント 代表取締役社長 西本千尋「“地域づくり”の新しいモデルを模索し続ける」

20代前半でまちづくりをプロデュースする会社を起ち上げ、地域の活性化を促す事業を進めている西本千尋氏。「地方の時代」を牽引する彼女は、何を目指して走り続けるのか。

多様性が求められる時代の先頭を走る女性

西本千尋(にしもとちひろ)プロフィール

1983年埼玉県川越市生まれ。埼玉大学出身。
2005年9月に株式会社ジャパンエリアマネジメントを設立。将来の人口動態変化を見据えた地域の自律・自立的な自治モデルづくりに取り組んでいる。
プライベートでは謡の稽古(金剛流能楽師職分・種田道一氏に師事)にいそしむ。

「多様性」が社会の、あるいは私たち一人ひとりの生き方のスタンダードとなろうとしている時代の先頭を走る女性──。そう言っていいかもしれない。大学時代に「地域」や「まちづくり」といったテーマに興味を持ち、卒業後すぐに起業した。

民間企業に就職するのではなく、公務員試験を受けるのでもなく、あるいはNPOの職員となるのでもなく、自ら社長となることを選んだ。大学を卒業したら就職しなければならないという考えは、最初からなかった。人の生き方は多様であっていい。そんな気持ちが自然に起業という行動に結び付いた。

まちづくり支援会社、ジャパンエリアマネジメントの代表取締役を務める西本千尋氏は、自分が理想とする町を「ミックストユース」と表現する。勤め人がいて、商売人がいて、アーティストがいて、子どもがいて、学生がいて、主婦がいる。オフィスがあり、商店街があり、住宅街があり、工房があり、くつろげる場所がある。用途やつくられた時代が単一ではなく「ミックス」、つまり、多様な人に開かれていること。その多様性が他の町との違いを生み、町に多様な人々が集まり、活気がもたらされる。

「光だけでなく、闇もある。そして、そのいずれからも両者に対するつながりがある町が魅力的だと思っています。多様な人々を受け入れ、経済活動や社会活動が多様に営まれ、いつも手が掛けられ、更新されている町。小規模でも連続して自律的に町が新しくなる、そんな町が増えればいいなと感じます」

地域の本当の課題を見つめる

ジャパンエリアマネジメントの事業モデルは、「課題解決事業ではなく、課題設定事業なのかもしれない」と西本氏は言う。すでにある課題を決まった方法で解決していくようなモデルではない。本当は何が問題なのかを明らかにしていく作業、つまり、課題そのものを発見し、設定し直す作業からすべては始まる。「そもそも地域では、既に課題ではないことが、今も課題だと認識されている傾向が強く、多くの事例が半ば、手放しで評価される傾向が強い」と西本氏は話す。

「人口動態の変化を見据え、本当に解決すべき『課題』が何かを見極めることが大切です。多くの税金を解決されない『課題』に投下し続けることは、将来世代に負の禍根を残してしまいます」

西本氏:レストラン「マドラウンジ」(六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内)にて取材西本氏はこれまで、補助金に依存せずに、地域づくりの財源を自律的につくり出す取り組みを支援してきた。その方法の一つが、屋外広告の自主管理モデルだ。都市には広告を貼ることが可能なスペースがたくさんある。ビルの壁、ゴミ箱、ベンチ、街路灯、工事エリアを囲むフェンスなど。そういったデッドスペースにはこれまで所有者によって、バラバラの広告が貼られてきた。それに対し、西本氏は地域ルールに基づいた、景観を向上させる広告が出せる仕組みを整え、その広告収入を地区づくりの資金とする新しいモデルをつくり上げた。

しかし、そのモデルづくりは簡単ではなかった。広告を貼れるスペースの所有者は地権者個人であることも、地元組織であることも、民間企業であることも、行政であることもある。このようにバラバラに存在し、販売されていた一つひとつの広告スペースを統一的に維持管理し、広告収入を地区の取り組みに充てられる仕組みをつくり上げていった。

これまで関わってきた町は、札幌、秋葉原、丸の内、表参道、御堂筋、豊後高田など。基礎自治体、商店会や自治会、学識経験者などと共に、同モデルの実現可能性の検証から、地域ルールづくり、審査体制構築のサポートと、根気強く仕組みづくりを進めた。それぞれの地域には、その地域特有の事情があり、条件がある。だから、やり方は地域によってすべて異なる。

「一つのモデルが軌道に乗るまでは、なかなかお金が入らない時期が続きました。一つ実例ができると、次への展開が連続していくのですが、それまではやはりいつも大変ですね。今も事業規模はスタート時からそれほど変わっていないので、ビジネスとしてはまだまだですね」

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