士幌町農業協同組合(JA士幌町)様 GeoMation 農業支援アプリケーションの導入事例紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

株式会社 日立ソリューションズ

GeoMation 農業支援アプリケーション 導入事例

士幌町農業協同組合(JA士幌町)様

モバイル端末とNFCカードを活用し収穫物の客観データをIT基盤で連携

JAと農家が一体となって安全・高品質・安定供給の農業に取り組む士幌町では、早くからITを活用して高い成果を上げています。その基盤となっているのが「GeoMation 農業支援アプリケーション」です。小麦の圃場(畑)管理から、近距離無線通信技術(NFC)によるコンバインの共同利用の効率化まで、幅広く活用されています。

士幌町農業協同組合(JA士幌町)

課題

導入後

  • 職員の大きな負担になっていた輪作の管理の手間を低減したかった

    小麦の圃場(畑)管理システムにより職員の負担が大幅に軽減された

  • 収穫物が誰の圃場のものか、輸送から倉庫搬入まで間違いなく把握したかった

    スマートフォンとNFCカードやQRコードを使用してデータ連携できるようになった

  • 手書きやポータブルプリンターでは伝票のやり取りが使いづらかった

    NFCカードの活用で、伝票のミスがなくなり、運用の手間も軽減された

従来からの課題

農家の経営安定のためにITを活用した農業に取り組む

広大な耕作面積を誇る士幌町の農業において、地図データを使ったIT活用の取り組みが始まったのは2005年のことです。いまや全国の農業でIT活用が広がっていますが、当時としては先進的な取り組みでした。なぜ士幌町ではこうした先進的な取り組みが進められたのでしょうか。IT活用をリードしてきた士幌町農業協同組合(JA士幌町)の農産部農産課課長の仲野貴之氏は、畑作地域として士幌町の環境が良くなかったことを要因に挙げます。

仲野 氏

士幌町農業協同組合
(JA士幌町)
農産部 農産課
課長
仲野 貴之 氏

「士幌町は十勝の中でも比較的寒冷な気候で、土壌の水はけも良くありません。人口が多い帯広市街から遠く人手が集めにくい。こうした悪条件を乗り越えて、農家の経営を安定させるために昔からさまざまな工夫を凝らしてきたのです」(仲野氏)

畑作分野での工夫の柱は輪作体系の確立でした。一つの土地で同じ作物を作っていると連作障がいが起こり、収量の低下につながります。農家の経営を安定させるには、同一圃場に異なる種類の作物を育てるサイクルを回す輪作が重要な鍵でした。士幌町がめざしたのは、一つの圃場で毎年違う作物を作付する「4年輪作」です。

「JA士幌町として安定的に販売できる供給量が確保できて、農家の収入の安定にもつながる仕組みをつくり上げるために、20年以上取り組んでいます」(仲野氏)

ようやく、ほぼ完全な輪作体系がつくれたものの、課題もありました。どの圃場で何を栽培するのかという管理に大変な手間がかかることです。

「300戸の農家の輪作の状況を、紙で4年分管理するのは大変でした。職員や農家にとって大きな負担になっていたのです」(仲野氏)

この課題を解決するために考えられたのが、IT活用です。町役場が撮影した航空写真を使って圃場を把握すれば、担当者の負荷を大幅に減らせます。2005年、衛星写真から小麦の穂水分などを観測できるシステムを利用することで、まずは小麦の圃場の状況をデータで見られるようにしました。これにより、小麦の適切な成熟期を把握して、収穫作業を効率化できるようになりました。2007年から本格稼働したこのシステムのベースとなったのが「GeoMation 農業支援アプリケーション」でした。

導入の経緯

農家に活用してもらうにはモバイルへの対応が不可欠

JA士幌町の次の進化は「JAの事務所で使っているこの便利なシステムを、農家の人たちにも使ってもらいたい」という発想から生まれました。注目したのが、小麦の収穫・輸送にこのシステムを使えないかということでした。

「小麦の収穫に必要なコンバインは、20戸、30戸単位で数台ずつ保有していて、収穫の際には共同で利用しています。圃場を順番に回ってコンバインで収穫し、それをトラックに積んで施設に輸送するのですが、紙の地図と無線を使って収穫順番を確認しながら、かなりアナログ的に進めていました。これをIT化できれば、効率化につながると考えました」(仲野氏)

そこでJA士幌町では2012年に、スマートフォンやタブレットを活用した「GeoMation 圃場管理スマートデバイスオプション」を導入し、試験的に収穫支援を開始しました。

「実現したいのは、地図を見てコンバインの巡回を効率化するだけはありませんでした。誰の畑の収穫物なのかもリアルタイムに把握しようとしたのです」(仲野氏)

それまでは、誰の畑の収穫物なのかをコンバインの作業者が紙の伝票に書き込んで、トラックの運転手に渡していました。しかし、夜間や雨の中で作業を行うこともあり、記入ミスも発生します。誰の収穫物かを間違えると、1年の収入につながるものだけに、コンバイン利用組合の信用にも関わります。間違いは許されません。

そこでポータブルプリンターを各コンバインに装備。タブレットからデータを受け取って印字し、トラックの運転手に渡すことにしました。しかし、この試みは問題を抱えていました。

「印字に時間がかかる、バッテリー切れや紙切れが心配、といったことから評判が良くありませんでした。以前のように手書きに戻したいという申し出までありました」(仲野氏)

次に考えたのが近距離無線通信技術(NFC)の活用でした。NFCは、カードなどをリーダーにかざすだけでデータのやり取りができる通信技術のことです。例えば、交通系カードにもその技術が使われています。

「NFCの活用を検討し始めた2012年ごろは、NFCチップが高価で、NFC機能を搭載していないスマートフォンやタブレットも多く、導入にはハードルが高いという印象でした。しかし、安くてデータ容量の大きいNFCチップが登場し、ほとんどのスマートフォンやタブレットにNFC機能が搭載されました。そこでポータブルプリンターからNFCカードへの切り替えを決断しました」(仲野氏)

導入時の取り組み

スマートフォンなど115台とNFCカード280台分を活用

NFCカード

今回導入したモバイル端末とNFCカードを使った小麦収穫支援システムでは、JA士幌町の「GeoMation 農業支援アプリケーション」のサーバと、コンバインの作業者が持つスマートフォンやタブレットが相互に通信し、コンバインの位置をリアルタイムに把握します。さらに、圃場の正確な位置と小麦の成熟度をモバイル端末の画面上に表示します。

一方、収穫物を輸送するトラックにはNFCチップを搭載した固有のNFCカードが配備されています。コンバインの作業者は、モバイル端末を使ってNFCカードに圃場のデータを書き込み、トラックの運転手にNFCカードを戻します。収穫物を受け入れる施設ではNFCカードのデータを読み取って、収穫物の重量を計測します。ミスが発生する余地はありません。

「1年目となる昨年(2016年)、当初は試験的に関わってきた約30戸に限定して導入する予定でしたが、実際には士幌町全体に広げて導入しました。スマートフォンとタブレットを農家用に106台、受け入れ施設用に9台導入し、トラック用NFCカードは280台分配布しました。インストールや動作テストは順調に進みました」(仲野氏)

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導入の効果

NFC活用で伝票ミスがなくなり収穫作業全体も効率化

2016年の7月31日から8月10日までの収穫期間中に発行されたNFCカードの伝票は約3,000枚に上り、NFCデータの喪失や読み取りエラーなどのトラブルは全くありませんでした。手書き伝票がなくなったことで、記入ミスも生じなくなったのは当たり前ですが、他にもいくつもの効果がありました。

小麦の収穫は天候によって、どの部分を優先させるのか、どこまでまとめて刈り入れるかが変わってきます。水分を多く含む状態で小麦を収穫すると、いったん乾燥させなければなりません。乾燥には時間がかかるため、いつ収穫するかがコストに直接影響します。

「小麦の成熟度と全コンバインの位置がモバイル端末上でリアルタイムに把握できるため、収穫作業全体の効率化が実現できました」(仲野氏)

実際の作業者の負担の軽減にもつながっているようです。暗い時間の収穫では、以前はヘッドライトやルームランプを頼りに伝票を書いていましたが、今は大画面で明るいスマートフォンをかざすだけですから簡単です。しかも、雨の日でも伝票用紙が濡れる心配はありません。

「2016年度は1年目ですが、利用者からはおおむね高い評価を得ています。数値として比べられるようになる今年(2017年)以降は、効果の度合いがもっとはっきりしてくるはずです」(仲野氏)

農業の現場で使われているだけに、作業の時間や収穫量など、毎年比較することが重要になりそうです。

今後の展望

構築したIT基盤をさらに活用、他の作物に水平展開

JA士幌町では、今後もIT活用を進めていく予定です。

「今回のプロジェクトでは、モバイル端末やクラウドを活用できる基盤ができたことが大きな収穫です。今後はこの基盤に載せるアプリケーションを増やして、ITを活用できる領域を広げていきたいです」(仲野氏)

現在は小麦の収穫だけに限定していますが、今後は対象作物を馬鈴薯、甜菜(てんさい)、スイートコーンに水平展開することも考えられます。また、気象情報や資材管理、生産履歴管理など別の機能を載せることも計画しています。

「今後の計画でも日立ソリューションズを頼りにしています」(仲野氏)

このシステムの発展のためには、取り組みを北海道全体に広げることも必要になると仲野氏は夢を語ります。

「アプリケーションを充実させるためにも、もっと大きな枠組みで取り組むべきです。士幌町の取り組みはまだ2年目ですが、2~3年後には全道レベルで動き出しているかもしれません」(仲野氏)

日本の農業の発展のためには、多くの人たちが持つ知見を集めて活用することが必要です。ITで農業知見を共有し、それぞれがやっていることを見える化する。そんなオープンなシステムの基盤が「GeoMation」の上で構築されつつあるのです。

導入企業プロフィール

士幌町農業協同組合(JA士幌町)

北海道東部十勝地方に位置する士幌町を区域としているJA士幌町は、広大な大自然に囲まれ、総面積の半分以上を農用地として高度に利用している農村地帯です。主に畑作と畜産が融和した有機的農業を営んでおり、生活者のニーズに対応し農畜産物の加工事業にも積極的に取り組んでいます。常に時代を先取りした農業環境を創設するために、創意工夫を重ねています。安全・高品質・安定供給の出来る農業をめざして日々努力を続けています。

所在地 北海道河東郡士幌町字士幌西2線159番地 ロゴ 士幌町農業協同組合(JA士幌町)
設立 1948年2月20日
職員数 171人
組合員数 739人/内准組合員数79人(2017年6月1日現在)
URL http://www.ja-shihoro.or.jp/

導入事例ダウンロード

本事例の内容は2017年9月8日公開当時のものです。

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最終更新日:2017年9月8日

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