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特集・コラム

第3回 小売業の勝ち組とは 第3回 小売業の勝ち組とは

 小売業の、百貨店、スーパー、コンビニ、外食などの各業態について、2013年4月~2014年4月の月次売上高の前年同期比の推移を、グラフ作成してみた。

 小売業は、業態別で見るとコンビニエンスストア、外食以外は2014年3月の消費税増税前における駆け込み需要増大を除いては、ほぼ横ばいの状態が続いている。

百貨店

百貨店の月次売上高前年同期比推移

(全店売上高、前年同月比、経産省調べ)

 百貨店は、大手の統合が進み、本格的な事業戦略が進められてきている。2011年度の売上高は6兆7231億円(前期比0.1%減)、2012年度が6兆6493億円(前期比1.1%減)、2013年度が6兆8924億円(3.7%増)となっており、アベノミクスにより回復基調にある。2014年3月には消費税増税前の駆け込み需要で、25%もの非常に高い伸びとなっている。

旧松坂屋銀座店などの再開発地

旧松坂屋銀座店などの再開発地

 大手5社の三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング(大丸・松坂屋)、そごう・西武、高島屋、H2Oリテイリング(阪急・阪神)の中では、規模的にも含めて、三越伊勢丹の関心度が高いが、業績動向で見ると、J.フロントリテイリングが注目だ。

 J.フロントリテイリングは、2012年にパルコを子会社化し、2013年4月にピーコックストアの全株式をイオンに譲渡するなど、事業改革を積極的に行い、2014年2月期の決算は、売上高1兆1463億円(前期比4.9%増)、営業利益418億円(35.5%増)、当期利益315億円(2.5倍)と好調だ。

 今後も旧松坂屋銀座店などの銀座6丁目再開発、松坂屋上野店の南館建替え、心斎橋地区再開発などの百貨店事業での積極展開とともに、各地域のパルコ再開発計画も進んでおり、2015年2月期は売上高1兆1720億円(2.2%増)、営業利益430億円(2.8%増)を見込んでいる。

 各社とも百貨店事業の確実な成長とともに第2の柱をいかに構築していくかが重要な課題となっている。このため、独自の事業展開を図りながら、関連業態の小売業、海外展開・ネット販売・不動産事業も含めて様々なM&Aによる事業強化を進める可能性を有している。

 勝ち組とは、既存の百貨店事業を中心に考えるだけでなく、企業グループとしての成長をバランスよく展開しなければ、今後のマーケティング戦略を生きていけない。

スーパー

スーパーの月次売上高前年同期比推移

(全店売上高、前年同月比、経産省調べ)

 経産省の調査によると、スーパーの年間販売額は、13兆579億円、前年比0.2%増と3年連続で増加となっている。新店効果と野菜の相場高や畜産品、惣菜が堅調だったことなどによる増加と分析している。しかし、既存店ベースでは、1.5%減と1992年から22年連続で減少している。この1年間は3月の消費税増税前の駆け込み需要があったものの、わずかにプラスになっているだけで、業態としては厳しい環境が続いている。

 売上高順では、イオン、セブン&アイホールディングス、ユニーホールディングス、イズミ、ライフコーポレーション、アークスとなっている。
 イオンにおけるスーパー(GMS+SM)の売上高は4兆6073億円(11.1%増)、営業利益472億円(30.9%減)、セブン&アイは、スーパーストア事業の売上高が2兆94億円(0.7%増)、営業利益296億円(16.4%増)と、2社で全体の半分を占める寡占化が進んでいる。

 興味深いのはイズミ。中四国を中心に九州・関西に店舗を拡大しているが、業績は順調な伸びを見せており、2014年2月期の売上高も5568億円(4.0%増)、営業利益291億円(4.1%増)、2015年2月期も売上高5800億円(4.2%増)、営業利益311億円(6.9%増)と堅調な予想を見込んでいる。

福岡県柳川市に「ゆめモール柳川(仮称)」2014年夏オープン

福岡県柳川市に「ゆめモール柳川(仮称)」2014年夏オープン

 長期的には、売上高1兆円を目標にしており、店舗展開もGMS、SM、そしてモールと各市場に合った出店を積極的に行っている。

コンビニエンスストア

コンビニエンスストアの月次売上高前年同期比推移

(全店売上高、前年同月比、経産省調べ)

 経産省の調査によると、コンビニエンスストアの売上高の合計は9兆8724億円(4.2%増)で15年連続の増加となっている。但し、既存店では1.2%減で、2年連続の減少だった。店舗数は、2013年12月末で5万234店、前期に比べ2433店も増加(5.1%増)している。

 店舗数の増加、客層の変化に伴い、生鮮食品や日用品が好調なことに加え、店内でのいれたてコーヒーが好調だったが、サービス売上高は、各種チケット、ゲーム用プリペイドカードなどが好調で、4810億円(11.1%増)と7年連続の増加となっている。

 売上高のシェアは、セブン-イレブン40%、ローソン20%、ファミリーマート18%、サークルKサンクス10%と寡占化が進んでいるが、業態としての伸びは今後も可能性が高い分野として、常に注目されている。

 小売業全般でもコンビニエンスストアの市場拡大は、確実に広がっている。メーカー側も積極的にコンビニ用商品を開発しており、様々な商品・サービスへのチャレンジが継続して続いている。店舗数の増大、来店客層の拡大、オムニチャネルの活用など消費市場での役割は、より高まっている。

外食

外食の月次売上高前年同期比推移

(全店売上高、前年同月比、日本フードサービス協会調べ)

 日本フードサービス協会によると2013年の外食の市場規模は、23兆9046億円と推計し、景気回復基調を受け2年連続で増加している。
 業態別では、ファストフードの麺類が7.8%増、ファミリーレストランの焼肉が12.5%増と大きな伸びを示している。

丸亀製麺 神田小川町店

丸亀製麺 神田小川町店

 麺類で注目なのが、丸亀製麺を展開するトリドール。2014年3月期決算によると、丸亀製麺の売上高は708億5000万円、前期比9.6%増と順調だが、セグメント利益は94億3100万円で11.7%減となっている。

 2014年9月期は国内で30~40店の出店を計画しているが、海外出店が国内出店を上回る見込みだ。
 ただ、海外子会社の売上高は15億6900万円、営業損失7億5500万円で、収益の改善が重要な課題だ。

勝ち組とは

 実は、小売業における勝ち組について、業態などの傾向を分析するのは難しい。今回紹介していないドラッグチェーン、アパレル分野でも勝ち組はいるが、常に勝ち組であるとは限らない。そういう点では、常勝といえるのはセブン-イレブンとファーストリテイリングなど寡占化した企業が勝ち組となる。

 それほど、小売業での常勝は難しい。売上規模があっても、業績が好調であっても、ある時点で停滞、マイナスが発生することがある。だから、今の業績を常にキャッチする必要がある。2-3年前では、話にならない。常に現在の把握と不断のチャレンジと検証が重要だ。会社組織にしてもホールディングスにしたから、M&Aを積極的に行うからといって、保証されるわけではない。

 店舗を増やしても、人材が追い付かない企業も多く、国内での収益を考えてみると、小売業が労働集約産業である限り、踏み間違えると収益悪化につながる可能性を常に有している。

(2014年7月23日更新)

流通ニュース

流通ニュース編集部

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