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2ページ目|第4回 相手とビジョンを共有する ~真のリーダーシップを発揮するために~|久瑠あさ美のメンタルトレーニング講座|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

一流が実践!「勝負力」を生むメンタルを身に付ける
第4回 相手とビジョンを共有する ~真のリーダーシップを発揮するために~

相手とビジョンを共有するには

経営者の方は比較的、マインドビューポイントが高い方が多いのですが、私のクライアントの一人で、マインドビューポイントをよりいっそう高めて、従業員とのビジョンを共有した例をご紹介しましょう。

全国にチェーン店を持つコーヒー店の経営者であるAさんが、私のメンタルルームを訪れたのは、「競合社との戦いの中で、今まさに事業拡張のタイミングが来ており、自分の能力では到底さばききれない状況になっている。そこで自分の器を大きくし、人間力をつけていきたい」という思いからでした。

「コーヒーの味には絶大な自信がある」とAさんが話されるように、豆は必ず営業時間前に挽き、チェーン店を展開し始めてからも「薫りが命」というこだわりを持ち続けてきました。また、先代社長が訪ね歩いて探し当てた、豆との相性がいい産地の天然水を使い続けているのだそうです。お話をしていると、先代のコーヒーへの情熱とともに、究極の一杯を提供したいという姿勢が伝わってきます。創業者がどんな思いで豆と水を丁寧に探し、誕生したコーヒーなのか。そうしたストーリーはお客様もきっと知りたいはずです。

そこで私は、この店のコーヒーが誕生するまでのストーリーを紹介文にして、店頭に置いて公開することを提案しました。そうすれば、訪れたお客様一人ひとりにメッセージや創業者の思いがしっかりと伝わるだろうと考えたのです。

一杯のコーヒーで創業者の意思を伝えるミッションは、このコーヒー店にとっての社会的な役割といえます。「奇跡の一杯」が世代を超えて、文化として継承されていく。それを伝えていくことこそが、二代目のAさんに託された役割であり、会社の経営理念になるのだと、メンタルトレーニングを通じてAさんにお伝えしました。

そして従業員一人ひとりの心にその思いを浸透させることができたら、創業者や現経営者であるAさん、全国で働く従業員が同じビジョンを共有することができるのです。

人生哲学が相手の心を動かす

・「一杯のコーヒーで伝説を創る」

・「一杯のコーヒーで文化を継承する」

・「その一人として、あなたはここにいる」

これは、メンタルトレーニングの後、Aさんが従業員に企業理念として伝えたメッセージです。Aさんの人生哲学であり、生きざまともいえるこのメッセージは、従業員の意識に強く刻まれていきました。経営者のマインドに変革が起こると、それが周りに波及します。マインドビューポイントを高く引き上げ、そこから思いを届けることで、従業員一人ひとりのマインドビューポイントが上がり、経営者のAさんとビジョンを共有し始めたのです。

従業員が「一杯のコーヒーで思いを伝えるのが、私たちの役割」と自負を抱いていれば、コーヒーを届けるたびに自分自身の仕事に対する満足度も高まります。Aさんのビジョンを共有する従業員に、「自分はそのビジョンを達成するための一員なのだ」という意識が高まった結果、スタッフの瞳が輝き始めたそうです。これ以上の社員教育はないのではないでしょうか。

組織のトップは、目の前に山積みとなった問題の対処に追われて、「こうしなければならない」といった思いを多く抱えているものです。そして、目先や過去にとらわれ、経営を全く楽しめなくなっているケースは多く見られます。しかし、人を動かすのは、リーダーが口にする目先のことや過去のことではありません。それぞれ自我を持った人間同士が同じビジョンを共有するには、心を揺さぶる“感動力”が必要です。リーダーが、「ビジネスを通して何を伝えていきたいか、そして何を成し遂げたいか」と思う心の在り方、つまり生きざまや人生哲学を言葉に込めて相手の心に届ければ、おのずと聞いている人たちの心が突き動かされるのです。

今回は、マインドビューポイントを引き上げて、相手とビジョンを共有する方法について解説しました。部下や従業員の心を動かすために、まずはリーダー自身がマインドビューポイントを引き上げる。その上で、部下や従業員と共有したい強い思いを、心を込めて伝えましょう。

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