ページの本文へ

3ページ目|第二回「不調に泣いていた松坂は、なぜ復活できたのか?」|脳が変わればビジネスも変わる 脳医学者 林成之の成果を生み出す勝負脳講座|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第二回「不調に泣いていた松坂は、なぜ復活できたのか?」
第二回「不調に泣いていた松坂は、なぜ復活できたのか?」

勝負に強い人は「目的」よりも「目標」に集中する

 「勝負」ということでもう一つ、「勝負に強い人と、弱い人」との違いについての話をしましょう。よくオリンピックに出場する選手が、「金メダルを獲ります」と宣言することがありますね。しかし、そう言った時点で間違っている、というのが脳医学の考え方です。金メダルを獲るというのはあくまでも「目的」であって、その目的を達成するために何をするかという「目標」を明確にし、そこに集中しなくてはいけません。その「目標」の部分をおろそかにして、「目的」だけを追求しても、脳は「負けるかもしれない」「取れないかもしれない」という否定語を生み出す可能性があります。その結果、「自己保存」※の本能が働いて、脳が充分に能力を発揮できなくなるのです。つまり、勝負に弱い人は、「目的」と「目標」を混同していることが多い。逆に勝負に強い人は、「目的」よりも「目標」に集中している、ということが言えると思います。「勝つ」ことが「目的」であるとすれば、「勝つために何をするか」が「目標」である、ということです。

 これをビジネスでいうと、会社の創業精神や企業理念が「目的」、その目的を達成するための長期ビジョン、中期計画、年度計画などが「目標」に当たります。気をつけていただきたいのは、短期的な「目標」を「目的」そのものと取り違えないこと。そうしないと、ともすれば利益至上主義に走り、コンプライアンスなどのさまざまな問題が起こってくることになりかねません。

「目的」を達成するための「目標」を明確にしよう。
「目的」を達成するための「目標」を明確にしよう。

 目標を決めたら、次はその目標を達成するための問題点を明確にし、問題点を克服して目標を達成するための具体的な方法を明らかにすること。「頑張ります」と言うだけでは何も意味がありません。これは子供に対しても同じことで、よく子供に「頑張れ、頑張れ」と言うだけの親がいますが、子供にとっては、何をどう頑張ればいいのかわかりません。明確な「目標」がないと人は頑張れないのです。

 また、目標を達成するためには、「期限付き」で、今の実力でできるところまで、一気に駆け上がる。これを繰り返すことが大事です。普通は、目標を達成するために「コツコツ」、あるいは「1歩ずつ」というように考えがちですが、これは自分を守るための自己保存の本能が働いているやり方です。高い目標を達成しようとするなら、今できることを期限付きで一気に上りつめる、これを繰り返してください。すると、ある時点で成し遂げる力が生まれてきます。

※自己保存
人間は生まれた時から人間の脳にある「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という三つの本能の中で、「生きたい」という本能から自分を守ろうとする「自己保存本能」が後天的に発生してきます。これは生存競争に関わる本能だけに非常に強く、危機感から脳の過剰な防衛反応に流されやすくなり、困難からすぐに逃げてしまう「逃避脳」が鍛えられてしまうようになりがちです。

次回

第三回   鈴木明子選手が五輪代表になるために活路を見出した理論とは?パフォーマンスを引き出す「脳の力」

「心」「技」「体」この3つが優れていなければ最高のパフォーマンスを生み出せない、と考えがちです。しかし、林氏は「心」「技」「体」を結び付けるのは「脳の力」であり、「脳の力」があれば「心」「技」「体」で突出したものがなくても最高のパフォーマンスを出すことは可能だと言います。それではどうすれば「脳の力」を引き出すことができるのか、フィギュアスケートの鈴木明子選手の例を引き合いに解説します。
※タイトル・内容等は変更することがあります。

※本記事の内容は公開当時のものです。本コラムに関するご意見等ございましたら、日立ソリューションズまでお問い合わせください。

※このコラムの内容は、講師の方の見解です。

ページの先頭へ

もっと学ぶ

もっと学ぶ

本記事の内容は公開当時のものです。本コラムに関するご意見等ございましたら、日立ソリューションズまでお問い合わせください。

ページの先頭へ