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特集・コラム

第2回 成功事例から学ぶ、BPM改革10の極意(中編) 第2回 成功事例から学ぶ、BPM改革10の極意(中編)

 前回は、筆者がBPMコンサルタントとして10年以上に渡り対応し解決してきた事例の中から、成功の為の10の極意の内、前半の(5つ)を開示しましたが、今回は、残る5つの内の2つを開示します。前回と合わせ、これらの極意は一つも外さないでください。半分実行すれば50点が取れるものではなく、一つでも外したら、期待する効果は得られないでしょう。

極意6.原因の探求-「人の振り見て我が振り直せ!」

 筆者が、BPMコンサルで、製造担当者に現状業務をヒヤリングすると、 「(顧客)納期を守れない。」 という問題事象を話してくれました。筆者が、「何故、納期遅れが発生するのですか?」と質問すると、 「部品が納期通りに入ってこないからです。」との答えが返ってきました(図2-1)。

 更に、「何か、対策は施していないのか?」と質問すると、 「ベンダー教育や、打ち合わせは定期的に行っています。」とのことでした。 これが真の原因で、ベンダーという外部要因だから、改革は諦めるしかないのでしょうか?!  違います!!  ベンダーに非があるように見えますが、自社に非がないか確認すべきです

図2-1 製品の納期遅れの原因は、部品が納期通り入ってこないから?

© FRONTIER-ONE Inc. 2014. All rights reserved.

図2-1 製品の納期遅れの原因は、部品が納期通り入ってこないから?

  極意4を使って、 図2-2のように、部品ベンダーの「部品出荷」より前のプロセスへ遡ります

 先ず、調達担当者へ 「部品ベンダーへの発注は、契約リードタイム通りですか?」と質問すると、 「(社内からの)手配は、標準納期割れが多いです。」と、教えてくれました。しかも、 「納期割れなので、契約単価に値増しをせざるを得ず、価格交渉どころではない。」と言います。

 次に、生産計画担当へ聞くと、 「販売計画が曖昧で、増産減産の波があり、やむを得ず緊急手配せざるを得ない。」とのこと。従って、部品ベンダーへ、 「先行情報すら渡せていない。」とのことでした。これでは、部品が納期通り入ってこないのも当たり前です。

 但し、部品ベンダー含め各担当共、イレギュラー事象に、必死に対応している個々の責任は問えません。 では、どうすればよいでしょうか?  答えは一つです。 「販売計画が曖昧な中で、部品の納期遅れが発生しないように、イレギュラー事象を含めたプロセスとルールを定義すること。」です。 これが、真のBPM活動です。

図2-2 原因は、自社プロセスにあり!?

© FRONTIER-ONE Inc. 2014. All rights reserved.

図2-2 原因は、自社プロセスにあり!?

極意7.「3.7億円の部品在庫から1億円を削減」に学ぶ-出来ていないことを見えるようにするのが、見える化

 「 現状業務を聞いても、現状に引っ張られて、ダイナミックな改革は出来ない。現状を捨てて、あるべき姿を強引にでも適用したい。」という改革企業幹部の声を聞くことがあります。これは、 残念ながら勘違いです。現状業務を確認する際、現状業務だけを聞いて、可視化するのでは意味がありません。

  可視化の極意は、 10人に聞いて、10人が同じことを言うことは掘り下げません。逆に、10人が別々のことを言うことは、追求します。更には、 1人もできていないこと、誰も気づいていないことこそ「これが出来ていない!」と強調して可視化することです。

 図2-3は、 ある輸入機器の販売・メンテナンスサービス会社でサービス事業の黒字化を目指し、 無駄なコストや、過剰な資産要因を炙り出す可視化と分析を行った 事例です。

 サービスカーに保守パーツ(部品)を常備し、依頼があった顧客へ行って、修理を行います。部品を使ったら、部品センターへ使った部品の補充を依頼する流れです。

 そこで、 部品センターの補充依頼の対応ロジックを可視化してみると、100台ある サービスカーが常備している在庫状況まで確認していないことが解りました。更に、 もし、サービスカーの在庫を確認し、融通し合うプロセスを導入していたらとして、シミュレーションしたところ、 3.7億円の部品在庫の内、1億円分を発注しなくて済んだことが解りました。

図2-3 見えないプロセスを可視化する

© FRONTIER-ONE Inc. 2014. All rights reserved.

図2-3 見えないプロセスを可視化する

 次回は、成功の為の10の極意の内、最後の3つの極意を開示します。

大川原 文明 氏の写真

大川原 文明 氏

日本経営システム学会会員・BPMコンサルタント

1988年 日本電信電話(株)入社
 ・交換機ソフト、高度電話サービス(テレゴング)開発に従事
 ・1995年~ERP導入ビジネス立ち上げ~SAPシステム導入のプロジェクトマネージャーを
  担い、製造業分野中心に導入実績を築く。
2002年 IDSシェアー・ジャパン(株)(現、ソフトウェア・エー・ジー(株))入社
 ・BPM、プロセス指向型のシステム導入のコンサルティング活動を展開。
 ・「BPM Quick Win手法」を確立。
2004年 広島県立大学(現、県立広島大学)の「経営情報学特別講義」、2007年から「インターンシップ直前講義」の講師を担う。
2006年から2014年迄(株)日立システムズへ出向し、BPMコンサルティングサービスを提供。
現在もBPMコンサルタントとして活動中。これまでに50社以上の企業の業務改革に携わる。
並行して、上記の実績と経験に基づいた、実践的最新手法をBPM、BPO、SOA、BAM、SOX/内部統制セミナーの講師、関連雑誌・記事執筆活動中。

【文献】 J-GLOBAL ID:201402220412444460  整理番号:14A0540826
『企業の業務改革を目的とした効果的な業務フローの書き方』
著者:大川原 文明(日立システムズ)、上野 信行(県立広島大)
資料名:日本経営システム学会全国研究発表大会講演論文集  :48th  ページ:130-133
発行年:2012年06月02日

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