講演レポート:第24回 ワークスタイル改革で企業価値向上へ!|Prowise Business Forum in KANSAI|株式会社日立ソリューションズ

株式会社 日立ソリューションズ

Prowise Business Forum in KANSAI 第24回

ワークスタイル改革で企業価値向上へ!
~AIによる人財データ活用の可能性~

少子高齢化による労働人口の減少や、長時間残業の社会問題化など、企業は、それらの背景を受けて、従来の働き方からの脱却を求められています。そのためには、社員一人ひとりの生産性を向上させるための変革が重要です。
会社の中だけではなく自宅や社外からも仕事ができる仕組み、従業員の勤務時間を管理し長時間の残業を抑制する仕組みなど、仕組み面での改革はもちろん、社員のストレスをケアし、モチベーションを向上する組織づくりなど、マインド面での改革も求められています。
本フォーラムでは、AIを活用した分析をはじめ、ITによるワークスタイル変革に取り組んでいる当社の事例を交えながら、生産性を向上させるための働き方のヒントについてご紹介しました。

開催概要

日時 2017年7月13日(木) 15:00~17:15 (14:30 受付開始)
会場 〒530-8310 大阪府大阪市北区芝田1-1-35
大阪新阪急ホテル 2階 花の間
主催 株式会社日立ソリューションズ

【招待講演】
ディズニーが教えてくれた 企業価値を高める6つの要素姿

鎌田 洋 氏
株式会社ヴィジョナリー・ジャパン
代表取締役 鎌田 洋 氏
【講師プロフィール】

商社、ハウスメーカーで勤務し、5度のチャレンジの末に1982年に株式会社オリエンタルランドに入社。カストーディアル(清掃部門)に8年、ディズニー・ユニバーシティ(教育部門)に7年在籍して全スタッフの指導、育成に努める。その後、1997年に「7つの習慣」で有名なフランクリン・コヴィー・ジャパンで代表取締役副社長・セミナー事業部担当として、自らコンサルタントを務め、1999年に株式会社ヴィジョナリー・ジャパンを設立し現在に至る。カストーディアルでの体験に基づいた著書『ディズニーそうじの神様が教えてくれたこと』をはじめとする「ディズニー神様シリーズ」はシリーズ6作で90万部を超える大ヒットとなっている。

 15年間東京ディズニーランドで勤務した経験を持つ鎌田氏は、“優れた組織に共通する6つの要素”をディズニーでの体験に基づいた事例と共に紹介した。

人を喜ばせることはビジネスの原点であり人生の喜びでもある

 それまで勤めていた商社を辞め、5回目のチャレンジで1982年に念願のオリエンタルランドに入社した鎌田氏に最初に与えられた仕事は、カストーディアル(美の管理人)と呼ばれる深夜の清掃業務だった。そこでエリアスーパーバイザー兼トレーナーを経て、8年目にディズニー・ユニバーシティ(教育部門)に勤務した同氏は、全スタッフの指導・育成をしながら社内報作成や休憩場所の管理などの仕事を経験。そして15年目でディズニーを辞職した。

 「ディズニーから学んだことは、その経験が全ての組織運営・個人の生き方に応用できるということ。なぜなら、人を喜ばせることはビジネスの原点であり、人を喜ばせることは人生の喜びでもあるから」と鎌田氏は語る。

 その後、外資系のコンサルタント会社に転職した同氏は、1999年にヴィジョナリー・ジャパンを設立し、現在に至る。

 ディズニーでの勤務経験を振り返り、ビジネスの原点に立ち返ることが重要だと強調する鎌田氏は、近年の顧客満足度(CS)志向の背景について、経営環境の変化があるという。「経済のグローバル化、新興国の台頭、情報インフラの整備と高度化などがあるが、最も追い風となっているのが顧客ニーズの多様化と高度化である」と鎌田氏はいう。つまり、顧客は自分の価値観に基づいて、好き嫌いをはっきり言う時代になったということだ。

ディズニーでの経験を通じてわかったCSに成功する6つの要素

 それを踏まえ、鎌田氏は、“優れた企業に共通する6つの要素”について説明した。1つ目は「理念・哲学を伝える」。これはミッションをフロントラインまで理解させること。ディズニーの教育プログラムでは「私たちの役割は『ハピネスへの道作り』」、「ゲストの期待を超えて」、「ショーはいつでも初演」と教え、ウォルト・ディズニーの哲学や理念を徹底して教えられる。

 2つ目は「仕組みを整える」。理念を具体化するために仕組みを作る必要がある。企業には様々なシステムが存在する。例えば商品開発、教育、人事評価、サービスなどが考えられる。それらのシステムは理念を意識して作られなければならない。

 3つ目は「想いを具体化する」。優れた仕組みがあっても本人がやる気を持って行動しなければ意味がない。ディズニーでは独自の教育プログラムの中で「ハピネスの道づくり」ほかの行動指針を学ぶ。また、各種のイベントやOJT、上司が部下の普段の仕事ぶりを評価する表彰システムも自立心を養う貴重な教育の場としている。それが発揮されたのが2011年3月11日の東日本大震災だった。キャストが自身の判断で段ボールやお菓子、防災ずきん代わりのぬいぐるみを配り、公共交通の止まった園内で一夜を過すゲストの安全確保と不安感の払拭に努めた。その原動力となったのは理念を具体化するための4つのキーワード、「安全」「礼儀正しさ」、「ショー」、「効率」の優先順位を意識して取った彼らの行動の結果なのだ。

 4つ目は「プライドの喚起」。ディズニーとは離れるが、鎌田氏がある企業で“自社のプライド”とは何かについてアンケートを取ったところ、ユニーク性、本物志向、誠実さ、こだわり、社会貢献、チームワークなどというワードが挙げられたという。これらは全てES(従業員満足)につながり、自分たちのサービスや組織に誇りを持てるようになるという。

 5つ目は「顧客の期待を超える」。ディズニーは世界初のトーキーアニメーションやテーマパークを作りハピネスへの道作りを実現したが、アップル社はiMacやiPhoneで暮らしを豊かにし、日本の岐阜にある大垣共立銀行はATMスロットゲームやドライブスルー型店舗を設置して楽しい銀行をめざしている。これらは全て顧客の期待を超えて新しい市場を作る提案型企業である。

 6つ目が「個人の主体性を喚起する」。主体性とは何か。自分の人生のミッションを持つ、自分ができることは何かを常に考える、他責に集中せず自分の影響力を拡大するなど、組織の個々人が精神的に自立し、自分の人生を大切にしていることがポイントとなるという。

人は“ありがとう”の言葉の数だけ幸せになる

 会社は生態系的なシステムを構築して信頼を高める仕組みを作り、個人も人格と能力をバランスよく向上させて、自ら信頼されるような行動をすることが大切なのだという。

 最後に、「人は“ありがとう”の言葉の数だけ幸せになる」と説く鎌田氏は、『与えることは最高の喜びであり、他人に喜びを運ぶ人は、それによって自分自身の喜びと満足を得る』というウォルト・ディズニーの言葉を引用し、基調講演を終了した。

【日立ソリューションズセッション1】
当社のワークスタイル変革とそれを支えるICTソリューション
~女もすなる家事といふものを男もしてみむとてするなり~

伊藤 直子

株式会社日立ソリューションズ
ライフスタイルイノベーション本部
ワークスタイル変革ソリューション部
担当部長 伊藤 直子

 日立ソリューションズセッション1では、日立ソリューションズのワークスタイル変革の取り組み事例と、それを支える最新のソリューションを紹介した。

人事部主導で「かえるキャンペーン」と「3つの“もっと”」を実施

 伊藤は冒頭、「日立ソリューションズでは働き方変革に取り組み、マインド、制度、ITインフラの3つを整備しながら推進してきた」と紹介する。2002年~2007年頃までは「働く『時間』を柔軟に」をキーワードに、フレックス勤務や時短勤務、裁量勤務制度などの制度を整備。その後、2008年~2016年までは「働く『場所』を柔軟に」をキーワードに、シンクライアントやPC持ち出し制御の導入、コミュニケーション基盤の刷新などのIT更改を行った。また、ダイバーシティ推進センタを設立し、ダイバーシティの社内普及・推進活動を実施によるマインド醸成を促進してきた。

 その結果、「ワークライフバランス大賞 優秀賞」(社会生産性本部 2007年)、「働きがいのある会社 ベスト10」(GREAT PLACE TO WORK 2010年)、「ダイバーシティ経営企業100選」(経済産業省 2015年)、「女性活躍推進法に基づく厚生労働大臣認定(えるぼし認定)第3段階」(厚生労働省 2016年)などの評価を得てきた。

 しかし伊藤は、「実態は、まだまだの状況」なのだという。在宅勤務の利用率については、2015年度は2.1%に留まり、2020年にテレワーカーを10%にするという行政目標にはほど遠い状況だ。月平均の残業時間については、2016年度の目標として掲げた22.0時間未満は達成できたが、2017年度は20時間が目標なのでさらに推進中だという。

 日立ソリューションズでは2016年9月~2017年3月まで、人事部主導の全社運動「カエルキャンペーンmotto!」を実施した。カエル(変える)キャンペーンでは、1)罹病率をIT業界最低水準にする。2)総実労働時間を100時間削減する。3)育児・介護を理由とした退職者をゼロにする、といった3つの目標を掲げて、施策としては3つの“もっと”である1)もっと柔軟な働き方(タイム&ロケーションフリーワークの実施、サテライトオフィスの試行利用)、2)もっと早くカエル(定時退社日設定、朝型勤務の推進)、3)もっとコミュニケーション(SOLmate:日立ソリューションズ独自の社員同士が褒め合う・認め合うポイント制度の実施、女性交流会/段々飛び懇談会などの施策)などを行った。

 結果として、テレワークについては「仕事の効率が上がった」「仕事と私生活の両立がしやくなった」という意見が多く、11名の短時間勤務者が(週2~3回在宅勤務ができるなら)フルタイム勤務を希望したり、92%の人が今後もテレワークを利用したいと希望したりする効果が見られた。

 「しかし、その半面、まだ制度が浸透しておらず職場の意識醸成が足りないといった課題や、テレワークだけでは残業は減らず、それ以外の生産性向上の施策が必要だといった課題が見えてきた」と伊藤はいう。

バランスを阻害する3つの要因を解消する「ワークスタイル変革ソリューション」

 そうした取り組みの中、日立ソリューションズでは、2017年7月に「ワークスタイル変革ソリューション」を発表した。これは、ワークライフバランスを阻害する3つの要因(場所・時間の制約、作業量過多、現状と効果の把握が困難)を解消することを目的に、A)社員の柔軟な働き方:テレワークやサテライトオフィス活用など多様な働き方を可能にする。B)組織の生産性向上:Robotic Process Automation(RPA)の自動化技術やAIを用いて業務を効率化し、組織の生産性向上を支援する。C)人財の管理と分析:働き方改革を支えるITソリューション群とAIの活用により企業の持続的成長を支援する、という3つの領域で最適なソリューションを提供するものだ。

 社員の柔軟な働き方では、「コミュニケーション基盤導入ソリューション」「仮想デスクトップ導入ソリューション」「スマートデバイス活用支援ソリューション」を組み合わせ、セキュアなテレワーク環境を構築してスマートデバイスの管理により柔軟な働き方を実現する。

 組織の生産性向上では、オフィス業務の効率化と会議の効率化に着目。毎日、大量に、繰り返し発生するパソコン作業などの定型業務は「Robotic Process Automation業務自動化ソリューション」で自動化し、人はより創造的な非定型業務に時間を割く。その非定型業務を「AIアシスタントサービス」が支援する。そして、「会議効率化ソリューション」で会議準備や議事録作成プロセスの効率化、議論の可視化をサポートする。(人財の管理と分析の説明については、次の日立ソリューションズセッション2に譲った)

 最後に伊藤は、「働き方改革を進める上で、リモート会議を浸透させるだけでも接続に苦労するなど最初はさまざまな問題が発生することもあるが、それを乗り越えて、ぜひ柔軟なワークスタイル変革を皆で実現していきましょう」と語りかけ、セッションを終了した。

【日立ソリューションズセッション2】
「健康経営」「従業員エンゲージメント」への人財データの活用
~サイエンスは勘よりも強し~

盛井 恒男

株式会社日立ソリューションズ
ライフスタイルイノベーション本部
HRテクノロジーセンタ
センタ長 盛井 恒男

 日立ソリューションズセッション2では、当社の人財データ分析事例とあわせて、新ソリューション「リシテア/AI分析」について紹介した。

人財データアナリティクスの専門組織は今後戦略的に重要になる

 冒頭で盛井は、「人財データを経営の意思決定に役立てている割合が世界的に増加し、今後人財データアナリティクスの専門組織は戦略的に重要になると見られている」と予測を述べる。特にアメリカでは、人事部門はもはや企業の業績をアップするビジネスアクセラレーターとして存在感を増しており、従業員エンゲージメントの向上やタレントマネジメントの高度化など、従業員は会社の所有物ではなく人財と捉え、“チェックイン”と呼ぶ日常的能力改善の仕組みを提供することによって、ビジネスKPIに直結するHR戦略が取られていくだろうと説明する。

 日本の場合は、社会的環境要因(労働人口減、少子高齢化、従来の雇用慣行の変化など)と、経済的環境要因(グローバル競争激化、イノベーション圧力、利益重視経営など)、政治的環境要因(働き方改革、女性活躍推進、長時間労働規制、同一労働同一賃金など)を前提として日本政府が働き方改革を強力に後押しするとともに、技術環境要因(AI、ビッグデータ、IoTなどの進展によるアナリティクス技術の革新、ビジネス基盤のクラウド化・プラットフォーム化)の進展による人事課題に対するテクノロジーの応用にも注目が集まっている。

 「日本企業の期待は従業員の生産性を高めるための分析に集中しており、自社の人財マネジメントの課題把握やデータの整備、その継続的な分析は今後の課題になっている」と盛井は指摘する。

全休職者の5割以上の予兆を検出し、休職発生を抑止できる可能性に期待

 日立ソリューションズは人事総合ソリューション「リシテア」を販売する中で、お客様の要望や課題をヒアリングしたところ、ある会社の人事部門は「良い組織の働き方の横展開による全社のパフォーマンス向上」を期待した一方で、別の会社の健康管理センタは「休職によるパフォーマンス低下やメンタルダウンの未然防止を図りたい」という結果となったという。

 そこで、日立ソリューションズのデータを活用し、これらの期待に応えられないか、AIによる実データ分析を試行した結果を紹介した。まず、パフォーマンス向上に向けた分析であるが、目的指標(パフォーマンス)には従業員サーベイ結果を使用、経営指標(営業利益、受注高、人事指標など)との相関を分析して、パフォーマンスが上がれば経営指標が向上することの裏付けを取った。そのうえで、AIを使って、説明指標(働き方データ、人財データ、目標管理データ、労働環境データなど)からパフォーマンスを予測するモデルを生成した。パフォーマンスの予測モデルとは、複数の指標を組合せることでパフォーマンス値を算出する方程式を作ることと考えればよく、この方程式が出来上がれば、どの指標を上げれば効果的にパフォーマンス値を上げることができるかがわかる。その結果、高いパフォーマンスを発揮している人は、教育受講日数が多く、メール送受信数も多く、年休の取得日数は平均よりやや少なく、実働時間も平均よりはやや長いことが分かったという。「この結果から、これらの指標を意識し、同様の状態を作り出すことでパフォーマンスを向上できる可能性があるとの示唆が得られた」と盛井は述べる。

 次に、メンタルヘルスへの人財データの活用だが、従業員の働き方や労働環境などの人財データを分析し、過去にメンタル休職した従業員に近い働き方や労働環境の人を検出することを目指した。機械学習によりメンタル休職した従業員の特徴を学習させることで、それに近いデータを持つ人を検出しようというのだ。それによると、過去に休職した人のデータで検証したところ、全休職者の53%を検出することができた。これを毎月の最新の勤怠データに適用し、検出された人の働き方を改善していけば、休職に陥る前に救える可能性があると判断したという。

 「このモデルを使って定期的に予測すれば、ストレスケアが必要な人を特定でき、将来の休職者発生を抑制する効果が見込める」と盛井は期待する。

精度の高い分析モデルをベースに改善アクションを支援する「リシテア/AI分析」

 これらの試行結果を踏まえ、人財データをAIで分析し、個人と組織のパフォーマンス最大化に向けた診断・予測をする新ソリューション「リシテア/AI分析」をリリースしており、その概要を紹介した。リシテア/AI分析は、「分析フェーズ」と「運用フェーズ」で構成されている。分析データの選定と収集を行い、AI分析(モデル構築)を複数回繰り返して精度の高い分析モデルを構築するのが「分析フェーズ」、その結果をシステムに盛り込み、人財データを自動収集して自動分析し、最新のデータで診断・予測結果を定期的に提示し、設定目標に向けた改善アクションを支援するのが「運用フェーズ」だ。

 2017年2月に第一弾として「組織ストレス予測サービス」をリリースし、7月には「組織パフォーマンス診断サービス」の販売も開始した。その後も、離職防止サービスや人財配置マッチングサービス、能力開発支援サービスなどを提供していく予定だという。

 最後に盛井は、「経営への人財データ活用は不可欠。したがって、今後分析が本格化したときに必要なデータが揃わないということのないようすぐにでも人財データ蓄積を始めるべきだ。また、分析して満足することなく、どのような結果を求めているのか、何をしたいのかを明確にし、分析結果がすぐに効果につながらなくても、粘り強く継続して、分析結果の経営への活用を自動化していくことが大切である」とアドバイスし、セッションのまとめとした。

講演資料ダウンロード

フォーラム当日の講演資料はこちらからダウンロードできますのでご覧ください。

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