講演レポート:第94回 ワークスタイル変革で両立させる社員の幸せと企業の成長|Prowise Business Forum|株式会社日立ソリューションズ

株式会社 日立ソリューションズ

Prowise Business Forum in TOKYO 第94回

ワークスタイル変革で両立させる社員の幸せと企業の成長
~「ダイバーシティ経営企業100選」選出!人事部が語る取り組み事例~

 2018年2月7日、Prowise Business Forum in TOKYO 第94回が開催され、多くの参加者を集めて盛況のうちに終了しました。
基調講演では、日本でのAIの利活用と普及を目的に2016年に設立し、日本経済新聞社が選ぶ「操業が若いNEXTユニコーン10社」に選出された株式会社エクサウィザーズが登壇。介護職の現場における働き方改革をAIで実現する事業や人事向けAIを用いた次世代型人事システムを提供する事業などのユニークな取り組みのほか、そのノウハウを活用したさまざまな事例などが紹介されました。
また、日立ソリューションズからは、ワークスタイル変革に取り組む自社事例と働き方改革実現へのポイントを解説するとともに、「ワークスタイル変革ソリューション」を実際に社内適用した結果の課題や効果について詳しく論じました。
さらに、会場後方では、「AIアシスタントサービス」「会議効率化ソリューション」「リシテア/AI分析」「RPA業務自動化ソリューション」「テレワーク向け就業管理」が展示・実演され、活発に質問が寄せられるなど、参加者からの強い関心を集めていました。

開催概要

日時 2018年2月7日(水) 14:00~16:55 (13:30 受付開始)
会場 〒140-0002 東京都品川区東品川4-12-7
日立ソリューションズタワーA 4F 講堂
主催 株式会社日立ソリューションズ

【日立ソリューションズセッション1】
日立ソリューションズのワークスタイル変革取り組み事例
~社員の幸せと企業の成長の両立~

井上 正人
株式会社日立ソリューションズ
人事総務本部
担当本部長 井上 正人

 日立ソリューションズセッション1では、ワークスタイル変革に取り組む当社の部門責任者が自社事例の紹介と働き方改革実現への参考となるポイントについて解説した。

個人の幸せ企業の成長の両立が働き方改革の大きなテーマ

 これまで日立ソリューションズでは、社員意識調査やコミュニケーション活性化、健康経営施策、女性大会議、労働時間短縮などに取り組む一方で、「第1回ワークライフバランス大賞」(社会生産性本部 2007年)、「第15回テレワーク推進賞優秀賞」(日本経済新聞社 2014/2015年)、「ダイバーシティ経営企業100選」(経済産業省 2015年)、「女性活躍推進法に基づく厚生労働大臣認定(えるぼし認定)第3段階」など、働き方改革に関する数々の評価を受けてきた。

「当社の働き方改革の大きなテーマは、健康や働きがいをめざす『個人の幸せ』と生産性向上による『企業の成長』の両立。これらは平凡に聞こえるが、当社のトップは本気でやっていこうと考えていた」と井上は強調する。目的は3つあり、1)柔軟な働き方のできる職場、2)一人ひとりが活き活きと活躍できる職場、3)労働時間の短縮・生産性の向上をテーマにさまざまな施策を実施し、それは現在も続いている。

 その過程で重視したことは3つあるという。1つ目はトップダウンとボトムアップによるコミュニケーション。まずトップがさまざまな場面で働き方改革の必要性を発信することで本気度をきちんと伝え、同時に事業部ごとに「仕事のムダとりワーキンググループ」を立ち上げて現場の悩みも本気で聴くことに注力する。また、デジタルサイネージやポスターなどを利用して社内広報にも努めている。

 2つ目は真摯に徹底して推進すること。朝型勤務や20時以降の残業禁止などを、まずは役員や事業部長が率先して実践し、月1日以上年休を取得しているかといった状況も公開するほか、カフェテリアポイントによるインセンティブ制度の導入や、サテライトオフィスでのテレワークの積極活用などを飽きられないように粘り強く実施する。

 3つ目は社内でのIT活用。社内の積極的なIT活用と事業部門への実践結果のフィードバックを行っている。

従業員満足度なくして顧客満足度の向上もないという思いで取り組む

 「それらを実践した結果、アンケートでの社員のエンゲージメント調査によると『明確な方向性』『会社への誇り』『エンゲージメント』『コミュニケーション』の全ての要素において対前年度比プラスに改善し、マインド面での効果が表れている」と井上は分析する。

 その実例として労務関連指標を用いて説明した。2011年度を100とした場合の推移で、2016年度を集計したところ、80時間/月超の残業発生率は44%、メンタル罹患率は70%と顕著な改善傾向を示した上に、営業利益率は184%と大幅にアップしているという。しかし、平均残業時間は95%、平均年休日数は111%と低迷し、さらなる改善が必要な面も確認された。

 ITを駆使したテレワークの積極活用の効果については、短時間勤務者の勤務時間延長(75名中11名)、単身赴任の解消(2名)と効果が表れ始めたほか、海外拠点との早朝・深夜会議を自宅から実施することなども可能になった。また、RPA(Robotic Process Automation;ソフトウェアロボット)の活用によって120業務の自動化が可能であることも判明し、それが仮に実現すれば全社で2300時間/月の労働時間削減が可能だという。

 井上は、働き方改革に直接関連するものではないとした上で、日経コンピュータ誌の「顧客満足度調査 2017-2018 システム開発関連サービス(情報サービス会社)部門」において日立ソリューションズが「継続的意向」「サービスの品質」「コスト」「担当者のスキル」「対応力」などを平均した総合満足度が66.1となり業界で1位となったことも報告した。

 「従業員満足度(ES)なくして顧客満足度(CS)の向上もないという思いで一生懸命取り組んできた」と話す井上は、「今後も働き方改革をさらに進め、社員の幸せの向上を図るとともに“働き方改革先進企業”としてのプレゼンスを高め、ITソリューションを活用した働き方改革支援を推進していきたい」と抱負を語り、セッションのまとめとした。

【日立ソリューションズセッション2】
ワークスタイル変革ソリューションと当社での適用実績
~現場の本音がソリューションを生み出す~

中西 真生子

株式会社日立ソリューションズ
ライフスタイルイノベーション本部
ライフスタイルイノベーション推進部
主任技師 中西 真生子

 日立ソリューションズセッション2では、当社のワークスタイル変革ソリューションのラインナップを社内適用実績のケーススタディ別に紹介し、そこから見えてきた働き方改革推進の課題や効果について論じた。

RPA導入により定型業務と創造的業務の時間削減と質的向上が両立

 「仕事と家庭の両立や仕事の質の向上、働きがい・離職の防止などを実現させるため、当社ではさまざまなITを活用して働き方改革をめざす『ワークスタイル変革ソリューション』を用意している。それと並行して、自社でもそれらソリューションを導入し、社員の生の実践経験と効果・課題を開発側にフィードバックすることでさらに洗練化させている」と中西は説明する。

 そこで、関連する3つの社内導入事例を紹介した。1つ目は会社・社員双方が安心するテレワークの実現。日立ソリューションズのテレワーク向け就業管理「Work Time Recorder」は、1)利用アプリケーションのログから業務状況を把握し、2)使用中のPC画面を1時間に3回キャプチャして記録するとともに、3)詳細な業務内容を共有し円滑なコミュニケーションを実現することで、テレワークでありがちな姿が見えない・状況が見えないという不安を解消する。

 Work Time Recorderの導入により、“自分でも業務状況を把握でき改善意識が向上した”(社員)、“定期的なフィードバックがないからストレスを感じなかった”(社員)、“サービス残業をしていないという証拠を残すことができ有効”(人事部)といった現場の意見もあり、人事・就業制度の浸透と、監査対応・コンプライアンスの向上などの効果が得られた。また、アプリ使用時間から勤務状況が可視化するので、担当業務に従事しているか、非効率的になっていないかといった不安も解消され、業務効率化の手がかりにもなっているという。

 2つ目はRPAによる単純業務からの開放。中西は「残業削減や効率化と言うものの、現実には業務量が多くて残業時間が減らせない、自動化での削減効果が見えないといった意見も多い」と話す。

 日立ソリューションズが国内で提供するRPA業務自動化ソリューション「Automation Anywhere」は、1)定型業務をレコーディングしてソフトウェアロボットが自動実行、2)ロボット管理機能により稼働状況の見える化が可能、3)さまざまな幅広い業務の自動化を実現するといった特徴を持つため、人はより創造的な業務に従事し、定型業務も創造的業務も時間の削減と質の向上の両立が可能になるという。

 現在は、人事および総務部門を中心に導入を進めており、人事調査用データの作成、Webシステムパスワードの再発行、健康管理・勤休実績の突き合わせ確認、他社購入品発注依頼のワンオペレーション化などで稼働。中西は、「総労働時間が前年同月比平均で約30時間削減し、柔軟に休暇を取得できる環境が整いつつある」と話す。今後は「活文IDE」などと連携させることで帳票データ抽出~システム入力までを自動化させる予定だという。

 また、RPA導入によって各部門でロボット開発をスタートした後の運用面が懸念されていたが、日立ソリューションズでは専門組織「RPAセンター」を設置して、社内ルールの制定→対象業務の抽出→ロボット開発・運用・効果測定を行うなどの統括的な管理をスタートさせている。

ストレスケアが必要な社員の早期発見を可能にするソリューション

 3つ目はAIストレス予測でメンタル休職を予防。現在、ストレス予測が必要とされる背景について中西は、「大切な人財をメンタル疾患から救えなかった、ケアが必要な社員をどうやって見つけたらいいのか、社員には健康で活き活きと働いてほしいといった悩みを多くの企業は抱えている」と述べる。

 日立ソリューションズの「リシテア/AI分析 組織ストレス予測」は、過去にメンタル疾患に罹患した社員データを元にAIが予測モデルを構築し対象者を予測・発見するほか、予測結果を産業医と共有して面談の実施を支援する。それにより、ストレスケアが必要な社員の早期発見と早期ケアが可能になる。日立ソリューションズの産業医は、“これまでは産業医の知識やノウハウなどで社員の健康をサポートしてきましたが、「リシテア/AI分析」は勤怠などの事実データを客観的な指標に基づいて科学的に分析できる点が優れていると感じる”とのコメントを寄せている。

 また、人事部門からは“さらに質の高い予測には幅広いデータが必要となる”という意見や、“予測モデルは時間の経過や社会情勢の変化とともに適合しなくなるのではないか”という懸念もあったという。それについて中西は、「今後対象データを増やして多角的に分析・予測し、分析要素/予測モデルを継続的に見直していく必要がある」と話す。

 これら3つの導入事例の他に、現在日立ソリューションズでは、「AIアシスタントサービス」の導入も予定している。“外出先からオフィスに戻る時間がもったいない”、“情報がありすぎて探すのが面倒”といった要望に応えるため、主に1)AIが自然言語を理解して検索・回答する、2)既存システムと幅広く連携する、3)ユーザ特性を機械学習するという機能を提供する。

 最後に中西は、「ワークスタイル変革ソリューションにおいては今後も課題に向き合いながら実践を通して効果を確認したものを皆さまに提供していく。勤務記録や経営指標など多角的なデータを駆使して働き方改革のKPI策定を支援する“HRデータの見える化”や、個人のパフォーマンス向上を多角的に支援する“パーソナルライフサイクル支援”などを具体化していく予定」と語り、セッションを終了した。

【基調講演】
人事のためのAI利活用術 ~AIを使えば働き方はこう変わる~

粟生 万琴 氏
株式会社エクサウィザーズ
取締役 粟生 万琴 氏
【講師プロフィール】

エンジニアとしてソフトウェア開発に従事した後、2003年 株式会社パソナテックに入社。
2010年 社内ベンチャーを立ち上げ、Webアプリ開発に特化した事業を手掛ける。 2012年同社初の女性執行役員として就任、新規事業、およびマーケティング責任者として、海外拠点タイ事業の立上げ(JV)、クラウドソーシングサービス(Job-Hub)の立上げ、産官学連携プロジェクト責任者として従事。
2016年6月 関西発AIベンチャー株式会社エクサインテリジェンス取締役COO就任、2017年10月 静岡大学発ベンチャー株式会社デジタルセンセーション社と合併した、株式会社エクサウィザーズ(新社名)取締役就任。

 基調講演ではAIベンチャーとして急成長する株式会社エクサウィザーズの粟生氏が登壇。人事向けAIを用いた「人事2.0」を実現する具体的なプロセスや、それを活用したさまざまな事例、第4次産業革命によって注目される次世代人材の可能性などについてさまざまな論点から考察した。

人事部向けAIシステムの進化が離職予防までも実現

 「エクサウィザーズは、超高齢社会や働き方改革などのさまざまな社会課題に対し、AIの教育やプラットフォームの提供を通じてテクノロジーで現場を加速させ、産業革新の結果として社会課題を解決していくことを目的としている」と粟生氏は説明する。

 同氏は主な3つの事業を紹介した。第1のAI事業では、双腕ロボットにAIを搭載し、人間がVR上で行った複雑な動きを学習データとして記憶すること(マルチモーダル)でロボットを稼働させるための膨大なプログラムを簡素化し、汎用性・ロバスト性が高いシステムを開発している。それにより、製造現場の人手不足解消を目標としている。

 第2のケア事業では、少子高齢化や介護問題を解決するため、介護職の現場における働き方改革をめざしている。例えば、フランスで40年の歴史がある「ユマニチュード」(見る・話す・触れる・立つというコミュニケーションの主要4要素を基本とし、150以上の技術からなる認知症患者向けのケア手法)を日本に広める活動を行い、AIによる動画解析によってケアスキルを可視化する取り組みを行う。粟生氏は「介護者の業務負担を減らし、活き活きと働ける職場環境を作ることで介護職の離職率を低減させるとともに、被介護者の行動・心理症状を軽減させる」と説明する。

 ただ、日本人がユマニチュードを習得するのは容易ではないという。そのため、達人の実習風景を動画で撮影し、それを人工知能が学習することで、初心者の動画の画面上に自動で赤ペンを入れてくれる自習用のコーチングAIシステムも開発中である。

 このAI活用を他分野で応用したのが、第3のHR Tech事業だ。コーチングAIを人材育成にも活用するという粟生氏は、「従来は終身雇用が存在し、新入社員の入社後に3年・5年・10年という周期で人事部は人材育成プランを作ってきたが、今後はベテラン社員の引退もあり人材育成期間の短縮などが求められていることから、コーチングAIを活用することで本人の自学自習をサポートする」と説明する。

 また、HR Tech事業では人事部向けAI搭載サービス「HR君」も開発した。これは採用業務やメンタルヘルスチェックの支援をサービスとして提供する機能群で、人事管理データや給与データ、出張清算データなど、ばらばらになっていた人事関連データを統合し、従業員IDをキーに社員の特徴を分析するほか、採用前から入社数年後までの社員のパフォーマンス予測も行う。

 また、HR君は人事部が把握する前の離職予測まで行う機能も開発中だという。それが実現できれば、離職を決断する前に他部署への配置転換やメンタルヘルスケアにもつなげられるという。

第4次産業革命によりこれまで採用していなかった人材が活躍

 粟生氏は、「人のノウハウだけで行っていた人事業務を『人事1.0』だとすれば、このHR君とコーチングAIが連携した段階を『人事2.0』と表現することができる」という。そこで人事2.0を実現したいくつかの事例を紹介した。

1つ目は大手航空会社。旅客勤務の大半の職員がスタッフ勤務を希望し異動するが、再び旅客勤務に戻りたいというケースも多かったという。エクサウィザーズでは本人の希望と能力を可視化しながら適正な再配属を実現する煩雑な人事労務管理業務を支援するため、従業員IDに従業員属性アンケートを付随させてデータ化し、本人の評価データと連携させて最適配置をアドバイスした。

 2つ目は大手HR企業のケース。こちらの企業は適性検査の結果を大量に保有しているが、このビッグデータの特徴量をAIが抽出して指標化し、これを相関分析することで活躍予測につなげることができたという。

 3つ目は大手飲食チェーン。24時間・365日稼働しているため、シフトに穴が空いた場合に誰をアサインすればいいかが課題だった。ベテラン店長やブロック長は属人的な経験で解決できるが、新米の店長でも最適なキャストをAIがレコメンドしてくれる「シフト管理システム」を構築し悩みを解消したという。

 他にも、大手研究所がメンタルヘルス問題を活躍因子の世代間ギャップをAIが分析して解決した事例や、大手企業がAIで採用の書類審査を自動化し、面接官の最適配置も実現した事例などが紹介された。

 「今後は次世代人材のモデルが新しい人材像として出現する」と予測する粟生氏は、第4次産業革命によってこれまで採用していなかった人材が活躍する可能性を秘めているため、チェックポイントや項目が拡大に増え、人材の定義が広がっていくと断言する。「AIは自然言語処理も可能になりつつあるので、既存データに加えて日報データや評価面談レポートなどの新規データを加えることが人材の見える化につながり、次世代人材を作っていく契機となる。それが『人事3.0』になっていく」と語る。

 そして最後に、粟生氏は「AIの技術は日進月歩だが、ぜひAIと共存することで職場の改善や働き方改革に活用していただきたい」と呼びかけ、基調講演の結びとした。

講演資料ダウンロード

フォーラム当日の講演資料はこちらからダウンロードできますのでご覧ください。

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