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脳が変わればビジネスも変わる 脳医学者 林成之の成果を生み出す勝負脳講座

第一回「ザックジャパンはなぜ負けたのか?なでしこジャパンとの差」

男女の脳の違いを生かしたなでしこジャパン佐々木監督

 さて、今でこそ「なでしこジャパン」といえば誰もが認める、世界屈指の強豪チームとなりました。2011年ドイツのワールドカップ優勝という輝かしい偉業は皆さんの記憶にも残っていると思います。

 しかし、それ以前は「なでしこジャパン」といっても関心を寄せる人はほとんどいませんでした。そもそも女子サッカーという競技自体がマイナーでしたので。そういう意味では、「なでしこジャパン」の佐々木監督は、ドイツ・ワールドカップ予選が土壇場だったと言っていいでしょう。

 その佐々木監督がなでしこジャパン監督に就任した際、私と対談を希望されました。真っ先にされた質問が、「“男脳”と“女脳”とはどう違うのですか?」というものでした。この質問だけでも、女性の選手たちをまとめるのに、佐々木監督がいかに悩んでいたかがわかろうというものです。“男脳”と“女脳”の違いは厳然としてあります。脳を真上から見ると、女性の脳は右脳と左脳をつなぐブリッジの役目をしている「脳梁」という部分が太くて大きいことが解っています。これにより、右脳と左脳の連絡がよく、情報がスムーズに行き来することができます。子供を育てるためにも、女性の脳は緻密にできているのです。

 これに対し、男性の脳は脳梁が細くて小さいのでつながりがあまりよくなく、情報の流れが女性に比べて遅いのです。その代わり、男性は見たものに対して分析・解析をする力が発達しており、考え方がロジカルで、理論的に知識をまとめることが得意です。これは男女の目の機能の違いとも関係しています。男女の染色体によって網膜の仕組みが異なっているので、視覚を司る脳の視覚中枢神経の働きも違っているのです。つまり、男と女では「見えているものが違う」といっていいのです。男性の目は全体像がよく見えるようになっているのに対し、女性の目は近くのものや細かなものがよく目につくようにできています。ですから、男性は全体を瞬時に捉える「空間認知力」に優れています。しかし、女性はその「空間認知力」を持った細胞が言語中枢にも多く存在するので、「話をする」ことによってアイディアが出てきたり、まとまっていくことが多いのです。したがって、「女性の話を聞くときは、話が長いと思っても遮らず、最後まで聞くことが大切である」など、主に「会話の仕方」についての話を佐々木監督にはアドバイスしました。

男性脳と女性脳の構造は違う
男性脳と女性脳の構造は違う

 女性は、好き、嫌い、という感情に左右される部分が非常に大きいですから、好きな相手をつくる、あるいは、相手から好きになってもらう、そのためにはどうしたらいいか、ということで、前述の「同期発火」の話もしました。「同期発火」を起すためには、とにかく「相手の脳に入る言葉」が必要である、ということも強く話しました。これは佐々木監督だけでなく選手たち同士でもお互いに強く意識してもらっています。

 また、「自分でやってやろう!」という気持ちは、実は女性の方が強いですから、「最後の砦理論」も「なでしこジャパン」においては非常に効果的だと思っています。

 佐々木監督には、こうした男脳と女脳の違いを理解してもらったうえで、「違いを認めてともに生きる」という「第三の本能」が人間にはある、という話をしました。この本能は、人間が自らの社会を維持するために獲得した、まさに人間ならではの本能です。男性の脳と女性の脳は構造が違うのですから、ビジネスの組織においても役割分担があってもいいと思います。女性のリーダーにはきめ細かな対応を必要とする組織を任せ、男性リーダーには全体を統括するような組織を任せるといったやり方です。脳が望む方向で、脳の本能に従って、組織を引っ張っていく。それが成果を生み出すでしょう。もしも男性がきめ細かな配慮が必要な組織のリーダーになったり、女性が大きな組織の長につく場合には、自らの性が持つ脳の長所と弱点を理解して、その弱点を補強してくれるような異性の部下を置く戦略を取ればよいのです。しかし、多くのリーダーがここで過ちを犯します。自己保存の本能が強すぎると、自分を守るために弱点を隠そうとして、弱点を指摘し補強してくれるような部下を「統一・一貫性」の本能によって排除してしまうのです。その瞬間から組織が崩壊していくということを肝に銘じた方がいいでしょう。


※本記事の内容は公開当時のものです。本コラムに関するご意見等ございましたら、日立ソリューションズまでお問い合わせください。

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