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バーバラ・クライン 『才能』を決めるのは、遺伝か環境か─持って生まれたものを見抜き、育てる

「才能」とは何か? それを一言で説明するのは簡単ではない。これまで25年以上にわたって、“gifted children”(才能ある子どもたち)の教育と双子セラピーの実践を続けてきた才能教育研究者のバーバラ・クライン氏に、才能についての考え方や、双子における才能の違い、才能を伸ばす教育方法などについて聞いた。

才能は両親からの「贈り物」

バーバラ・クライン(Barbara Klein)プロフィール
才能教育研究者・双子セラピスト。
カリフォルニア大学バークレー校卒業。南カリフォルニア大学にて幼児教育の博士号取得。
1986年から学校教育分野にて才能のある子どもやその親を支援する活動を始める。
自身、一卵性双生児で、双子発達研究の権威でもある。
これまで8冊の著書を著している。

※黒字=バーバラ・クライン氏

── まず、「才能」についてどう考えるべきかをお聞かせください。才能とは持って生まれたものなのでしょうか。それとも、環境的要因や訓練などによって身に付くものなのでしょうか。

才能とは"gift"、すなわち「贈り物」です。誰からの、どのような贈り物か。両親からの、遺伝的に定められた贈り物です。才能にはいろいろな種類があります。音楽の才能、芸術の才能、知的な才能、創造的な才能──。しかし、いかなる才能であれ、それは遺伝的にあらかじめ決められたものであると考えるべきです。

── 「才能はあらかじめ遺伝によって決まっている」という考え方には、反論もあるように思います。

その通りですね。1970年代のアメリカでは、遺伝によって能力が決まるという考え方は、白人の中流階級が流布したイデオロギーだと見なす人が少なくありませんでした。私が南カリフォルニア大学で教育心理学を学んでいたのは、まさにその時代です。

バーバラ・クライン氏
バーバラ・クライン氏

今でも覚えていますが、大学の先生が「一卵性双生児は90%の割合で同じIQを持つ」と話すのを聞いて、私は非常にショックを受けました。私自身が一卵性双生児であり、双子の妹の方が私よりもはるかに優秀だったからです。自分と妹のIQが「遺伝的に」同じであるはずはない──。そんな思いを抱いたのが、現在の研究分野に進んだきっかけでした。

その後の実例研究の経験から分かったことは、IQ、つまり知的レベルと才能は同じものではないが、いずれも遺伝的に決定されるものであるということです。子どもに特別な才能がある場合、家族や親族の中にそれと同様の才能を持つ人が一人もいないというケースは、私の知る限り皆無です。存命中の人の中にいないとしても、先祖をたどっていけば、必ず同じ才能を持つ人にぶつかります。

しかし、持って生まれた才能がどのくらい伸びるかという点については、環境的要因が重要であることは間違いありません。才能は遺伝的なものであっても、家族環境や両親の育て方によってその発揮のされ方は大きく異なる。そう言っていいでしょう。

── 親は、子どもの才能をどのようにして見抜けばいいのでしょうか。

著書「Raising Gifted Kids」
著書「Raising Gifted Kids」

才能があるかどうかは、その子が同年齢の子どもたちよりも、2、3年程度能力が進んでいるという事実によって確かめられます。現在、広く用いられている知能検査の方法は、フランスの心理学者、故アルフレッド・ビネー氏が開発したものですが、この方法の本質は、「年齢と能力を比べる」点にあります。簡単に言えば、学年の平均よりも優れている教科があれば、その分野の才能があるということです。

それから、言語能力の発達が早い子どもは、知的な才能に秀でていると考えることが可能です。例えば、生後9カ月程度の男の子が、庭にある花を単に「花」ではなく「ブーゲンビリア」と呼んだとすれば、その子には知的才能があると言っていいでしょう。

また、集中力も重要な指標の一つです。子どもはしばしば、ある物事に対して、とてつもない集中力を発揮します。積み木遊び、文字を覚えること、ピアノを弾くこと、本を読むこと──。何かに対して、際立った集中力を発揮しているのなら、その子はそれに対する才能があると考えられます。

もう1点、才能のある子どもに共通する傾向として、「完璧主義」を挙げることができます。自分がこだわりのある物事については、すべて完璧に仕上げたい。間違えたり、中途半端になったりすることは許せない。才能豊かな子どもには、そう考える傾向がしばしば見られます。

取材はロサンゼルス郊外、クライン氏の自宅にて行われた
取材はロサンゼルス郊外、クライン氏の自宅にて行われた

── 子どもの頃の才能は、その後の人生にどのように生かされるのでしょうか。

それは何とも言えません。才能を持って生まれた人が、社会的に成功するとは限らないからです。大学に入るまではその才能が生かされたとしても、その後の人生で才能が発揮されずに終わってしまうというケースもあります。

才能のある人に特徴的なのは、「できること」と「できないこと」の間に著しい差があることです。以前、まだ4歳なのに、恐竜に非常に興味があって、あらゆる恐竜の名前を知っている子どもがいました。しかしその子は、友達と遊ぶのが下手で、同年代の他の子よりも絵を描くのが苦手でした。

「できること」を伸ばしていくことができれば、その人は成功できる可能性がある。しかし、「できないこと」に苛まされ続けるような人生を選んでしまったら、才能はついに発揮されずに終わってしまうかもしれない──。そう言っていいと思います。

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