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2ページ目|第6回 違いを認めて共に生きる―勝負脳の神髄を究めるために|脳医学者 林成之の「逆境を打破する勝負脳講座」|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

脳医学者 林成之の「逆境を打破する勝負脳講座」
第6回 違いを認めて共に生きる―勝負脳の神髄を究めるために

「違いを認めて共に生きる」という本能に逆らわず脳の力を発揮する方法。

 日本は折りに触れ、欧米を見習い、欧米のやり方を採り入れてここまでやってきました。競争社会もその一つです。一時期流行った「勝ち組」「負け組」という言葉には今皆が批判的ですが、残念ながら社会の本質そのものは変わっていません。つまり、自分が幸せを得るには他人に勝たなければならない、という社会です。しかし、他人に勝つ、というのは「仲間になりたい」という本能とも、そして第三の本能である「違いを認めて共に生きる」という本能とも反しています。世の中が生きにくいと感じたり、無用に緊張するのもそのためです。

  私に言わせれば、肉や麦を常食とし、単独で行動をして狩りをしてきた肉食系のDNAを持つ欧米の人たちのノウハウを、米や野菜を常食にし、集団で協調しながら敵と闘ってきた草食系のDNAを持つ日本人のシステムに、単純に採り入れること自体が間違いなのです。欧米の人たちは単独で勝負することに慣れていますし、自分を鍛えることも自己責任です。自己保存の本能が強く、仲間と群れる傾向の強い日本人とは徹底的に異なります。その違いを吟味せず、成功事例だけを見て日本に導入するというやり方ではうまくいくはずがありません。日本は日本に合った制度を自ら立ち上げるべきですし、日本人に合った社会やビジネスの在り方を追求するべきなのです。

ライバルを敵と思わず、自分を高めてくれる大切な存在だと考える
ライバルを敵と思わず、自分を高めてくれる大切な存在だと考える

 ではここで、「違いを認めて共に生きる」ための方法を、スポーツを例にお話しましょう。スポーツは、競争です。あからさまに「勝ち負け」の世界です。オリンピックのような大舞台で金メダルを取るためには勝たなければならない。しかし、この行為は、第三の本能「違いを認めて共に生きる」とマッチングしません。人間は、生きていくために必要な本能に逆らって力を発揮することはできません。したがって、オリンピックなどではこの矛盾を克服する、つまり本能を克服する能力を鍛える必要があるのです。その方法とは、「ライバルを敵と思わず、自分を高めてくれる大切な存在だと考える」「勝ち負けではなく、勝ち方(達成のしかた)にこだわり、集中する」という方法です。敵を敵と思わず、しかも勝ち方に集中すると「違いを認めて共に生きる」という本能に逆らうことなく脳の力を発揮できるようになります。世界の頂点に立つような選手は皆、勝ち負けより勝ち方にこだわり、目的を達成するための方法にこだわっています。でなければ、さらに上のレベルになど行けないのです。

 この「ライバルを敵と思わず、さらに勝ち負けではなく、勝ち方にこだわる」というところに、私はこれからの日本、これからのビジネスを考えるヒントがあるように思います。「他人を敵と思わず、さらに損得ではなく、得の仕方にこだわる」「同僚を敵と思わず、成果ではなく、成果の上げ方にこだわる」と言い換えてもいいかもしれません。講座のタイトルに「勝負脳」とあるので誤解されがちですが、突き詰めて言えば、勝った負けただけではなく、どういう勝ち方をしたかにこだわることが大切であり、みんながワクワクし感動する、周りの人間までを幸せにする考え方や方法を創り出すのが「勝負脳」なのです。

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