講演レポート:第81回 CRMの真理は新幹線清掃チームにあり!おもてなしを科学する理論とは|Prowise Business Forum in Tokyo|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

株式会社 日立ソリューションズ

Prowise Business Forum in Tokyo 第81回

CRMの真理は新幹線清掃チームにあり!
おもてなしを科学する理論とは

 近年、日本国内にとどまらず世界からも注目されている「おもてなし」。ファン層を醸成するためあらゆる業界でおもてなしは存在しています。しかし、思うような成果が得られていないのではないでしょうか。顧客を正しく理解し施策を実行すること、そして、費用対効果のバランスが保たれているか、常に把握することが求められます。本フォーラムでは、「おもてなし」と「成果をあげるCRM」の因果関係を紐解き、科学的なおもてなしのあり方を考察しました。

 基調講演に株式会社JR東日本テクノハートTESSEIの矢部輝夫氏をお招きし、ハーバード大学ビジネススクールでも必修科目となった新幹線清掃の「おもてなし」についてご講演いただきました。日立ソリューションズからは、ファンビジネスにおけるCRMのあり方について考察し、顧客の理解を推し進めるデータ分析の勘所について事例を交えてご紹介いたしました。そして、株式会社アシスト様より、施策実行の即時性を高めるビジネスルール管理システムについてご講演いただきました。

開催概要

日時 2015年3月12日(木) 14:00~16:30 (13:30 受付開始)
会場 東京都港区港南2-18-1
JR品川イーストビル20F セミナーホール
主催 株式会社日立ソリューションズ

【基調講演】
働く誇り ~限りなくあなたと共に新幹線劇場~


株式会社JR東日本テクノハートTESSEI
おもてなし創造部
顧問 矢部 輝夫 氏

【矢部 輝夫 氏 プロフィール】

1966年、日本国有鉄道入社。以後電車や乗客の安全対策の専門家として40年勤務し、安全対策部課長代理、輸送課長、立川駅長、運輸部長、指令部長などを歴任。2005年、鉄道整備株式会社(2012年に株式会社JR東日本テクノハートTESSEIに社名変更)取締役経営企画部長に就任。従業員の定着率も低く、事故やクレームも多かった新幹線の清掃会社に「トータルサービス」の考えを定着させ、日本国内のみならず海外からも取材が殺到するおもてなし集団へと変革した。2011年、専務取締役に就任。2013年に専務取締役を退任、おもてなし創造部長(嘱託)を経て、2014年に顧問となり現在に至る。2015年、ハーバード大学ビジネススクールがこれらの取組みに注目、必修科目となることが決定した。

 基調講演に登壇した矢部氏は、世界最高の技術を持つ"JR東日本の新幹線"の車両に「お掃除」という側面でメンテナンスを行う技術会社なのだという誇りを持ってさまざまな施策を展開していると自社を紹介した。

5分30秒間の奇跡と挑戦への意識改革がクレームを激減させた

 株式会社JR東日本テクノハートTESSEI(以下、TESSEI)の10年前は、現在と大きく状況が異なっていたという。車両清掃を専門とし、JR東日本からの受託業務を淡々とこなすだけの上位下達でスタッフの思いが伝わらない、ミスやクレームが多い会社だった。

 現在、TESSEIには860名のスタッフが在籍し、その中の4割がパートタイマーで、平均年齢が50歳の普通の会社である。では、なぜこれほどまでに世間の注目を集めたのか。「『7 minute miracle』をさらに進化させ続け、日本の美徳である『礼』にもこだわり続けているから」と強調する矢部氏は、完璧なマニュアルと行動指針、厳しさ、真摯さ、熱意、継続が全てのベースとなっているという。

 7 minute miracleとは、JR東日本の新幹線は東京駅のわずか2つのホームに4分間隔で入線するため、最大12分しか停車できず、乗客が降り乗りする時間以外の7分しか清掃作業に当てられないことからそう呼ばれている。しかし、安全確認と最終確認を行うため実質5分30秒で作業を終了させなければならない。全長400メートル以上もある新幹線の全ての車両に、1チーム22名、2チーム合計で44名を投入して清掃を行うが、座席・テーブル・床・窓の清掃以外にも、重い荷物を抱え降り遅れる乗客をサポートしたり、トイレの詰まりを素手で清掃したりするなど、5分30秒には毎回さまざまな苦労があるという。

「TESSEIは、東京駅だけで1日に12万座席、年間5,000万座席の清掃を担当し、クレーム数は年間5~6件。10年前は30件近くのクレームがあった」と矢部氏は説明する。この10年で意識改革を行い、無理だと思われていた清掃品質の向上を、挑戦することで改善していったという。

 矢部氏は意識改革を困難にする4つの理由を示す。1つ目は改革の必要性を感じていないこと。2つ目は改革をしたいが面倒と考えること。3つ目は改革をしたいがリスクが怖いという理由。4つ目は改革をしたいが「あいつが言うからやりたくない」という反発。そこで矢部氏は、自ら社内清掃という仕事を世の中に認めてもらうために必死に社内改革に取り組み、スタッフも次第に矢部氏の努力を認めてくれるようになったという。

CSとESを共有する意識改革をハーバード大学のビジネススクールも注目

 矢部氏は、「世の中の安全への取り組みには5つの幻想がある」と述べる。教育さえすれば皆がルールを守ってくれるという「教育幻想」。怒ったり懲罰を与えたりすれば皆ルールを守ってくれるという「処罰幻想」。文書で指示すれば全ての人が理解してくれるという「文書幻想」。誰もが毎日健康な状態で業務を遂行してくれるという「健康幻想」。そして、どんな状況でも皆が常識を働かせて行動してくれるという「常識幻想」だ。

 実践行動には教育・訓練やルール・行動指針が必要となるが、以前は5つの幻想によって失敗が多かったという。そのため、人を大事にする企業風土を基盤とし、スタッフや仲間を認め合う力、働く喜び・楽しさ・誇り、会社へのアクティブな参画意識などを仕事の改善力とすることで、総合力・本社力を現場力に変える価値観の改革を進めていったという。

「TESSEIも従来の清掃業からサービス業へと意識を変え、CS(顧客満足)をめざしたがうまくいかなかった。それは最も大事なES(従業員満足)を忘れていたからだった」と話す矢部氏。ESを満足する方法は給与やボーナスなどのインセンティブを増やすと考えがちだが、そればかりではなく、3K(危険・汚い・きつい)仕事でも社会的な役割を認識し、広いビジョンを持って活き活きと誇りを持って働くことがESを実現する上で重要な要素だと断言する。

 ハーバード大学のビジネススクールがTESSEIの行った改革をケーススタディとして導入したのもまさにこの部分であり、矢部氏は「CSとESを共有する思い出が最大の商品」と説明する。現場のスタッフはこれを「新幹線劇場」だと表現してくれたという。主役であるお客様と脇役であるTESSEIのスタッフがすばらしいシーンを共有するステージという意味だ。

さわやか・あんしん・あったかという思い出をお土産に

 それを境に仕事の質が大きく変わったという。おもてなしやサービスというのは製造業にも当てはまると矢部氏はいう。「製造業は単にモノを作っているのではなく、製品や技術の提供を通じてお客様に喜んでもらい、満足してもらい、役に立ってもらいたいと考えているはず。その気持ちはおもてなしやサービス以外の何物でもない」

 TESSEIには正規の清掃作業マニュアルの他に、スタッフが作った『スマイルTESSEI』という45ページの小冊子が存在する。その中にはキーワードが3つある。1つ目は「さわやか」。駅や車内空間はお客様をお迎えしおもてなしするステージであり、それが不清潔では台無しになるので清潔でさわやかな空間を創り上げる。2つ目は「あんしん」。TESSEIは新幹線輸送を担っており安全確保は最も重要な任務。安全に徹するとともに、さわやかな身だしなみやきびきびした行動で安心と信頼を深める。3つ目は「あったか」。TESSEIは利用するお客様との出会いを大切にしたい。TESSEIとの出会いを思い出というお土産として持ち帰っていただく。

 また、新しい時代が来たという変化を予感してもらうために、スタッフの制服もがらりと変えたという。同時に「コメットスーパーバイザー」(CSV)というエキスパートを14名選出し、スタッフの手本とさせることで全員のモチベーションを高めていった。「最初はいろいろな軋轢もあったが、今のTESSEIがあるのはCSVのおかげだといえる」と矢部氏はいう。

 さらに、TESSEIは「礼」も重視した。右手の上に左手を重ね、心を込めて上半身を15度傾ける。これが日本の美徳を表すものとして外国からも高い評価を受けたという。

JR東日本の新幹線ホームで今日も新幹線劇場は開演している

 次に、矢部氏はTESSEIの哲学をいくつか列挙した。「リーダーは何でも知っていると思いがちだが、現場が一番よく知っている」、「改善はトップダウンで始まりボトムアップで完成する」、「スタッフの建設的な提案に対し『NO!』と言わない」、「二流・三流の戦略でもいいから一流の実行力を持とう」、「こつこつと励む人々を見逃すな。そうした人々がピラミッドを支えている」、「厳しさだけではだめ、あたたかさだけでもだめ、両方を公平に評価することが大事」などだ。

 また、1人のカリスマ社員が100の力を出して引っ張る組織より、100人の平凡なスタッフが1の力(当たり前の仕事)をきちんとやり遂げる発想を重視するという。「1の力を2や5にしていけばさらに大きな力になっていく」と矢部氏はいう。

 さらに、「きょういく」という言葉の意味にも言及する。矯育、脅育、狭育、怯育、凶育などは全て否定する。気づき、共感、共創という意味の「共育」を進めることで、成功体験の共有をめざすという。

 矢部氏は「当社が大事にしているのは、さわやか、あんしん、あったかの行動を誰かがやってくれているので、それをできる限り見逃さないようにしていること」と述べる。TESSEIでは約30名のエンゼルリポーターと呼ばれる担当者が、地道にこつこつとがんばるスタッフをリポートする『エンゼルリポート』を発行し、褒賞や表彰を行っているが、そのエンゼルリポートは累積で約2万件の小さな成功体験が実名で報告されているという。「それを社長からパートまでが目を通し、褒め合う文化があるからこそTESSEIの今がある」と矢部氏はいう。

 最後に、「どんな人生、どんな仕事でも、誇りと生き甲斐を持った瞬間から幕は開く。JR東日本の新幹線ホームで今日も新幹線劇場は開演している。TESSEIのスタッフは、そこでお客様と一緒に感謝・感激・感動の世界を作っていきたいと思っている」と矢部氏は語り、基調講演を終了した。

【日立ソリューションズセッション】
ファンビジネスの事例に学ぶ、戦略的CRMの導入とデータ分析の勘所

株式会社日立ソリューションズ
サービス・インテグレーション本部
主任技師 藤原 英哉

 日立ソリューションズセッションでは、ファンや会員向けビジネスのマーケティング活動をトータルに支援するクラウドサービス「ファンビジネス向けトータルCRMソリューション」の適用事例を中心に、顧客戦略としてCRMを導入するポイントや蓄積されたデータを具体的にどのように分析し、施策につなげているのかについて解説した。

座席選択サービスを導入して個客満足度を向上した東京ヤクルトスワローズ

 2013年8月から提供を開始したファンビジネス向けトータルCRMソリューションは、会員向け機能と運営者側向け機能をクラウドサービスからトータルに提供するシステムだ。エンターテインメントやスポーツ興行主、サービス業や小売業の企業は、チケット販売から会員管理、プロモーション、データ分析まで、O2O(Online to Offline;ネット販売などのオンラインマーケティングと実店舗でのオフラインマーケティングでの購買行動が連携すること)を実現し、ファン・会員数の増加や集客力のアップ、リピート購買率の向上を図るとともに、会員の行動履歴を分析し、傾向や特性を把握するカスタマープロファイリングによって、見込み客からファンに育成する効果的なマーケティングを行うことができる。

 これを活用したのが、株式会社ヤクルト球団(東京ヤクルトスワローズ)だ。ホームグラウンドの神宮球場において、ロケーションが悪く売れにくい席をカップルや家族向けにテーブル席として用意し、付加価値を付けるとともに、通路側の席やネットが目に入らない席などシートごとに座席予約を可能にして満足度を向上。2012年と2013年を比較すると売上は30%増加し、観客動員も15%増加した。

「当日券を購入する人と前売り券を予約して購入する人は、以前は50対50の割合だったが、座席選択サービスを導入することで前売り券を購入する率が80%を超えた。観客動員数が当日にならないと判明しないのは球団経営的に相当厳しいものだったが、それが解消されたことは大きい」と藤原は説明する。

 次に紹介した、株式会社ジュビロ(サッカーJリーグ「ジュビロ磐田」)の事例では、会員限定コンテンツ(コラムや動画)を配信するとともに、ポイント提供を行い、貯めたポイントでレアな体験(VIP観覧席、選手とのハイタッチなど)をプレゼントするプログラムをファンビジネス向けトータルCRMソリューションで開発。マイページを活用したクラブとサポーターとの連携強化によって、J2になっても会員数を維持し、会員の来場率をJ1だった前年度比120%に改善した。

ポイントを軸としたファン活性化システムの構築をめざしたオリックス

 ここで藤原は、オリックス株式会社(オリックス・バファローズ)のケースを詳しく紹介した。2011年10月にCRM導入プロジェクトがスタート。コアファン/ライトファンの行動履歴がほとんど把握できていない、既存ファンに新たなファンを連れてきてもらいたいがファンの愛着を高めるツールがないという課題があったという。

「こうした悩みを持つ企業は多い。自社の顧客はどんな顧客なのか、傾向を明確に分析している企業はあまり存在しない」と藤原はいう。

 従来は、チケット部門、飲食・グッズ販売、宣伝、イベント、ファンクラブなどの各組織が独立して施策を打っており、相乗効果の好循環が生まれにくい状況だったという。また、システムも、ファンクラブ入会システム、チケット販売システム、会場・店舗管理システム、ECサイトなどが複数のベンダーで構築され、データもばらばらで連携されていなかった。

 そこでオリックスは、お客様を単なる消費者で終わらせないような施策と、お客様を「顧客」から「個客」へと資産化(データ化)するCRMを実施。「CRMは経営戦略である」というトップダウンの号令のもと、ポイント制度を軸としたファン活性化システムの構築をめざした。

タッチポイントデータからの施策はビジネスを安定させる上で非常に重要

 現状把握→仮説の立案→施策実施→仮説の再検討というPDCAを回す仕組みづくりを進める中で、ボトルネックになりがちなのがデータ分析の部分だと藤原は指摘する。

「タッチポイントとコンセプトが決定し、仕組みが構築されていけばデータは蓄積されるが、そのデータをどのように分析し、施策に活かすかといった作業は結構負担が大きい。そのため、このデータ分析の部分を日立ソリューションズが支援した」

 データベースマーケティングの進め方として、最初の1ヶ月でシーズン全体の計画を立て、必要に応じて定期的に見直しながらプロジェクトを推進。前年データから今年度の施策につなげる15テーマ(7つの見える化、3つのセグメンテーション分析、3つの仮説検証、2つの予測分析)を立案しデータ分析を実施していった。その中で、ファンクラブ会員の来場記録と全ての購入記録を可視化したところ、プラチナ会員、プレミアム会員以外にもレギュラー会員も数多く含まれていることが判明し、販売促進戦略を一部見直したという。

 そこで、2014年に新たなプロモーション施策として、前月よりも多くの試合を観戦するとボーナスポイントを付与する「自分越えキャンペーン」を提案し実施した。その結果、来場回数が大幅に伸び、チケット、グッズ、飲食のいずれの収益にも大きく貢献する結果になったという。

 最後に藤原は、「施策は全て成功しているわけではなく、また成功しても当初の仮説とは大きく異なる結果になった施策もあったが、タッチポイントで得られたデータからさまざまな施策を打つことは、ビジネスを安定させる上で非常に重要だと実感した。お客様がどのような行動を起こす人なのかを把握することで次のビジネスにつなげることができる」と述べ、セッションのまとめとした。

【特別講演】
ファン分析の結果を即システムに反映させるBRMSのススメ

株式会社アシスト
情報基盤事業部 製品統括部 プログレス推進部
課長 佐藤 彰広 氏

 特別講演では、ビジネスルール管理システム(BRMS)がマーケティングオートメーションにどのように役立つのか、またBRMSのもたらす効果などについて、株式会社アシストの佐藤氏が紹介した。

オムニチャネルの実現にはビジネスルールを独立して考えることがポイント

 冒頭、佐藤氏は、オムニチャネルのめざすところとは何かについて定義した。「オムニチャネルとは、ネットストアでもリアルな店舗でも同様のカスタマーエクスペリエンスを利用者に提供する、いわば"おもてなし"の究極系ともいえるもので、シングルチャネルのカスタマーエクスペリエンスに比べ顧客の長期囲い込み効果がある。O2O(Online to Offline)マーケティングではスマートフォンやWebサイト上での行動をリアル店舗と結びつけるための施策である」

 一方で、O2Oやオムニチャネルでよく利用されるクーポン配付などの施策は、商品が安くなるタイミングが消費者に知られてしまうだけで店舗のファンになるわけではなく、DMが来ても迷惑なだけだと感じている顧客も多い。また、ネット購入に慣れた消費者にとっては、リアルな店舗はショーウィンドウになりつつある。

「当たり前の対応の先に驚きがあり、ファン分析することで驚きを超えた対応が可能になる。しかし、物流や商品管理などのバックオフィスシステムがファン分析ソリューションの妨げになっているケースも多い」と佐藤氏はいう。顧客は小売りの在庫状況をオンラインで閲覧したいと考えており、オムニチャネルの実現にはバックオフィス系システムとの連携やシステムの改修が必要になるのだが、せっかくファン分析してキャンペーンを立案してもバックオフィス系がついていけず、結局はフロントオフィス系システムで対応可能なコールセンター対応やDMなどの斬新ではない施策が多くなってしまうのだという。

 では、どうすればいいのだろうか。佐藤氏は「Think business Rules Fast(ビジネスルールを独立して考える)」というキーワードを示す。ビジネスルールとは、ルールを徹底して守らせる、マニュアルを厳密化する、チェック機能を加えるなどのことで、マーケティング施策とはビジネスルールの変更であるという。また、ビジネスルールによるPDCAの中でもDoを強化すべきだと佐藤氏は述べる。

「ファン分析した結果から施策を立案し、立案した内容は即時システムに反映する。また、実行した結果は直ちに検証して再びファン分析するというように、正しいことを正しいタイミングで行わなければならない」

 ファン分析の結果をすぐに反映するためにはBRMSが必要だという。BRMSによってビジネスルールをプログラムから切り出して管理することが可能になり、システムの改修を容易にするとともに、可視化と短期開発、QCD(品質・コスト・納期)の向上などを実現し、マーケターやビジネスの施策を考える企画部門、IT部門などが協調してビジネスプロセスを推進することができるようになる。

「Progress Corticon」はビジネスの柔軟性を向上させる真のBRMS

 アシストと日立ソリューションズが提供するBRMS「Progress Corticon」(プログレス・コーティコン)は、ビジネスルールの外部管理だけではなくビジネスの柔軟性を向上させることを目的とした真のBRMSだと佐藤氏はいう。「特徴はビジネスルール記述力の高さにあり、全てのビジネスルール、業務ロジックをExcelライクな洗練されたディシジョン・テーブルで表現することが可能だ」

 ルールブックはノンコーディングかつ日本語で記述することができる。また、ルールリポジトリだけではなく、複数ルール間の矛盾や曖昧性を検知・分析し、完全性を担保する機能も備わっているため、システムの改修を高速かつ高品質に達成することができるという。

 あるインターネットプロバイダの事例では、加入プランに応じた料金計算は複数のサービスが絡むため計算ロジックが複雑になり、基本料金や割引額の変更、新規キャンペーンが頻繁にあることが業務の負担となっていたが、Progress Corticonを導入することで料金表をそのままルールブックに実装し、作成したルールに基づいてその場で単体テストが可能になったという。競合会社が急遽キャンペーンを展開しても、Progress Corticonに新規ルールを1列追加するだけで即座に追随することができるようになった。

「ビジネスルール変更の柔軟性を高めることで競争優位性を得ることに着眼し、BRMSを導入する企業は非常に増えている。米国では500社以上の企業がProgress Corticonを採用し、保険、金融、公共、ヘルスケア、小売りなどに実績がある」と佐藤氏。国民皆保険の「オバマケア」や、補助的栄養支援プログラムの「フードスタンプ」などへの対応で採用が増えたという。

 また、ベネルクスやUK地域に1,000以上の店舗やオンラインショップを持つマッキントッシュ・リテール・グループ(MRG)は、Progress Corticonを導入することでビジネス専門家がシステム動作の決定を定義し、ハードコーディングよりも柔軟にビジネスルールを管理することが可能になったことで、IT部門やビジネスマネージャーがルールブックを改良したり、チャンスに素早く対応したりすることができるようになったという。例えば、小売店、オンラインショップ、アマゾンのような第三者サイトを含む数々の販売チャネルを通して、サイズやスタイル、色の異なる何万アイテムもの製品を扱いながら、個人や複数のチャネルへのプロモーションを立ち上げたり変更したりすることも可能になった。

 さらに、Adobeは、営業チームと取扱製品の規模、複雑さに加え、地理的分布を踏まえた見込客情報の正確な担当区域の割り当てと配布に必要なルールの維持が課題となっていたが、Progress Corticonを活用することでルール変更に必要な工数が大幅に削減した上に、販売活動組織が複雑な営業テリトリーの変更を含む人事異動やビジネスプロセスの変更に素早く対応できるようになったという。

 佐藤氏は、「『Corticon Studio』というサイトでは、Progress Corticonを操作用チュートリアル付きで90日間無償ダウンロードできるので、次世代オムニチャネルの実現のためにぜひお試しいただきたい」と推奨し、自身の講演を終了した。

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