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添田 知子の『消費税法改正に対する企業の対応状況とシステム対応プロジェクトにおける考慮点』(2/2)|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

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消費税法改正に対する企業の対応状況とシステム対応プロジェクトにおける考慮点 消費税法改正に対する企業の対応状況とシステム対応プロジェクトにおける考慮点

消費税法改正で想定される基幹システムへの影響

 消費税法改正は、特定のシステム機能だけではなく、複数のシステム機能に影響が及びます。特に、影響の大きいシステムとしては、「販売管理システム」「購買管理システム」「会計システム」などが考えられます。

 図4に示すように、消費税対応の影響は、税制改正に伴う業務アプリケーションとしての視点と、システムの作りの視点の両面で考える必要があります。 

(1)消費税対応の影響を、“業務アプリケーションの視点"で見る。

・ポイント1:対外的な契約、取引に関わる業務

 取引先、仕入先との契約、取引に関わる機能を新税率に対応させる必要があります。 新しい税率に対応した、税額でのエントリを可能にする、 経過措置期間、長期契約時等、条件に応じて複数の税率にシステムで対応する、 契約書や請求書等の外部帳票出力に対応するなどが挙げられます。
 また、税率切替時期を跨いだ値引きや返品処理への対応も必要です。ここでは、各社の業務において消費税対応が必要になるところを漏れなく洗い出すことが重要です。通常の業務フローだけではなく、訂正や取り消しのパターンを考慮した検討が必要です。

・ポイント2:消費税納税に関わる業務

 管理を容易にするために税率に応じて仮受、仮払等の消費税勘定科目を用意する、複数税率に対応した集計ができるような仕組みなどの対応が必要です。

(2)消費税対応の影響を、“システムの作りの視点"で見る。

 スクラッチやパッケージへのアドオン開発でシステムを構築している場合には、ハードコーディング箇所の特定と対応方法を検討する必要があります。また、社内外の他システムとのインターフェイスや端数処理等も考慮が必要です。社内外の他システムと消費税率をインターフェイスしている場合は、新税率、複数税率の対応に加えて、システムによる実装方法の違いも考慮する必要があります。

図4 消費税関連システムの影響

図4 消費税関連システムの影響

システム対応プロジェクトにおける考慮点

 次にシステム対応のステップに沿って、想定される課題を考えます。

(1)消費税対応要件の整理

 消費税対応は業務としての対応方針検討や、意思決定する場合に、関係者が複数部門に跨ります。また税制改正に伴う価格設定の検討や、対外的な調整など対応方針確定に時間がかかることが予想されます。

(2)既存システムへの影響調査

 対象となるシステムの数と構築方法によって、対応が変わってきます。
 例えば基幹システムをERPパッケージで構築している企業の場合、税コードの追加や複数税率への対応の仕組みが予め用意されており、税制改正への対応指針がパッケージベンダーから提供されますが、自社固有要件でERPパッケージにアドオン開発をしている場合やスクラッチ開発の場合には、独自に影響調査が必要になります。

 対象となるシステムが多い場合は、開発言語や実装方式が異なる各々のシステムの調査ができる人材を確保する必要があります。構築してから長い年数が経過しているという場合は、ドキュメントが最新化されていない、既存システム仕様や変更の影響範囲が分からないということが考えられます。既存システム仕様を理解して調査できる人材を確保することに苦労する可能性があります。

図5 システム対応時の課題1

図5 システム対応時の課題1

(3)システム改修、テスト

 システム改修においては、既存システムを理解して改修設計、開発ができる要員の確保が課題です。安定稼動しているシステムの場合、最低限の体制で保守・運用されていると、改修規模が大きく、既存の体制では対応できない場合の要員確保が課題です。 テストにおいては、自社の業務、取引パターンを網羅したテストケースの作成や、複数のシステムを連携してテストする場合の体制、推進が課題になると考えられます。

(4)本番切替、データ移行

 2014年4月の消費税対応の直後は、業務・システムの両面で、混乱し、問い合わせや、場合によっては不具合対応が発生することも考えられます。本番後の対応体制の準備も必要になります。
 先のアンケート結果にも、2014年3月~4月にかけての保守、運用体制の構築を課題と考えているお客様が複数いらっしゃいました。

図6 システム対応時の課題2

図6 システム対応時の課題2

 以上のように、消費税対応の期限が2014年4月1日と決まっているため、そこまでに対応を完了させるためのスコープ設定とスケジュール管理、プロジェクト管理が重要と言えます。

まとめ

 当社でも現在消費税法改正のシステム対応を実施しております。その経験から、システム対応のポイントは以下といえます。

①情報システム部門だけではなく複数部門による推進体制を確立すること

②対応内容に応じた作業の優先順位を行い、着手可能な所から順次開始すること
 必ず対応しなくてはならないもの、例えば税コードのマスタへの追加、帳票・画面・他システムインターフェイスでの新税率対応、複数税率対応等は、具体的な修正内容が確定していなくても影響箇所の特定については、先に始めることが可能です。早めに影響範囲を見極めることで、以降の対応に必要なリソースや課題をつかむことができるという効果もあります。

③対応の優先順位付けをして、限りある期間とリソースでできる範囲の作業スコープを定めること

 消費税対応は限られた期間で確実に対応を完了させるためのプロジェクト推進が肝心であると言えます。

消費税法改正対応への弊社のご支援

 消費税法改正のシステム対応については、すでにお客様からご相談を頂いており、実際に自社システムでの対応も推進しております。基幹システム改修おいては、弊社の経験やノウハウを活かし、法制度や業務の視点では、公認会計士、業務コンサルタントの知見を活かした総合的なご支援をさせていただきます。

図7 消費税法改正対応への弊社のご支援

図7 消費税法改正対応への弊社のご支援

特集:「改正消費税法 経過措置ケーススタディ」はこちら

コラム:「消費税法改正による業務・システム対応~来るべき消費税率変更に備えて~」はこちら

株式会社日立ソリューションズ ERPソリューション本部 添田 知子の写真

株式会社日立ソリューションズ
ERPソリューション本部 第1部
添田 知子

1991年入社後、主に製造業、流通業の業務SEとしてシステム構築に携わる。
現在は、ERPパッケージを利用した業務システム導入に従事している。

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