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第3回 経済小説に経済の「今」を読む —もしも、今とは違う結果を望むのなら? その2—|幸田真音(作家)のマイン・スコープ|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第3回 経済小説に経済の「今」を読む —もしも、今とは違う結果を望むのなら? その2—
第3回 経済小説に経済の「今」を読む —もしも、今とは違う結果を望むのなら? その2—

国債市場の実態を紹介した第2回に続き、今回は海外から見た日本国債について取りあげます。先日報じられた米国格付け会社による日本国債格下げのニュースを幸田さんはどう見たのか、また日本は財政状況の悪化に対しどのように対処すべきなのか。米国債の市場動向との関係を解説しながら、財政再建の糸口を探ります。

この10年間で日本の財政はさらに悪化

 先月に続いて、『日本国債』(2000年講談社・刊)の話をしようとしていたら、2011年1月27日、「まさにデジャヴュ?」と言いたいようなニュースが飛び込んできました。

 米国の格付け会社、スタンダード&プアーズが、日本国債の格付けをAA(ダブルA)からAA-(ダブルAマイナス)へワン・ノッチ(一段階)格下げすると発表したのです。これは2002年4月以来の格下げで、これで日本国債の格付けは、中国と並ぶことになりました。

 いまから十年あまり前、『日本国債』が世に出たころ、膨らむ一方の国の債務残高と、そのわりに一向に財政再建策を打ち出せない政府に失望してか、日本国債の相次ぐ格下げが発表されたことがありました。当時は、たびたび世の中を騒がせたので、記憶している方も多いことでしょう。

 では、この十年間で、実際の日本の財政の状況はどうなったのかといいますと、あのころよりはるかに悪化しています。

 具体的な財務省のデータで比較してみましょう。

 たとえば、2000年度末の国と地方の長期債務残高、つまり国債と地方債の残高の合計ですが、645.9兆円(対GDP比では128%)。当時の人口(2001年4月1日)が1億2,569万人ですので、一人当たり長期債務残高は514万円でした。

一人当たり長期債務残高690万円

 ところが、2010年度末の国と地方の長期債務残高は868兆円程度(対GDP比ではなんと181%)。人口(2010年7月1日:まだここまでしか数字がありません)1億2,577万人で、一人当たり長期債務残高690万円となっています。

 この長期債務残高については、来年度末には1,000兆円目前に、国債の残高だけでも790兆円に達するという財務省試算も出ています。

 こんなことを書いていたら、またまた2月1日には、内閣府からこんな数字も発表されました。国民経済計算確報によると、2009年度末に国と地方の一般政府部門は約48.8兆円の債務超過だというのです。つまり、政府部門の保有資産をすべて処分しても、国債増発で積み上がった借金は返せない。1969年以来初とのことです。

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