日立ソリューションズは、お客様の全体最適の視点で豊富なソリューションを組み合わせて提供する『ハイブリッド インテグレーション』を実現します。

株式会社 日立ソリューションズ

事業とCSRの融合をめざして

-グローバル展開を見据えたマテリアリティを考える-

2014年5月、CSR研究の有識者である川村雅彦氏を招いて、トップ対談を行いました。
事業とCSRの融合をめざし、グローバル展開の加速をふまえた経営のさまざまな重要課題を抽出し、多面的に対話を交わしました。

マテリアリティ:CSR経営における優先重要課題

株式会社日立ソリューションズ 取締役社長 佐久間 嘉一郎 株式会社ニッセイ基礎研究所 上席研究員 川村 雅彦氏

社会とステークホルダーとの関わりが非常に深いことが事業の特徴

(川村)

新会社設立から3年半が経過しましたが、社長のお立場から御社のCSRをどのようにとらえられていますか?

(佐久間)

当社は日立ソリューションズとしては2010年10月にスタートしましたが、それ以前から日立グループの中でITソリューションの開発の分野を担って40数年の歴史があります。そもそも社会インフラ事業に注力してきた日立グループですから、社会との深いつながりを意識しながら仕事を行う姿勢はDNAとして受け継がれています。改まってCSRと言うと非常に構えた印象がありますが、こういうテーマは一朝一夕で成り立つものではなく、日ごろの現場での実践と行動が自然とCSRに合致し、結果的にCSRが実現されているという状態が望ましいと考えています。

(川村)

確かに、日立グループの皆さんに「社会を支える」というDNAがあるのは良く理解しています。特に、御社の事業であるIT分野は「人」が最大のリソースですが、どういう点に力点をおいた人財育成をされていますか。

佐久間 嘉一郎

(佐久間)

おっしゃるように、当社は人がすべての会社であり、我々の事業の中心となるシステム構築は、人がそのつど設計・開発して個々のお客様にお届けしています。つまり事業の成否は人によるところが大きい。ですから、社員一人ひとりの能力を高めることはもとより、気持ち良く元気に働いてもらえる職場環境を作ることも重要です。そのために、専門の取りまとめ部署を設けてダイバーシティ経営を推進したり、ライフキャリアサポートの体制も整備しています。当社には障がい者スキー部もあり、今回のソチパラリンピックなどでの選手の活躍は社員を勇気付け、元気にしてくれています。また、私どもの仕事はチームで進めることがほとんどですから、個を強くすることに加えて組織としての方向性を一致させ、チームとしての力を最大限に発揮することが重要です。そのために、メディアでもしばしば取り上げられている「飲みニケーション」などの各種イベントで社内のコミュニケーションを良くし、風通しの良いオープンな職場作りをめざしております。

飲みニケーション:部門や役職を超えたコミュニケーションの活性化を目的に、会社でミーティングを行い、その後の懇談会の補助を行う当社の取り組み。

グローバルリーダーとは人と社会をよく知り、経営をローカライズできる人財

(川村)

「グローバルと人権」というテーマで考えると、自分と価値観、文化が違うことを明確に理解した上で進めていくことが大事です。海外で失敗する多くの企業は国内での成功体験や価値観をそのままもっていって、まったく想定していなかったことが起こるのです。そして、外国では人々の価値観や文化だけでなく、社会が構造的に抱える課題も違っています。それは日本企業にとってリスクと見ることもできますが、逆にビジネスチャンスとなる可能性も含んでいます。

(佐久間)

当社もグローバル化に注力しており、現在、世界77ヵ国20拠点で事業展開し、外国籍の社員が1,300名を超えました。ソフトウェア、ソリューションの分野は地域の文化に密着した事業のため、グローバル化が遅れがちでしたが、ここにきてM&Aを実施したり、グローバル人財を外部から獲得したり、日本人社員のグローバル化に取り組み、ここまで来ました。

(川村)

御社が導入している「留職(りゅうしょく)プログラム」はグローバルリーダー育成のための新たな取り組みと聞きました。

(佐久間)

「留職プログラム」は、新興国に一定期間赴任して自身が業務で培った専門能力を生かして現地に貢献することをめざす制度です。2013年の秋に初めてインドネシアに社員を1名派遣しました。現地で地域開発・教育・健康問題などに取り組んでいるNPOの図書館の貸出管理システムを2ヵ月かけて構築してきました。その後2人目が2014年4月から同じ団体へ赴任し、営業・マーケティング活動の支援をしました。いずれの取り組みも支援先のNPOより高い評価をいただきました。

(川村)

それはすばらしいですね。グローバルリーダーとは、もはや英語が話せ、ビジネスをわかっているのは当たり前、さらに、現地の人と社会を知り、経営のローカライズができなければなりません。

留職プログラム:企業で働く人財を新興国のNPOなどへ派遣し、一定期間、本業で培ったスキルを生かして現地の人々とともに社会課題の解決に挑むという特定非営利活動法人クロスフィールズが運営するプログラム。

人権と労働慣行への対応、サプライチェーンのガバナンスが重要

川村 雅彦氏

(川村)

次に、CSRのリスクの側面について少し触れますが、特に日本の価値観を海外にそのままもっていくとまずリスクとなるのが人権・労働慣行です。海外の拠点で起きた問題を本部ですぐに共有し、重要度を見極めて即座に意思決定ができる仕組みが必要です。

(佐久間)

ご指摘の内容は、当社が海外で事業展開する上での課題のひとつと認識しています。日立ソリューションズ グループとして海外においても、人権・労働・環境などのCSR意識を醸成するインフラの整備、情報共有の仕組みが必要と考えています。

(川村)

すでに日立グループは非財務的な要素を含むガバナンスの仕組みが確立しているはずですから、十分に活用されると良いと思います。 また、御社はCSRのサプライチェーンマネジメントにも取り組まれていますね。

(佐久間)

我々の仕事は当社の社員だけでは成り立たず、当社グループ各社そして多くのパートナー会社の皆様と一緒にプロジェクトを編成し推進しています。このため、パートナー会社まで含めたサプライチェーン全体にわたったCSRマネジメントを整備することは喫緊の課題です。CSRの観点から、ISO26000をベースに海外の規制やマーケットの要請に先んじて取り組むことは、リスクマネジメントであると同時に、市場での優位性を確立できるビジネスチャンスでもあると考えています。

(川村)

CSR課題の全貌が見えているということは心強い限りです。サプライチェーンのガバナンスはとても大変なことなので、まず国内、次は海外の契約関係にあるサプライヤー、さらにその委託先と順番に進めていけば良いと思います。その過程は社員のCSRマインドの醸成にも必ず役に立ちます。

マテリアリティの中期経営計画への取り込みが実現すれば、先駆的な取り組み

(川村)

先ほども事業とCSRの融合という話題が出ましたが、これらのCSR課題を経営にどう落とし込んでいくかが重要なポイントとなってきます。日立グループはすでに積極的に着手していると聞きました。数ある企業の中でも非常に先駆的です。

(佐久間)

まだ、始まったばかりですが、日立グループでは事業経営とCSRを結び付ける方針で、マテリアリティを特定し、中期経営計画に反映していく取り組みを進めています。当社もそれに倣い、事業の推進とCSRの融合をめざし、私どもの製品・サービスが、お客様やその先のユーザー、地域、社会にどう貢献できるかといった社会基点の考え方の共有、醸成に注力しています。
先日も営業部門自らの発案で、本社地区の全営業部長を対象に営業活動とCSRの関わりを考えるワークショップを開催しました。また、主要事業部門の本部長を対象に、当社が取り組むべきマテリアリティを検討するワークショップも実施しました。いずれのワークショップでも参加者から社会基点での事業創出、事業戦略の中にCSRを組み込むことの重要性を指摘する声が多かったと聞いています。
今日のお話でご指摘のあった課題も早速検証し、マテリアリティの設定につなげてまいります。
日立グループが取り組んでいる「Hitachi Smart Transformation Project」は、世界の事業競争の構造が変貌する中で、私たちがグローバルに戦える事業構造・コスト構造の変革をめざす取り組みであり、なんとしても成し遂げなければならないものです。そしてそれを実現することが、事業の推進とCSRの融合を実現させ、新しい価値の創出につながるのだと考えています。
今日は、たくさんの貴重なご意見をありがとうございました。

「CSRの課題を経営にどう落とし込んでいくかが重要なポイントです」(川村氏) 「現場での実践と行動がCSRにつながっています」(佐久間)

川村 雅彦氏

1976年に九州大学大学院工学研究科修士課程修了後、三井海洋開発(株)入社。中東・東南アジアにて海底石油関連のプロジェクトマネジメントに従事。1988年に(株)ニッセイ基礎研究所入社。環境経営、環境格付、CSR、環境ビジネス、統合報告を中心に調査研究に従事。環境経営学会副会長。近著に『本来のCSR経営』。

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