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第3回 組織力をアップさせる「自己報酬」のススメ|脳医学者 林成之の「逆境を打破する勝負脳講座」|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

脳医学者 林成之の「逆境を打破する勝負脳講座」
第3回 組織力をアップさせる「自己報酬」のススメ

第3回は、やる気に満ちた組織、ワクワクする活気に満ちた組織にするためのノウハウを、脳の重要な部位である「自己報酬神経群」の仕組みをもとに解説していただきます。また、講座の最後では、読者の方から寄せられた「同期発火」に関するご質問に、林先生がお答えします。

「こうしなさい」ではなく、「自分でやってやる!」に仕向ける。

 本講座は、数多くの部署やプロジェクトチームを率いている方にもお読みいただいていることと思います。そんな立場にある方がしばしば直面することの一つが、チームごとの好不調の波ではないでしょうか。同じように考え指導しているつもりでも、あるチームはこのところ好調で結果を出し続けているが、別のチームは懸命に取り組んでいても結果が出せず、メンバーも悩み自信を失いかけている―そんなケースです。

 「ダメじゃないか」と叱責しても、「またチャンスはあるよ」と慰めても、この場合は何の役にも立ちません。新しい仕事を前にして、メンバーの頭の中には「今度も難しいな」「また失敗するかもしれない」というような否定語が渦巻いています。当然、脳のパフォーマンスも上がってこないでしょう。そんな気配を感じたら、これからご紹介する二つのことを、是非試していただきたいと思います。

 まず一つは、どんな小さなことでもいいので褒めるようにしてください。そうすることで、脳の働き方がまったく変わってくる可能性があるからです。 本講座の第1回目で、ある事柄に対して肯定的な気持ちが生まれると、それをきっかけにして脳のパフォーマンスが高まると強調しました。「やってやろう」といった気持ちは、脳内で感情をつかさどっているドーパミンA10神経群から前頭葉に伝わった後、再度ドーパミンA10神経群や、自分へのご褒美をモチベーションとして機能する自己報酬神経群などへ一斉にフィードバックされ、脳の理解力、判断力などを大きく向上させます。ですから、いくつものチームやそのチームリーダー達を管理・統率する立場にある方は、仕事への取り組みで悩んでいたり、弱気になっているチームに対しては、彼らのその否定的な気持ちを逆転できるように仕向けていただきたいのです。具体的には、小さな成功でもいいから褒める。褒めることで達成感があがり、そうした体験を積み重ねると、取り組む気持ちも肯定的になってくるからです。「君、凄いな。これで会社は助かるよ」、そう言われたら誰だって「次もやってやる!」という気になるでしょう。つまり、結果という「出口」を褒めることで、モチベーションという「入口」を変えていくという「逆回し」の方法です。

 そしてもう一つは、プロジェクトの方針を定める際などに、上司が部下に対して「ああしろ」「こうしろ」というのは慎むことです。「私はこうやって成功したのだから、君もこうしなさい」ではなくて、「私はこうやってきたのだが、君だったらどうする?」と聞いてあげるのです。そうすると「えっ、自分が?」「どうすべきかな?」と思いながらも、「私ならこうします」と部下の方から答えを出してくる。そうなったら、もうしめたものです。たとえ上司の話を参考にしていたとしても、自分自身で考えたのですから。

仲間の役に立つ、人や社会に貢献するということが仕事へのモチベーションとなる
仲間の役に立つ! 人や社会に貢献する!

 ご紹介した二つのことをなぜ試していただきたいのかというと、「主体性」ということが、自分へのご褒美をモチベーションとして機能する自己報酬神経群の働きと深い関係にあるからです。自己報酬神経群は、考えたり記憶したりする仕組みの中を情報が駆け巡る際の重要な通路となっています。この神経群の機能は、「ご褒美を得るために、自分からやってやろう!」という「主体性」が伴われないと十分に発揮されないのです。

 脳にとってのご褒美とは、自分だけの損得勘定を意味するのではありません。「共に生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という本能を基盤に脳は機能しているので、仲間の役に立つ、人や社会に貢献するということが脳への大きな報酬となり、仕事へのモチベーションとなるのです。逆に、勝ち負けにばかりこだわったり損得勘定ばかりしていると、「共に生きたい」「仲間になりたい」という本能に逆らうので、脳本来の力を削ぐことになります。お客様や仲間の為にすることは「自分へのご褒美」と考え、自己報酬神経群を十分に機能させることが、ビジネスにおいても成功の決め手となるのです。

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