日立ソリューションズは、お客様の全体最適の視点で豊富なソリューションを組み合わせて提供する『ハイブリッド インテグレーション』を実現します。

株式会社 日立ソリューションズ

社会課題解決のために私たちができること

 2010 年10 月、日立ソフトと日立システムの合併により誕生した日立ソリューションズ。今回は「IT 企業として、日立グループの一員として、社会課題の解決のために何ができるのか」をテーマに、林雅博社長と社員5 名がそれぞれの立場から、当社のあるべき姿とCSR について意見を交わしました。

「社会課題」をどうとらえるか

(安東)
 当社は、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献するという理念を掲げていますが、まず、「社会課題」をどうとらえるのか、皆さんの考えを伺いたいと思います。

(加藤)
 ITとはそもそも、さまざまな課題に対応し、貢献できるポテンシャルを持っていますから、とらえ方次第では何でもできるものだと思います。
 ですから、私たちは、まず、お客様や社会の本質的な課題が何なのか、その中身をよく知ることから取り組んでいかなければと思います。

(大町)
 私は、主に損害保険会社のお客様に対応していますが、例えば、課題解決を考える時に、それがお客様の会社の課題なのか、それとも保険に加入する方々の課題なのか、あるいは保険や金融システム全体の課題なのか、立ち位置によってずいぶんと答えが違ってきます。また、目先の問題にだけ取り組んでいると、どうしても視野が狭くなり、いま自分がやっていることが、本当に社会課題の解決につながっているのか、わからなくなることがあります。

林社長

(社長)
 私たちは、まず、ITソリューション事業を通じてお客様に貢献し、そしてお客様を通じて、その先のお客様、国民の皆様のお役に立っていくべきです。ただし、その時に、私たち自身が企業市民として、今日の社会課題とはいったいどういうものなのか、その課題の存在を知り、そこに意識を持って行動することが重要です。
 CSRというとまず、「社会貢献」が頭に浮かぶ人も多いと思いますが、私はCSRのR(Responsibility)は言葉通り「責任」であると理解しています。企業として世の中に貢献するというよりも、事業を進めていく上で私たちが認識すべき「責任」ということをまず考えてもらいたいと考えています。

(真山)
 私は教育分野に関するソリューション企画、提案を行っています。「StarBoard」はハードだけではその価値が限られるので、お客様に合わせて使いやすいソフトウェアを提案して、よりお役に立てるよう努力しています。
 先日、ユーザー様の授業を見学させていただく機会があり、「StarBoardR」が教育現場でお役に立っていることが肌で感じられました。先生が「この電子黒板をつくった会社の人です……」と紹介してくださり、子どもたちも「日立の人だ!」と喜んでくれまして、とても嬉しい体験をしました。

(社長)
 当社では、教育界でも最も注目されている「StarBoard」事業を通じて、学校ICTとそれを推進する国の政策に貢献し、IT企業としての責任を果たしていると思います。
 先日、カリフォルニアに出張し、何十年振りかに授業参観をしてきました。そこでも、先生が「StarBoard」を上手に使って、まさに双方向で、いきいきとした授業をされていました。自社製品が実際に役立っている場面を見ると非常に嬉しいものです。当社の事業形態では、そのような場面に直接遭遇する機会はまれですから、あなたも私も、とても貴重な体験をしましたね。

(日高)
 私はエリア限定でワンセグ配信を行う「エリアワンセグ」を担当しています。私たちシステムエンジニア(SE)も、お客様を通じて世の中に貢献するということは皆、基本的には理解していますが、プロジェクトルームに缶詰めになってしまうと、それを肌で感じることは正直言って難しいです。
 もっと多くの社員が、日々、社会に対する責任を自覚して、プライドを持って仕事をしていければ、当社はより社会課題の解決に貢献できる企業になれると思います。真山さんの体験を社員に広げていただくなど、社員の意識を啓発していくことも重要ではないでしょうか。

(社長)
 そうですね、そのための専任組織としてCSR 推進部を設けました。この組織は、CSRの啓蒙だけでなく、企業のあり方をみんなで考えていくためのプロモート役を果たす組織だと私は思っています。

世界のどこで事業を行おうとも、CSR意識のもとで事業活動をしていくのが当然

グローバルとグループ総合力

(安東)
 次は、当社のグローバルとグループ総合力について、CSRという観点も含めてお伺いします。

(真島)
 私は2008年から日立アメリカに1年間、出向していました。今回の合併によって、事業戦略の中でもグローバル化がより重要な課題になりましたが、CSRについては、グローバル化によってどう変わっていくのか、あるいは変わらないのか、社長にお聞きしたいです。

(社長)
 合併により1万名の優秀な社員を擁する企業となり、当社は大きな力を持って、世界に向けて羽ばたこうとしていますが、それにあたって、グローバルとCSRをことさら意識して結び付ける必要はないと感じています。事業の中で企業としての責任を果たしていくという観点に立てば、世界のどこであろうとも、CSR 意識のもとで事業活動をしていくことは当然です。
 ただし、当社はグローバル進出という点ではまだまだこれからですから、各地の文化や法体系などに疎いということではいけません。その意味では、海外では、コンプライアンスやCSRについて、より強く意識してあたるべきだと思います。

(真山)
 日立製作所をはじめ、グループ企業もそれぞれグローバルにCSRを展開されていますが、日立グループとして目指すことをまず示し、その中で当社が何をやるかを明確にできるとわかりやすいのではないでしょうか。

(社長)
 日立グループとしては、「社会イノベーション事業で世の中に貢献する」というビジョンがあります。そう言うと、電力などの社会インフラ事業をイメージする人も多いと思いますが、それだけではありません。例えば、今回の東日本大震災でコンビニエンスストアが社会インフラとして果たす役割、重要性に改めて気付かされたでしょう。
 私たちは日立グループのビジョンに沿って、ITソリューション、サービスの分野で当社の独自性を発揮しながら、世の中をより良くしていくという役割を果たしていくのです。

プロダクトソリューション事業本部 企画本部 ビジネス企画部 部長 加藤哲哉

(加藤)
 日立グループと言えば、規模の大きい企業グループのひとつですから、こうあってほしいという社会からの期待もあります。社会イノベーション事業という言葉で、それが具体的なメッセージとして伝わっているのか、もっと私たちも含めて、企業のメッセージを外に向けて発信し続ける必要もありますね。

従来どおりの地道なビジネスの中で、復興に取り組んでいくことが重要

東日本大震災を経験して

金融システム事業本部 金融システム事業部 保険システム本部 第3部 担当部長 大町一樹

(大町)
 今回の震災を経験し、私個人としては、インフラありきの情報システムについて、インフラがないと何もできないというもどかしさを嫌というほど感じました。インフラが崩壊した時に私たちにいったい何ができるか、それを考えさせられました。
 また、部内では、携帯電話が予想以上に機能しなかったことを踏まえ、当社のエリアワンセグ事業をもっと発展させる機会がないか、という話を始めています。ほかには、津波によって、会社や商店では経営に必要な情報が流されてしまったので、今後は、中小規模の事業所向けにパソコンや紙などの一般的なデータをセンターでバックアップするサービスを提供していけると良い、といったアイディアも出ています。

(日高)
 エリアワンセグに関しては、以前から災害時に役立つという仮説で動いていたのですが、その実証が進む前に、大規模災害が起きてしまいました。
 しかし、こういう時にこそ動かねばと、放送局に対して、500人以上の避難者を抱える避難所向けにエリアワンセグでテレビ番組などを流し、情報提供をしてみないかと提案しました。ところが、逆に放送局からは、ラジオで震災特別番組を放送するので、全国から義援金を募るシステムをつくってほしいと言われました。かなり時間が切迫していましたが、クラウド環境を利用して早く立ち上げることができました。さらに、募金していただいた方々にメッセージを書いてもらう「StarBoardR」による寄せ書きシステムを提案し、プロジェクトに協力しました。
 被災地のニーズと私たちの提案が必ずしも合致するとは限りませんが、こういう時こそ、もしアイディアがあるなら、行動に移していけば良いと思っています。それをきっかけに何かお役に立つことが発見できます。

(大町)
 被災地の詳細な被害状況を画像で示す衛星画像・情報提供サービスの「GeoPDFファイル」を政府、自治体に無償提供した当社の活動は、保険の支払いに関してとてもインパクトがありました。これまでは、保険会社から現地に大量の人を派遣して実際に評価していたものが、「GeoPDFファイル」を使えば、被害認定が迅速化でき、被災された方に少しでも早く保険を支払えるようになるでしょう。当社の独自性を活かした支援のアプローチができて非常に良かったと思います。

(社長)
 あれだけのことがあると、個人として、悶々と、もどかしい気持ちになるのは至極当然で、もちろん私自身もそうでした。そして、そういう風に感じること、もっと何か役に立ちたいと感じることは、人間として非常に大切なことだと思います。
 皆さんの出したアイディアもなかなか良いアイディアだし、お客様からの要望を直ちに実行できる力があるなら、すぐに実行していくことは素晴らしいことです。
 私は、日立グループに長年いて思いますが、当社の底力はボトムアップ力です。いくらトップが強くても、ボトムアップの力がなければ、1万人規模の会社は持続的な成長はできません。
 ですから、進むべき事業の方向に、会社として細かな方針を設けるつもりはありません。良いアイディアがあれば、即、現場主導で動いていけばいいのです。
 今回の震災復興は、長期戦になるでしょう。今後、何年も続いていく復興のさまざまな場面で、現場が主導して当社の強みを発揮し、お客様の事業の復興に役に立つことを確実に行っていくことが大切です。それが、国、地域、国民の復興を支援することにつながります。

(安東)
 今回の東日本大震災は社会課題を考える大きなきっかけとなりました。従来通りの地道なビジネスの中で、復興に取り組んでいくことが重要なのですね。

(加藤)
 それこそが、「貢献、貢献」という前に、私たちの事業が持つ社会に対する責任を果たすということですね。

自分の専門領域を活かすことで、独自の社会貢献ができる“プロボノ”の重要性に気付いた

一人ひとりが企業市民として

(安東)
 社会の一員として、社員一人ひとりが社会貢献に取り組むことも重要です。もちろん、会社としてもそれをバックアップしていきますが、皆さん自身は社会のために何ができると思いますか。

プロダクトソリューション事業本部 システムプラットフォーム事業部 プラットフォームプロダクト本部 ネットワークプロダクト部 ネクストジェネレーションファイアウォールグループ 技師 真島 秀一

(真島)
 ファイアウォール製品である「Palo Alto」の販売を始めて2年程になりますが、何か社会貢献活動ができないかと考え、お客様のカーボンオフセット活動を提案したりしています。2月2日の情報セキュリティの日には、ITセキュリティに関する啓蒙イベントと講習会を開きました。その時に、やはりプロフェッショナルとして、自分の専門領域を活かすことで、独自の社会貢献ができる「プロボノ」の重要性に気付きました。これは、私が10年間会社にいて初めて、社会と育ててくれた会社に恩返しができたと感じられた体験で、とても気持ちが良かったです。


(社長)
 当社の事業領域は多岐にわたっていますし、ダイバーシティ推進も行っていますから、個々人の能力や感性で取り組んでもらえる社会貢献活動は多岐にわたるであろうと思います。
 今回の合併を機に、新会社の経営層と若手社員が議論を重ねて、当社のビジョン、企業行動基準などを経営会議で決めました。その中でも、社員行動指針は皆さんが決めたものであり、これが皆さん一人ひとりのCSRの原点だと認識しています。
 企業理念やビジョンというと堅苦しくなりますが、社員行動指針については、皆さんの中で話題に出して、自分のやっている活動がCSRの観点から見たらどうか、という点について大いに話し合ってもらいたいですね。

社会・公共システム事業本部 販売企画推進本部 販売推進第1部 教育分野拡販グループ グループマネージャ 真山 美樹

(真山)
 私も、個人でCSRというと、敷居が高く感じていましたが、先日、とある大学の2年生向けにIT 業界とはどういうものかを講演してほしいというお話があり、思い切ってお受けしました。IT 業界とはこういうものだとか、自分が学生の時にもっとこうすれば良かったと感じたことを、そのままお話ししました。学生さんから、“話を聞いて会社とはどういうところかわかった”、“なぜ今この授業を受ける必要があるのか、意味がわかった”と言ってもらえ、大変嬉しかったです。

(安東)
 当社はボランティア休暇もありますので、制度を大いに活用して、個性を活かしたさまざまな活動をしてほしいですね。

仕事を通じて培った知識やスキル、経験やノウハウなどを活かした社会貢献活動。

社員がCSRという言葉を意識しないで、社会に対する存在価値を発信していける風土ができること

社員に根付くCSR意識

(安東)
 各事業部門、営業部門がCSRに対して実際にどんな意識を持っているのか、皆さんの職場ではいかがですか。

(加藤)
 事業を通じて社会課題に取り組み、お客様の課題の解決に役立っていくという意識は、すでに多くの社員にあると思いますが、それをCSRという観点でとらえることが難しいのだと思います。社内広報などを通じて、そこを紐付け、目覚めさせてくれれば、当社の社員がもともと持っているレベルの高い意識がより活かされるだろうと思います。

産業・流通システム事業本部 流通ソリューション事業部 流通サービスソリューション本部 第2 部 第1グループ 技師 日高 恵司

(日高)
 究極の目標は、社員がCSRという言葉を意識しないで、自然な状態で、社会に対する存在価値を発信していける風土ができることです。結局は「人」の会社なので、そういうモデルとなる人間を育て、社員の自覚とプライドを醸成すべきだと思います。


(大町)
 私も、最後は「人」のような気がしています。社員が、人間的に豊かで、素晴らしい人間に成長することを目指していける土壌があれば、おのずと企業は存続し、CSRも高まっていきます。その人なりの個性を活かしながら、良い方向に成長していけるようにすれば、それが持続と成長の原動力になります。つまり、CSRをあえて啓発するというより、「人」そのものを育てる活動が一番重要だと思います。

(社長)
 高度化し、複雑多岐で、多様な社会が持つ良さ、それが今の日本の良さであり、これを世界に広めていきたいですね。そんな社会が持続的に発展し、その構成員たちが少しずつ幸せになっていければいい。たとえ外から見て目立たない、地味なことでも、人にありがとうと言われて嬉しいと感じ、自分の人生を充実させていく、そういうことが大事なのです。
 日立ソリューションズには、良い社員がいて、仕事に一生懸命取り組んでいて、経営も安定していて、そして、社会的責任を果たしている会社である、そういう当たり前の姿こそが大切ではないでしょうか。

CSRの主役は社員。ボトムアップ力が会社の10年、20年先を支える

社員が描く会社の未来

(安東)
 二つの会社が一緒になって、力を合わせていかなければならない今、変わっていくもの、そして変わらなければならないものとはいったい何でしょう。

(日高)
 私は、ボトムアップで好きなことをやらせてもらっているので、当社のボトムアップの精神は変えてはいけないと思います。私もその精神を守っていきます。

(真島)
 私の出身地である九州の町がちょうど人口1万人なのですが、会社の皆がひとつのことに向かい、何かを変えていこうとすると、ちょうどあの町が変わるのと同じくらい素敵なことなのだな、と感じます。皆で何かできればいいですね。

(加藤)
 旧日立ソフトは、自社製品を前面に出して、お客様に合わせてカスタマイズし、パッケージを生み出していく、いわゆる“シーズ志向”でした。一方の旧日立システムは、お客様の課題を深く掘り下げて、お客様の課題を解決していく“ニーズ志向”でした。合併によって、それぞれが良さを発揮し、さらにそれらを組み合わせてお客様に提供できれば、マーケットに大きな影響を与えることができると期待しています。その意味で、旧日立システム、旧日立ソフトのそれぞれの良さは変えることなく、その上で会社として変わっていきたいですね。

(真山)
 私は、このディスカッションの前までは、CSRというと、少しピンとこない部分があったのですが、今日のお話で、事業を通じてのCSRという意味がやっと理解できたと思います。
 これを全国の社員に広げていければ、社会に役立つ新たなビジネスやソリューションを生み出そうという社員の発想をより引き出すことにつながると思います。

(大町)
 私は、今回の東日本大震災で、あのような事態に直面した時、人はアナログに立ち返るということがよくわかりました。これからは、もっとアナログを理解した上でデジタルソリューションを提案できる会社に変わっていきたいと感じました。

(社長)
 これからグローバルでの競争がますます厳しくなっていくと、企業は安定した財務基盤も必要となります。今回の合併によって財務基盤も強化されましたので、皆さんもビジネスにいっそうパワーを注げると思います。
 CSR、すなわち事業を通じた持続的な社会の実現については、社長が主役というよりも、社員が主役です。
 当社の強みはやはりボトムアップ力。それが会社の10年、20年先を支え、より良い方向に変えていくことを期待しています。

ステークホルダー・ダイアログを終えて

 本ダイアログを通じて、「社員」というステークホルダーが、いかに重要でかつ心強いものであるかを実感しました。
 事業を通じて社会に貢献するということは、当社の企業理念でもあり、概念は誰もがよく理解しています。しかし、技術や製品はそれがどんなに素晴らしいものでも、人財の力がなければ事業として成り立ちません。社員一人ひとりの仕事に対する真摯な取り組み、情熱、働く喜び、チームワークが備わってこそ、社会の発展に貢献する企業と言えるでしょう。
 今回のダイアログでは、社員の積極的な姿勢や、それを導く社長の想いが感じられました。持続可能な社会の実現に寄与し、自らも成長する企業としての責任を新たに痛感した次第です。

CSR 統括本部
ブランド・コミュニケーション本部 本部長 安東 泰隆
CSR 統括本部 ブランド・コミュニケーション本部本部長 安東 泰隆

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