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【平成の世にサムライを探して】【第七十五回】鳴沢真也 |システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

鳴沢真也 宇宙人を探すことは自分自身を知ること 望遠鏡で宇宙人を探すSETIの取り組みとは

「宇宙人探査」というとSFの世界の絵空事と思われかねないが、 「SETI(セティ)」と呼ばれる 地球外知的生命探査は、世界的に行われている科学的取り組みである。 兵庫県立西はりま天文台の主任研究員、 鳴沢真也氏に、宇宙人探索の意義や可能性について聞いた。

※本記事は2010年10月下旬に執筆されたものです。

なぜ人類は宇宙人を探すのか

鳴沢真也 (なるさわしんや)プロフィール
1965年長野県生まれ。
福島大学大学院修了後、教員を経て、95年、兵庫県立西はりま天文台に勤務。現在、主任研究員。著書に『望遠鏡でさがす宇宙人』(旬報社)、『宇宙から来た72秒のシグナル』(KKベストセラーズ)などがある。

※黒字=鳴沢氏

-- SETI(地球外知的生命探査)がスタートしてから50年がたつとお聞きしました。まずは、SETIとは何かについて説明していただけますか。

人類は古代ギリシアの時代から、「地球以外の天体にも人間はいるか?」という問いを発してきました。これは、「私たちは何者か?」という問いにほかならないと私は考えています。もしほかの星々にも知的な生物がいるのなら、私たちは宇宙においてごく平凡な存在ということになります。

しかしそうでないのなら、私たちは特別な存在であるわけです。また、もし地球以外の星に人間がいるとしたら、私たちの文明や社会が彼らからどう見えるかを知ることができる。それはすなわち、私たちが自分自身を知るということです。

このいわば哲学的な問題に対し、科学はどのように答えを出せるか。比較実験しかありません。実際に地球外知的生命体、つまり宇宙人を見つけて、それを私たち人類と比べてみる。それが科学の方法です。では、さらにそれを天文学の分野で行うとどうなるか。天文学における実験とは、すなわち観測です。観測によって宇宙人の存在を証明、あるいは否定する。それがSETIというわけです。

その観測法を初めて論文に著したのが、ココーニとモリソンという2人の物理学者でした。1959年のことです。その方法とは、宇宙人が発しているであろう電波をキャッチするというものです。彼らは、宇宙空間に存在する水素原子が出す21センチメートルの波長を持つ電波に注目しました。宇宙人はこの電波に人工的な信号を入れてくるだろうから、これをキャッチするのが一番有効であると説きました。それがSETIの理論的ベースです

一方、同じ頃にまさにその波長の電波を狙って宇宙にアンテナを向けた人がいました。フランク・ドレイクという研究者です。彼の実験が、人類が初めて行ったSETI観測ということになります。

兵庫県立西はりま天文台 -- 電波をどうやってキャッチするのですか?

天文観測用のアンテナを用いれば、電波をとらえるのは難しいことではありません。地球人は現在、様々な目的で電波を利用していますが、その中には、3000光年先まで届く電波もあります。これを逆に考えれば、宇宙人が生活の中で電波を使用していれば、その一部が私たちの元に届く可能性は十分にあるということです。

-- 必ずしも、宇宙人が意図的に地球に向けて電波を発していなくてもいいわけですね。

ココーニとモリソンの論文は、宇宙人が地球に向けて意図的に送ってくるメッセージをキャッチするという発想で書かれていました。しかし現在は、意図的ではない電波をとらえようという流れになっていますね。

-- この50年間のSETIの取り組みの中で、具体的な成果は上がっているのですか

最も有名なのは、通称「WOW!シグナル」と呼ばれているものです。これは、77年にオハイオ州立大学の電波望遠鏡がキャッチした電波で、いて座の方向から72秒間にわたって届いた信号です。波長は21センチメートルで、まさにココーニとモリソンが指摘していた波長でした。また、シグナルのバンド幅は10キロヘルツ未満でした。これはほぼAMラジオに相当するバンド幅であり、自然界には存在しないものです。

地球上の電波ではなく、飛行機や人工衛星からのものでもない。天体が自然に発する電波でもない。そこまでは確認されています。しかし、その電波は現在に至るまで二度と地球に届いていません。つまり、実験結果が再現されていないのです。科学であるからには、実験結果に再現性がなければ立証されたデータとはいえません。「WOW!シグナル」は、この50年間で最も信憑性の高い信号ですが、残念ながら、現在のところ、科学的な裏付けがないのです。

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