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3ページ目|第5回 革新者は“一番”をめざさなければいけない|昨日の不可能を可能にする「万能超ポジティブ」講座|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第5回 革新者は“一番”をめざさなければいけない
第5回 革新者は“一番”をめざさなければいけない

「科学的」「心情的」。共感のハイブリッドが時代を切り拓く。
 そして不可能を可能にする「量的思考」を手に入れろ。

 今、人類の進歩に資するテクノロジーには、「サイエンティフィカリーコレクト」(科学的な正しさ)と「エモーショナルアグリーメント」(感情的な共感)の両方が必要だといわれています。これまでのテクノロジーは「科学的な正しさ」の追求に頼り過ぎていました。そのことを最も表しているのが、金融の世界で「ブラック・スワン」と呼ばれている事態です。これは「すべての白鳥は白い」と常識化されていた世界で、「黒い白鳥」の存在を多くの人が無視してしまった結果起こる事態のことです。つまり、一万年に一度のリスクという滅多に起きないと想定されている事象のことを、「確率ゼロ」と無視してしまうこと。本当は「ゼロ」ではないことを「ゼロ」だとして、人々が本来持っていた不安や恐れを軽視してしまったのです。その結果起こったことの例として挙げられるのが、サブプライム危機であり、東日本大地震の被害です。しかし、その逆に科学的な思考を軽視してしまうのももちろんよくありません。本当は科学的に実証されているはずの技術や素材なのに、人々に感情的な共感を得られないがために受け入れられなくてもったいないことをしている……。

 それを克服するためにもこれからの時代は「ハイブリッド」という考え方が重要になってくると私はみています。「ハイブリッド」とは、本来「雑種」を意味する言葉で、異質な種の動物や植物同士が交配し、新たに生まれた生命のことを呼びます。ハイブリッドの生物は多くの場合、純血種に比べて病気に強く、環境変化への対応が速いのです。

これからのテクノロジーやビジネスはハイブリッドがキーワードになる
これからのテクノロジーやビジネスはハイブリッドがキーワードになる

 これからのテクノロジーやビジネスもハイブリッドな方がうまくいくはずです。科学的な思考と感情的な共感。その両方がハイブリッドされて、初めて人は安心して技術を受け入れ、使いこなすことができる。科学的な実証だけではダメ、感情的な共感だけでもダメです。いま世界では、これまで石油や原子力エネルギーによって可能になった豊かな生活を継続しながら、より健康で、環境に負荷を与えない循環型の社会を実現していくことを欲しています。豊かな生活と持続可能な社会、その双方を同時に、人々に共感されながら達成する存在が求められているのです。それは非常に欲張りな考えかもしれませんが、きっと人類の英知によって克服できるはずです。

 私自身もハイブリッド人間です。文系で入った大学で、途中で農学部という理系に転部していますし、さらに、こじつけになるかもしれませんが、わずか1年ながらも銀行にいたことで、大企業とベンチャー企業の両方を身をもって体験している、という意味でもハイブリッドです。今はたまたまベンチャー企業の社長をやっていますが、ベンチャー企業がベストだとは思っていませんし、ベンチャーに固執もしていません。この先、ベンチャー企業よりももっといいやり方があれば、そちらを選択することも大いにありえるでしょう。そのように、時代に合わせて柔軟な考え方ができるのも、ハイブリッドという考え方の利点の一つだと私は思います。

 事実、当社の事業について投資家の皆様からは「ジェット燃料に特化した方がいいのでは」とアドバイスをしばしば受けますが、私は丁重にお断りしています。そもそもが「世界の“食糧問題”と“環境問題”という二つの問題を解決する」ために始めた事業ですから、初志貫徹です。

 また、我々の事業でいえば、たしかに投資家の興味をくすぐるのは「ジェット燃料」ですが、中長期的な資金は得られても、なかなか短期的な資金は確保しにくい。そういう意味では機能性食品分野は利益率も高く、一度軌道に乗せられれば継続的で安定的な高収益が見込まれるのです。一般的に技術系のベンチャー企業は、多額の開発資金を必要とします。たとえ多額の資金調達をしたとしても、長びく開発期間中にその資本が不足し行き詰まることも多い。また、将来性のあるビジョンや市場を見せられないために、予定した資金調達も行えず、開発したい製品などめざすものを推進していくこともままならなくなり、失速する場合が多い。

 その点、弊社は二つのまったく異なる核となる事業を持つことで、短期の運転経費と長期の開発資金の両方を確保できました。これはあくまで結果論なのですが、最初に「世界の食糧問題と環境問題を解決する」という「二つ」の目標を掲げたことが幸いしたのです。ただし、これはひとえにミドリムシそのものが植物と動物のハイブリッドだったからこそ持てた目標です。ハイブリッドに感謝です。

 もうひとつハイブリッドのメリットとしては、技術系の経営者はどうしてもその技術に一番詳しくなろうとして、興味が偏る傾向があります。結果、経営者としてやるべきことに時間を割くことが億劫になりがちです。そして、技術はすごいが、商品化の仕方がわからないとか、商品はつくったものの市場に受け入れられなかったとか、そういうパターンに陥っていくのです。ですから前回でも言いましたが経営やマネジメントに関しては、技術は誰、マーケティングは誰とそれぞれプロフェッショナルに任せることが大切。そうすることで、経営者やマネージャーは俯瞰的に企業やプロジェクトの取り巻く社会を見ることができ、広くマネジメントのあり方を考えることに専念できます。

 「私はお金がないから、一番になれるわけがない」、そして「才能がないから」「頭が良くないから」「人脈がないから」。こう考える人がいかに多いことか。しかし、お金があっても、才能があっても、頭が良くても、一番になれない人はなれない。つまり、これらのものは「一番になる」上で必要不可欠ではないのです。

 では何が必要でしょうか。
 私が開発した法則ではありませんが、「たとえ、成功率が1%であったとしても、2回挑戦したら、成功率は1.99%になる」という法則があります。3回挑戦したら、成功率は2.9701%になり、4回目は3.940399%、5回目は4.90099501%に成功率が上昇する。そして、50回挑戦すると39.4994%と成功率は3分の1に、100回挑戦したら63.3968%と成功率は3分の2になる。

 ここからが私が一番皆さんに言いたいことです。
「459回挑戦したら、99%成功します」
 私も最初に投資してくれた商社に500回目で出会いました。459回より少し多かったですが、とにかく試行回数を増やすこと。

 成功するまでやるという「量的思考」を持つことが、一番になるかならないかの最大の分かれ目です。実はあのノーベル賞を受賞した山中伸弥先生も同じことを言っていますので調べてみてください。皆さんも、山中先生も、私も、みんな同じ人間。違うのは何回やったかです。「質」より「量」です。質を問うには早過ぎます。まずは「量」なのです。「量」をやってから「質」なのです。そこを多くの人は誤解して、順序が逆になっているのです。

 私には、2018年までにミドリムシから採ったジェット燃料で羽田から石垣島行きの旅客機に乗る夢があります。成功するまで500回でも1000回でも挑戦するつもりです。

 皆さん、458回でやめてはいけません。挑戦し続けてください。459回目には昨日の不可能が可能になります。

※文中に登場する特定作品に対する記述は、あくまでも講師の方の見解です。

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