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脳が変わればビジネスも変わる 脳医学者 林成之の成果を生み出す勝負脳講座

第一回「ザックジャパンはなぜ負けたのか?なでしこジャパンとの差」
チームマネジメントに悩む方も多いでしょう。林先生は脳科学的にいうところの「同期発火」をメンバーの間で起こせるかが勝負と説きます。そのためのチームの愛称付け、サブメンバーのモチベーション維持など、サッカーW杯の「ザックジャパン」と「なでしこジャパン」を比較しながらわかりやすく解説します。

チームでの「同期発火」を起すために必要なこととは?

 先日行われたサッカーのワールドカップで、残念ながら日本代表チームは予選リーグ敗退という結果に終わってしまいました。わずかな望みをかけて挑んだコロンビアとの最終戦でも、1-4の惨敗。つまり日本代表チームは、土壇場でも踏ん張れなかったのですが、私に言わせれば、これは予想できた結果です。私は大会が始まる前から、「脳科学的に見ると、日本は勝ち抜けないのではないだろうか」と周囲の人に話していました。

 なぜそう思ったのか? そもそも、マスコミが盛んに連呼していた「ザックジャパン」という呼称は問題があると思っていました。脳科学的に言うと、チームに愛称をつける場合は、個人の名前は止めたほうがいいのです。私は常々、「勝つチーム」をつくりたいのであれば、チームの中での“合言葉”を決めなさい、と言っています。これは、チームのメンバーがお互いに同じ言葉を口にし合うことで、「仲間になりたい」という本能が働き、お互いの脳の中に「同期発火」のループ(輪)をつくることができるからです。(この「同期発火」については、詳しくは後ほど説明します。)

 つまり、チームのメンバーが相互に同じ言葉を使う状況をつくることが大切なのですが、そこで“合言葉”として、そのチームのスローガンや共通の目標などを決めると良く、チームに愛称をつけることも有効な方法の一つなのです。チームに名前をつけ、皆で共有し、その愛称を全員が使えば、“合言葉”として機能します。

 しかし残念ながら、チームに愛称をつける場合は、個人の名前はお勧めできません。今回の「ザックジャパン」だけではありません。過去にも「星野ジャパン」などの失敗例はたくさんあります。それに比べて、女子サッカー日本代表の「なでしこジャパン」やワールド・ベースボール・クラシックの「侍ジャパン」など個人名ではない呼称は、すばらしい結果を生んでいます。

チームには合言葉としての愛称やチームスローガンをつけると力を発揮しやすい
チームには合言葉としての愛称や
チームスローガンをつけると力を発揮しやすい

 なぜそうなるかというと、監督や上司などの個人名を冠した愛称は、チームのメンバーに対して、無意識のうちに「その人のためにがんばる」ことを目標とさせてしまうからです。さらに、窮地に追い詰められた場合には、「その人がなんとかしてくれる」という依存心も出てきてしまう。これでは高い能力を持った一流プレーヤーは、自分の力を最大限に発揮しづらいのです。これは、「自己報酬」を求める脳の欲求からきています。人間の意欲や欲望は、自分に対するごほうび、つまり自己報酬を期待することで、より高まる性質があるのです。つまり、モチベーションを他人に依存させず、「自分がやってやる」「私がなんとかする」という「組織のために頑張る自分への報酬」をイメージさせることができると、メンバーは最大限に力を発揮するのです。

 逆にメンバーが特定の上司のために頑張るというイメージを持つと、「上司にだけ結果が還元される」という負のイメージも持ってしまいます。その監督や上司が、ものすごいカリスマ性を持ったリーダーの場合には問題が表面化しないこともありますが、ひとたびメンバー内に不信感が芽生えれば、愛称が逆効果になってしまう危険性が大きいのです。このように、チームに最大限の力を発揮させたいのなら、個人名を冠した愛称をつけるのはリスクが高いのです。

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