相鉄グループ様 人事総合ソリューション リシテア シリーズの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

人事総合ソリューション リシテア シリーズの導入事例

相鉄グループ様

グループ各社の多様な出退勤管理要件への対応と、お客様自身での適用、グループ展開を前提に構築。

2017年に創立100周年を迎え、運輸業、流通業、不動産業、ホテル業、その他の分野で神奈川県を基盤に事業活動を展開する相鉄グループ。
今回の「人事総合ソリューション リシテアシリーズ」は、28社のグループ企業における統一の出退勤管理システムとして選定され、多種多様な管理要件への対応を実現。
さらにはお客様自身で適用し、グループ展開することを前提とした事例のご紹介です。

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この事例に関するソリューション・商品

課題
導入後
スクラッチ開発、パッケージ、Excelなど、様々な仕組みや方法が混在。
日立のクラウド環境を利用し、グループ全社で利用できる統一システムとして構築。
従業員の雇用・勤務形態が多種多様。
豊富なパラメータ設定と最小限のカスタマイズにより、グループ各社の多種多様な出退勤管理要件に対応。
グループのシェアードサービスセンターによる運用・展開を計画。
保守性・拡張性が高く、シェアードサービス センター主導での運用・グループ展開を実現。

従来からの課題

グループ各社の事業は幅広く、従業員の雇用・勤務形態も多種多様。

海上 雅章 氏相鉄ビジネスサービス株式会社 システムサービス部 課長
海上 雅章 氏

28社・約10,000名で構成される相鉄グループ各社の事業は、運輸、流通、不動産、ホテル、サービスなどと幅広く、また従業員の雇用・勤務形態も、正社員、出向、契約、嘱託、パート、アルバイトなど多種多様。こうした各社の特性もあり、スクラッチ開発のシステム、パッケージシステム、Excel、紙ベースなど、様々な出退勤管理の仕組みや方法が混在していました。

こうした状況下で、グループ各社の出退勤情報の集約、給与計算業務などのシェアードサービスを担当していたのが相鉄ビジネスサービスです。相鉄ホールディングス、相模鉄道、相鉄バスの3社については、出退勤管理システムの運用・管理まで担っていました。

「3社ともに使用していたのが、各社ごとに異なる出退勤管理要件に対応したスクラッチ開発のシステムです。2002年に導入し、10年以上にわたって、改修や法改正への対応などを繰り返しながら使っていました。しかし、システム自体が老朽化し、法改正や、フレックスタイム制などの新しい働き方に対応しきれないという状態でした。そのため、システムの刷新を、今回はシェアードサービスセンターである相鉄ビジネスサービスが立案し、各社に提案することにしました。 規模の大きな流通系の会社などは、パッケージをベースとした出退勤管理システムを利用しています。そのような会社にも将来的に利用していただけるシステムを、まずは従来からの3社に相鉄ビジネスサービスを加えた計4社の構築を通じて作っていこう。そして、グループ全体に広げていこうという考えで、プロジェクトはスタートしました」(海上 氏)

選定のプロセス

運輸事業独特の勤務をしっかり理解し、的確な提案をした日立ソリューションズの「リシテア」を選定。

柳田 俊博 氏相鉄ビジネスサービス株式会社 システムサービス部 係長
柳田 俊博 氏

プロジェクトは、まず出退勤管理システムの現状(As-Is)と、「グループ経営の視点」「グループ各社の視点」「シェアードサービスの視点」からのあるべき姿(To-Be)を整理。これを通じて、以下の基本コンセプトを策定しました。

1. グループ全社で利用できる統一システム

  • グループ共通の出退勤管理システムとして、グループ複数社で利用可能。
  • ネットワーク環境に依存せず、インターネット接続環境があれば利用可能。

2. グループ各社の多様な出退勤管理要件へ対応できるシステム

  • グループ各社の多様な勤務形態(日勤、シフト制、変形労働制、フレックス制等)や
    雇用形態(正社員、契約社員、再雇用社員、パート、アルバイト等)に対応可能。
  • グループ各社の社規則に基づく出退勤管理要件(管理項目、計算方法、締め日等)に対応可能。
  • 様々な機器(PC、タイムレコーダー、携帯電話、スマートフォン等)から打刻が可能。
  • グループ各社の特徴的な出退勤管理に対応可能。

3. 労基法に準拠し、適切な労務管理が行えるシステム

  • 客観的打刻情報に基づく適切な労働時間管理が可能。
  • 各社員の労働時間を本人、管理監督者がリアルタイムに把握可能。
  • 36協定や健康管理時間等の各指標別に集計、分析、出力が可能。

4. 出退勤管理業務の効率化が図れるシステム

  • 残業、休暇実績の電子決裁が可能。(ペーパーレスや自動転記による作業負荷軽減)
  • 入力データのチェック、勤務時間の自動計算、集計が可能。
    (チェック、計算、集計の自動化による作業負荷軽減)

5. 保守性・拡張性が高いシステム

  • 労基法改正やグループ全社共通の改修要件対して迅速な対応が可能。
  • 各社制度改定等、グループ個社の改修要件に対して迅速な対応が可能。

6. 柔軟な他システム連携や内部統制に対応できるシステム

  • 人事、給与システム等、複数の他システムとの柔軟なインターフェースが可能。
  • IT統制(ユーザ認証、権限管理、承認決裁、ログ管理等)に対応可能。

この基本コンセプトに基づき、いくつかの方法を模索。SaaSなどのクラウドサービスなども含めて、幅広い視野で情報を収集していきました。

「セミナーなどにも行きました。出退勤管理システムの動向から勉強を始めて、徐々に絞っていきました。 製品選定のポイントは、グループ内の出向や、鉄道・バス乗務員の交番勤務(※)、駅での一昼夜交替勤務など、特殊な形態をどれだけカバーできるか。
調べていくと、クラウドサービスでは難しそう。パッケージ製品なら、基本的なことはできそう。あとは、カスタマイズでどれだけ対応できるか。スクラッチ開発も場合によっては…そういう段階でベンダさんに声をかけ、提案・デモンストレーションをお願いすることにしました」(柳田 氏)

RFP(提案依頼書)を投げかけたのは5社。そこから2社をピックアップ。さらに検討を重ねた結果、日立ソリューションズの「リシテア」が選定されました。

「まず基本的には、実現したい機能の要求が満たされていたこと。全てをお願いするのではなく、私たちで自社開発したシステムと連携できることなどの柔軟性を高く評価しました」(海上 氏)

「運輸事業独特の勤務についても、複雑な説明資料をしっかり読み込んで理解していただき、的確な提案をしていただきました。標準機能では対応が難しい勤務についても、できないというのではなく、実現するための施策の提案があり、それがパッケージの良さを活かした形で実現でき、鉄道会社特有のスクラッチシステムのようにはならないことがわかりました。
また、今回は『リシテア』からの帳票出力等について、当社が開発することを決めていたのですが、これに必要な技術情報を開示していただけた。我々としては本当に助かることでした」(柳田 氏)

「担当SEの方の業務知識が高かったのも、非常に印象的でした。これなら安心して任せられる。そう思えたのが率直な感想ですね」(神守 氏)

※交番勤務:鉄道やバス乗務員などのシフトでの勤務(交番=シフト)

導入時の取り組み

要件定義を行い、カスタマイズ設計、相鉄ホールディングスでの開発へ。

神守 弘樹 氏相鉄ビジネスサービス株式会社 システムサービス部 係長
神守 弘樹 氏

導入・構築は、相鉄ビジネスサービスによる要件定義を日立ソリューションズがサポートしながら進められていきました。

「我々にとっては初めてのことなので、基本的には日立ソリューションズにリードしていただきながら、構築作業を進めていきました。注意したのは、当初のコンセプトから外れないこと。相鉄グループ用ではあるけれど、一企業の専用システムではない。グループ内で多くの企業が使うためには、過度なカスタマイズをしない。特殊な勤務形態に合わせた改造も極力避ける。このことを常に肝に銘じながら、要件定義を進めていきました」(柳田 氏)

要件定義の流れを受け、取りかかったのが「リシテア」のカスタマイズ設計です。
今後のグループ展開を見据えて、「リシテア」でカスタマイズも含めて対応する部分と、帳票出力機能や打刻データ・給与システムへの連携機能など、自社開発する部分を分けて設計していきました。

「ここはまさに日立ソリューションズに、我々の思いを汲んでいただいたところです。基本的にRFPレベルでの説明で、内容をほぼ理解していただいたので、カスタマイズ設計の段階では、日立ソリューションズがまとめてきた仕様をレビューさせていただき、細かいところを調整するだけで済みました。見えないところで、苦労されたのかもしれませんが(笑)、我々にとっては“イメージどおりです”という感想で、粛々と進められたという印象を持っています」(柳田 氏)

その後のシステム導入作業は、相鉄ビジネスサービスが主体で実施できるよう仕上げられていきました。

「基本的に日立ソリューションズ側のメインの作業はひととおり終わって、SEの方には引き続きフォローしていただきながら、その後は弊社での開発、検証テスト、ユーザ教育、再びテスト…といった流れです」(柳田 氏)

まずは、相鉄ホールディングスと相鉄バスの2社、その4ヵ月後に相鉄ビジネスサービス、さらにその5ヵ月後に相模鉄道で、新しい出退勤管理システム 「リシテア」の稼動がスタートしました。

導入の効果

労務管理の強化、業務の効率化、コストダウンを実現。

相鉄グループの4社への「リシテア」導入により、約2700名を対象とした出退勤管理を実現。当初、策定した基本コンセプトに沿ったシステムとして、期待通りの機能を発揮しています。

たとえば、従来、とても複雑であった出向者の出退勤情報の集約から給与計算までの流れも自動化。

「毎月の締め日、勤務形態、給与の支払規定等、出向元と出向先で異なる条件の把握と計算は、経験やノウハウ、ときには人海戦術も必要な業務でした。こうした部分も、『リシテア』の機能と構築時の日立ソリューションズの指南で、きれいに整理することができました」(柳田 氏)

その成果である導入効果としては、大きなところで2点。

「第一が、労務管理の強化です。
日々、出退勤情報を入力することで、勤務状況がリアルタイムで把握できるようになり、過重労働の発生などを未然に防ぐことができる環境をシステムを通じて作ることができました。特に、運輸系の相模鉄道や相鉄バスの場合、シフトの変更が無理なく、容易に行えるようになりました。たとえば、急に休む人が出た場合、誰かに代わりを頼まなければなりません。そのためにも、リアルタイムで時間管理ができていれば、各自の業務負荷状況をしっかり把握した上で、適切な要員を割り当てることができます。労働時間の平準化にも役立ちます。

第二にあげられるのは、業務の効率化です。
従来、Excelや紙ベースで管理していたことで生じていた集計や転記作業が無くなり、管理業務の工数が明確に削減できました。
先日、導入した会社の人事担当と話す機会があったのですが、このような作業が軽減されたことで、本来やるべき業務ができるようになった。時間を確保できるようになったというお話をいただきました」(神守 氏)

「また、効果はコスト面にも現れています。 今回導入した3社(相鉄ホールディングス、相模鉄道、相鉄バス)は、以前は自社でシステムを保有し、相鉄ビジネスサービスに保守・運用の費用を払っていました。それが、今回からシステムは相鉄ビジネスサービスが保有して、グループ各社にそのサービスを提供していく形態をとったため、初期投資をすることなく、新システムに移行することができました。この点は、3社にとっても大きなコストメリットを享受していただけたと考えています」(柳田 氏)

今後の展望

グループ展開を進め、業務のさらなる効率化と、コストに見合うサービスの提供を。

「リシテア」の相鉄グループへの適用は、第1フェーズを終え、次の段階へと進み始めています。 「当初から掲げていたグループ各社への統一システムとしての展開というコンセプトがありますので、これに基づいて、できるだけ短期間で進めていきます。そのためには、出退勤管理の重要性を改めて認識し直す必要があると思っています。過重労働などを防ぎ、多様な働き方を推進するための一手段として、出退勤管理システムというものがこれまで以上に重要な役割を担うことになると考えています。これに加えて業務のさらなる効率化実現と、コストに見合ったサービスの提供を次のコンセプトに掲げて、導入を広げていきたいと思っています」(海上 氏)

「そういう意味でも、日立ソリューションズを頼りにしています。今回の導入では、SEの方の導入実績に裏付けされた知識には非常に助けていただきました。我々がちょっと曖昧な表現で質問したことも、しっかり受け止めてくれた。これからも変わらぬサポートをお願いしたいですね」(神守 氏)

「プロジェクトに参画していただいたすべての方々には、お世辞などではなく、本当に感謝申し上げたいと思っています。これからは、我々相鉄ビジネスサービスが主体となって、グループ各社に展開していくというミッションがありますので、日立ソリューションズには、継続的なご支援をお願いします」(柳田 氏)

プロジェクトメンバーの皆様プロジェクトメンバーの皆様

相鉄グループ[SOTETSU GROUP]

2017年に創立100周年を迎える相鉄グループ。相鉄ホールディングスを持株会社とする28社で構成された企業集団で、運輸業、流通業、不動産業、ホテル業、その他の分野で神奈川県を基盤に事業活動を展開しています。生活に密着したサービス・お客様のニーズを的確に捉えた裾野の広いサービスを提供し、地域社会の発展に貢献しています。

企業数 28社 ※営業休止中の会社を除く 相鉄グループ[SOTETSU GROUP]
従業員数 10,255名 ※臨時雇用含む(2015年3月31日時点)
URL http://www.sotetsu.co.jp/

相鉄ビジネスサービス株式会社[SOTETSU BUSINESS SERVICE CO.,LTD.]

相鉄ビジネスサービスは、相鉄グループのシェアードサービスセンターとして、相鉄グループ各社の間接業務を集約し、業務の効率化を推進するとともに、業務改革の牽引役として、相鉄グループ全体での業務効率化に対する風土を醸成する役割を担っています。そのプロセスにおいて、社員一人一人が高い専門性を養い機動力を発揮し、各分野で質の高いサービスを提供し、信頼を獲得しています。

本社所在地 神奈川県横浜市西区北幸2-9-14
創立 2000年(平成12年)11月22日
代表者 取締役社長 池田 厚二郎
社員数 223名(2016年7月1日時点)
事業内容 財務処理業務及び各種計算事務の代行
給与計算事務の代行
各種企業及び団体に属する社員の研修業務
文書の作成、発送及び受付業務の請負
会社事業案内、企業宣伝誌及び社内報の企画制作事務並びに企業の対外広報業務の代行
インターネット関連の情報サービス、運営管理及び保守サービスの提供並びにコンサルタント業務
コンピュータのソフトウエア設計、プ口グラム開発及び情報提供並びに運用及び保守に関する業務 他
URL http://www.sotetsu-group.co.jp/sbs/

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本事例の内容は2017年2月27日公開当時のものです。

最終更新日:2017年2月27日