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2ページ目|第6回 どこに活路を求めるのか|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第6回 どこに活路を求めるのか
第6回 どこに活路を求めるのか

正しい企業行動が経済活性化につながる

企業は上で述べた三つのどれかの道を選ばなくてはいけない。もちろん二つの戦略を同時に行うことも可能だが、それでもまずどの道が自分にとっても基本であるのか明確にしなくてはいけない。
 興味深いことに、日本の企業の多くがこの三つのどれかしらの道を積極的に推進することが、日本経済の活性化への原動力となる。日本経済が活性化するためには、三つのことが必要である。

第一はアジアの成長を日本経済の活力として取り込むことである。そのために積極的にアジアに出て行くことが必要だろう。残念ながら自動車も家電もアジアの成長に追いついていけない面があり、韓国や中国のメーカーの後塵を拝している。
 ボリュームゾーンという言葉があるようだが、アジア市場の中核をなす中間所得層のニーズにあった商品を生産していく必要がある。政府もこうした展開を後押しするため、自由貿易協定(FTA)や投資協定などを積極的に進めていく必要があるだろう。

アジアの成長を取り込むことは、必ずしも海外に出て行くことだけではない。日本とアジアの経済関係が深化していけば、日本の国内からの輸出も拡大していくはずだ。日本でしか作れないものを磨いていくことが鍵となる。
 アジアの多くの企業が欲しがる高度なデバイスや素材、産業機械は日本の重要な輸出産業になるだろうし、農業などの分野でも質の高い日本の食料は輸出品となり得る。

日本の活力を取り戻す第二の道は、既存産業の大胆な縮小を進めることだ。20年近くもマクロ的な過剰供給であるデフレギャップが続いたということは、政府が危機の先延ばしを続けてきた結果でもある。
 ゼネコンの業績が悪ければ景気対策という公共事業を行い、住宅産業が不振になれば住宅減税を行う。中小企業の苦境を救うため時限的な中小企業金融支援を行い、環境というお題目の下でエコポイントを使って家電業界を支援する。

こうした政策が一概に悪いとは言わないが、20年たって振り返ってみると、困難の先延ばしにしかなっていないことが分かる。延命策を続けてきたがゆえに、状況はさらに厳しくなっている。アジア通貨危機という異常事態を経験した韓国の方が、より大胆に産業の再編が進んでいる。

ただ、日本もいよいよ待ったなしの状況である。政府にはもはや企業の延命や問題の先延ばしを続ける力は残っていない。
 財政状況がそれを許さないだろう。過剰供給体質の是正はいよいよ本格的に始まる。企業は大変ではあるが、この調整を進めていくことこそが、日本経済に活力を呼び込むために必須の条件であるのだ。

経済の活性化「アジアの成長を取り込む」「既存産業の大胆な縮小」「国内成長分野を読む」

そして日本の活力を高めるためには、国内に新たな雇用の場を生まなくてはいけない。この期待がかかるのが、医療・介護・観光・環境・人材育成などの国内成長分野である。この連載の第4回で取り上げたテーマだ。こうした分野を成長させていくためには、企業の努力だけでうまくいくというものではない。抜本的な制度改革(規制改革)や大胆な政策判断が必要である。
 そうした政策を加速化させていくような論議を盛り上げていくことは重要であるが、企業の側でもそうした変化を読み取り大胆に動くことが重要である。現実問題としても、この10年ほどの日本国内の雇用の動きを見ると、旧来の分野が一貫して縮小する一方で、新規分野が着実に拡大していることが分かる。

以上の三つの方向は、いずれも欠くことのできない要素である。旧来の分野が着実に縮小しない限り、新規分野への投資は進まないだろう。アジアの活力を取り込むことなく、本当の意味での市場の成長は望めない。日本経済が高い付加価値を生み出すこともできないだろう。
 ただ、高齢化や国内雇用の確保という意味では医療や介護の分野は重要である。海外だけに頼った経済運営では、国内で十分な雇用機会を確保できないだろう。
 また、急速な高齢化を考えれば、医療や介護の分野を強化しなければ私達の生活基盤が崩壊してしまう。

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