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第5回 「行動へのフォーカス」が実効性あるリスクマネジメントを実現する|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第5回 「行動へのフォーカス」が実効性あるリスクマネジメントを実現する
第5回 「行動へのフォーカス」が実効性あるリスクマネジメントを実現する

第5回目のテーマは、企業や各種機関におけるリスクマネジメントの必要性についてです。日常の中にたくさん存在している危険につながる小さな行動を未然に防ぐ方法とは?安全な行動を取るための「行動」の仕組みについてご紹介します。また、講座の最後では、読者の方から寄せられた「負担にならない評価方法」についてのご質問に石田先生がお答えします。

なぜ危険は起こってしまうのか、「行動」に着目

社会環境が大きく変貌を遂げているいま、労働者の意識や働き方自体が根底から変わりつつあります。また企業にとって、何が起こるか予想できない時代となりました。今日も日本のメディアにおいて、企業の不祥事や事故が報道されているように、人的災害や自然災害など非日常的な危機管理に対して、組織として最大限の対策を構築しなければなりません。

では現在の企業や各種機関において、最優先されるべき問題は何でしょうか。それは安全管理の改革、リスクマネジメントの必要性です。正しい方法を用いて、安全習慣という文化をいかに構築するかによって、組織の明日が決まるといっても過言ではありません。組織を支えるもの、それは所属する人の「行動」です。安全な環境づくりとは、単に危険な因子を取り除き、安全の手順を構築することではなく、「その組織にいる人の行動」を変えることにあります。それではまず、企業活動にどんな危険が潜んでいるのか考えてみましょう。

企業活動に潜む危険は、大きく分けて2つあります。1つは「従業員の肉体的・精神的な危険」。通勤途上やオフィス内・周辺、取引先など、あらゆる場面で社員が事故に遭遇したり、社員のちょっとした行動が大きな事故を引き起こしたりします。また最近は、ストレス性障害やうつ病など精神面の症例が多発し、業務に支障をきたすケースも多く見受けられます。思いもよらないところに危険の芽はたくさん潜んでいるのです。

 もう1つは「企業が正常に存続できなくなる危険」で、機密漏洩や企業買収、訴訟問題などによるビジネス上の危険は、グローバル化が進む社会なだけに、もはや避けて通れません。また雇用に関するトラブルも、大問題に発展する場合があります。セクハラやパワハラなど社員同士のトラブルも、経営に大ダメージを与えます。これからは、すべての企業経営者や現場リーダーに国際的で高度な危機管理能力が求められているのです。

従業員の些細な行動が大事故につながる。
従業員の些細な行動が大事故につながる。

こんな報道を耳にしませんか。休憩時の1本のタバコの不始末で、工場を丸ごと失う。間違ったクレーム処理が原因で、些細なことが大問題に発展する。些細な行動を軽んじたことから、死者を出すような大事故を起こす。――どれも、出発点はたった1人の従業員の小さな行動にあります。もちろん経営陣、たとえアルバイトであっても、事故を起こしたいなどと考えてはいません。それなのに事故は起こります。なぜ事故を未然に防ぐことができないのでしょうか。それは危険につながる小さな行動が、日常の中にあまりにもたくさん存在するために、なかなか危機意識を持てないのです。

労働災害について考える時、多くの人が知っているのは「ハインリッヒの法則」です。1件の重大な災害の陰には、29件のかすり傷程度の小さな災害があり、さらにその陰には300件の「ひやり」とした体験がある、というもので、つまり企業が1件の重大な労働災害を起こす陰には、必ず300を超える通称「ヒヤリ・ハット(事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした事例)」があるはずで、その前段階で「ひやり」とする体験を取ってしまえば事故は起こりません。要するに、1つの「ひやり」があったら、その300倍規模の大事故が、いまにも爆発する用意を整えているのだと思うべきで、1つの予兆を見逃す、などということがあってはならないのです。

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