Chapter7 製造業はどのように変化するか|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

ビジネスマンなら知っておきたい 「AIがもたらす未来」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

123456789

前編中編後編

Chapter7 製造業はどのように変化するか

ここからは、AIの進化に伴い、産業がどのように変わっていくのかを見ていきます。2020年の製造業や物流、そしてビジネスパーソンの働き方はどうなっているのでしょうか。

AIを搭載した人間協調型ロボット

AIを搭載した人間協調型ロボット

現在、町工場では技術者不足に悩まされています。熟練工が高齢となって引退していく一方、若手の工員希望者は集まらず、熟練工が磨いた技術を後世に残すのが困難になっているのです。

そうした問題を解消するかもしれないのが、AIを搭載し、人と共同作業を行う「人間協調型ロボット」です。 人間協調型ロボットは、従来の産業ロボットとは異なり、人と一緒に作業を行う上で十分に安全なものに設計され、人をさまざまな点からサポートし、生産性の向上に貢献します。

それでは、2020年に人間協調型ロボットを導入する町工場の物語を見てみましょう。

大阪市で精密板金工場を営む48歳の今井さんは、深刻な技術者不足に悩んでいた。現在の工員は今井さんのほかに、ベテランの板金工、内田さんを残すのみ。

この道45年の内田さんは、金属穴あけ職人としては日本一ともいうべき重要な人材だが、その内田さんも近年は体力に陰りが見えるようになってきた。

そんなある日、同窓会で再会した友人から「工場で人間協調型ロボットを使えばいいじゃないか」と言われる。 「でも、うちの工場は大企業の製造ラインとは違うから、うちの工場に合わせた作業をプログラミングして覚えさせるのはなかなか大変なんだ」と、その場で答えた今井さん。 だが、よくよく調べてみると、最新の人間協調型ロボットはプログラミング不要で、作業を見聞きするだけで勝手にやるべきことを覚えてくれるという。

今井さんは早速、町工場に人間協調型ロボットを導入。内田さんと2人で強力し、ロボットに金属加工作業を教え込む日々が始まった。 ロボットは目の部分に搭載されたカメラで作業を隅々まで観察するほか、マイクを通して説明を聞き、一連の金属加工作業を学習していった。

その後、日が経つにつれ、内田さんの体力はますます衰え、一連の作業をするのが難しくなってきたが、そんなときにはロボットが活躍している。 ロボットは内田さんの動作を見て、何の作業を行っているかを理解しているため、必要なタイミングで工具を渡したり、ロボットアームで金属板を作業台に固定したりと、さまざまな手助けをしてくれる……。

このように、人間協調型ロボットは熟練工が行っている作業を観察しながら説明を聞くだけで作業プロセスを理解し、作業の手助けができるようになります。 さらに、作業のやり方だけでなく、作業の意図や前後のつながりも把握しているため、不慣れな工員が作業中に躊躇している場合は、 次にやるべきことを教えてくれたり、必要な工具や部品を手渡してくれたりと、新人見習工などにとっても、良き指導・補助を行ってくれるパートナーとなるでしょう。

なお物語で紹介したのは、工員の作業を手助けしてくれる人間協調型ロボットでしたが、2020年に向けては、ロボット自身が熟練工のような卓越したスキルで作業を行うことをめざす研究が世界中で進められています。 そのためには、熟練工が日々の作業で判断基準としている「勘」や「ノウハウ」の正体を突き止めなければなりません。 さらに緻密で複雑な作業を再現する制御アルゴリズムとハードウェアも必要であり、実現に向けてはまだまだ多くの課題があります。

マスカスタマイゼーションの実現

また、2020年の製造業では、自動車などを消費者の好みに合わせてきめ細かくカスタマイズ生産する「マスカスタマイゼーション」がAIによって実現していることでしょう。

AIは、消費者の「こんな色や形の車が欲しい」「こんなシーンで車を使いたい」という発言をもとに、音声認識や自然言語処理によってニーズを推定。 それらを膨大なサンプルのオプションと的確にマッチングし、消費者の頭の中にあるイメージを具現化してくれます。

さらにAIは、工場の製造ラインの現状を把握し、既製品のラインにカスタマイズ品をうまく入れ込むように稼働スケジュールを瞬時に調整します。 製造現場では、搬送ロボットがライン間を自動的に行き来してカスタマイズ品を運び、必要な工程を効率よく経由することで、最短のスケジュールでカスタマイズ品を製造することが可能になるのです。

現在、マスカスタマイゼーションに挑戦しているリーディングカンパニーのひとつがドイツのSAP社です。 同社が製造システムを導入する米ハーレー・ダビッドソンのヨーク工場では、工場内のあらゆる機器や搬送台にセンサーが設置され、それぞれの稼働情報をやりとりしながら連携しています。 カスタム品のオーダーが入ると、必要な部品表が自動生成されて生産計画へ反映され、必要となる部品の在庫確認が手配を行うなど、マスカスタマイゼーションの一部がすでに実現されています。

次は、自動運転とドローン配送によって変わる物流について紹介します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前のページへ123456789次のページへ







公開日:2017年2月20日

本記事の内容は公開当時のものです。本コラムに関するご意見等ございましたら、日立ソリューションズまでお問い合わせください。

日立ソリューションズのご紹介
日立ソリューションズは、お客様の業務ライフサイクルにわたり、豊富なソリューションを全体最適の視点で組み合わせ、ワンストップで提供する「ハイブリッドインテグレーション」を実現します。