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味岡 毅の『グローバル製造業のための勝てるコストを作り込む「攻めの生産管理」』|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

特集・コラム

第2回 勝てるコストで世界を相手に攻める 第2回 勝てるコストで世界を相手に攻める

原価企画の重要性

 日本の製造業の海外進出は、アベノミクス政策を追い風に益々増加の傾向が見られるが、日本の製造業が世界を相手に勝ち抜いていくには、どうすればよいのか?
 第1回で、解決のヒントとして「 各拠点間に存在する見えない壁に、日本側からいつでも必要な情報を取り出せる風穴をあけ、日本側のリーダーシップのもと現地をコントロールする」というアプローチをお話しした。
 今回は、具体的にどうすれば「世界を相手に勝てる原価」にできるのか?について詳しく説明していく。
 まず、どうして海外拠点でのコスト低減活動を進め難いのか?であるが、著者が今まで様々な生産管理システム構築に携わってきた経験から、主な原因は以下の3点と考えている。

(1)原価低減は、「モノ作りのゾーン(製造)のカイゼン」すなわち日本のお家芸とも
   言える「現場力」に重点が置かれすぎている。
(2)原価の把握が、結局グロスの管理になってしまい製品別や工程別など、国内で実施
   している綿密な管理レベルに至っていない。
(3)原価低減に対して、原単位レベルでどこをどのくらいにしなければならないのか
   という 目指すべき数値を測る「ものさし」を設定しないまま進めている。

といったところである。

 確かに、作っているものが比較的単工程の量産品であり、労務費が日本の数十分の1であれば、細かな管理をせずに乗り切れるという考え方もある。ただ、今後こういった前提が崩れてくると、途端にきめ細かなコスト管理が必要になってくるが、急に考え方を変えようとしても、短期間ではほぼ不可能であり、そうしているうちに他社に追い越されてしまう恐れがある。
 そうなる前に、従来型の現場改善より、もっと上流である原価企画(すなわち、あるべき目標原価、各種基準の設定)段階でコストの作り込みを行い、この領域を日本側でキッチリ、コントロールするべきではないだろうか。

図1 日本側でコントロールすべき重点領域

図1 日本側でコントロールすべき重点領域

 図1の右下に書かれている、従来型の原価管理(実際原価計算)や現場のコスト改善活動に力点を置くのではなく、左上の①事業計画・利益計画に基づき、②いくらの原価でモノ作りを行う必要があるか?またその原価にするためには各基準をどのように設定する必要があるか?その結果、各事業年度(四半期毎、期毎など)に於いて、③VE活動テーマを立て、誰が、いつまでに、どれだけコスト低減を行えるか?を明確にし、④出来たか出来なかったのかを数値で評価する。というサイクルを海外含め全社レベルで実施していく。

 しかし、上記の考え方が良いのは分かっていても、実際にはそう簡単ではない。理由としては下記の問題点があるからだ。

(1)生産・コストに関する基準値が国内及び海外の他工場と比較して正しく設定できて
   いない。
(2)せっかく設定した生産・コストに関する基準値が現地化に伴い、かけ離れていき、
   コントロールできなくなってしまう。
(3)海外の原価を正確につかもうとしても、自社、または自社グループ部品などの内部
   取引、内部利益が含まれてしまう。
(4)原価計算のロジック(配賦基準等)が異なるため、同じ尺度で比較できない。
(5)製造原価のみならず、物流費や為替変動などを含めないと真に低減すべきコスト
   項目が見えてこない。
など

図2 全社統一基準でのコスト評価イメージ

図2 全社統一基準でのコスト評価イメージ

 そこで、第1回の「日本側からいつでも必要な情報を取り出せる風穴をあけ、日本側のリーダーシップのもと現地をコントロールする」の話に繋がるのである。
 すなわち、我々は「攻めの生産管理(原価管理)」とは、 海外を含む全社で統一された考え方の上で、統一された基準値(ものさし)に基づきコストを評価し、日本側のガバナンスをダイレクトに効かすことのできる生産管理システム と定義している。
 この場合の統一された考え方をもつ生産管理システムとは、飽くまで基準値や実績データのメッシュが統一されていることであって、生産管理システムを統合・集中化させるといったものではない。

 これらの考えに基づき、弊社では以下の原価ソリューション(パッケージ製品)をご用意している。

 この原価ソリューションの特徴は、

(1)利益計画に基づくあるべき目標原価の計算、その原価にするべくBOMレベルでのきめ細かな
   基準値設定と積上げ計算が可能。
(2)全拠点のBOMを統合的に管理し真水分のみを積上げるため、社内間をやり取りする部品の内部
   利益などを無視できる。
(3)直課できる費用(開発費、物流費など)の積上げや、統一した間接費等の配賦計算が可能。
(4)VEの活動テーマを難易度別に設定でき、難易度ごとにどれだけ原価改善が図れるかの試算と、
   活動計画のオーソライズが可能。
(5)(4)で立案したVE活動テーマ毎にどのくらい出来たのか?出来なかったのか?をテーマ別に
   評価でき、その結果を次回の活動テーマ設定に活かせる。
(6)目標原価と実際原価との差異を明細ベースで評価可能。
※実際原価計算、原価管理は別パッケージとしてご提案可能。

図3 弊社の原価ソリューション(パッケージ)の概要

図3 弊社の原価ソリューション(パッケージ)の概要

 詳しくは、またの機会に譲るが、是非とも導入のご検討をお願いしたい。

~関連ソリューション~

原価ソリューション  / (株)日立ソリューションズ

コストマネジメントソリューション

株式会社日立ソリューションズ 産業・流通システム事業本部  味岡 毅の写真

株式会社日立ソリューションズ
産業・流通システム事業本部 企画本部 プリセールス部
味岡 毅

1984年4月入社後、一貫して製造業の生産管理システム再構築に従事。
電機・精密製造業、自動車部品製造業など約20社以上の生産管理システム構築プロジェクトに参画。
国家資格である高度情報処理技術者(システムアナリスト、システム監査、プロジェクトマネジャ他)取得。
現在は主に業務系ソリューションの拡販を中心に活動中。

・電子機器メーカにおける統合生産管理システム 再構築(プロジェクトマネージャ)
・自動車会社における統合部品表システム PMO(プロジェクトマネージメントオフィサー)
・その他、自動車部品製造業、農機具製造業等でのプロジェクトマネージャ経験 多数

連載目次

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