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2ページ目|第三回「鈴木明子選手が五輪代表になるために活路を見出した理論とは」|脳が変わればビジネスも変わる 脳医学者 林成之の成果を生み出す勝負脳講座|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

第三回「鈴木明子選手が五輪代表になるために活路を見出した理論とは」
第三回「鈴木明子選手が五輪代表になるために活路を見出した理論とは」

本番と練習を別のものと考えている時点で負けている。

 さて、第二回では「勝負に強い人と、弱い人」の違いについてのお話をしましたが、今回は「本番に強い人と、弱い人」の違いについて説明してみましょう。一見、同じようなお話かと思われるかもしれませんが、脳科学で解説すると、微妙に違うのです。

 スポーツでいえば、練習ではすごいのに、試合になるとその実力が出せない、という人、よくいますね。会社でいえば、普段はよく仕事ができるのに、大事なプレゼンなど、ここ一番のときに限って失敗する人、などが当てはまります。

 これらはどちらも「いつもと違う環境になると、途端にダメになる」というパターンです。なぜ、環境が変わると、結果が出せないのか? その理由も実は脳の仕組みから考えると、自然なことなのです。

 試合やプレゼン本番ともなれば、「今日は特別な日だ」と考えます。このように「特別」あるいは「普段と違う」と意識することが、自ら脳の「統一・一貫性」の本能を外すことにつながるのです。「いつもの能力」は、「統一・一貫性」が保たれていないと、発揮できません。だから、「いつもできていること」が、なぜかできなくなるのです。

いつでも力を発揮できるように、練習も本番と同じように臨もう。
いつでも力を発揮できるように、
練習も本番と同じように臨もう。

 では、どうすればいいか。要は本番のときに「統一・一貫性」が保たれていればいいわけですから、普段の練習を本番と同じようにやっていれば、本番でも練習どおりの力を出せます。本番と練習を別のものと考えているから、本番で必ず「統一・一貫性」が外れてしまうのです。超一流といわれるアスリートたちは、練習でも決して手を抜かず、本番さながらに取り組んでいるはずです。だからこそ、本番で実力を発揮できるのです。しかし、言うは易く行うは難しで、そう簡単ではありません。ですから、リーダーがこの「統一・一貫性」という脳の本能をよく理解して、部下の指導にうまく活かすことが重要です。

 たとえば、部下がプレゼン本番などで結果を出したとしても、練習でできていなければ、ほめるべきではありません。「本番でできさえすればよい」という考えを部下が持ってしまえば、せっかくの能力も伸ばすことができなくなってしまうからです。「自分は本番に強い」と豪語する人がいますが、「練習でも本番でも、いつでも力を発揮できなければ、その力は本物とは言えない」ということを肝に命じておいてください。

 ビジネスにおける組織を強くするためにも、この「統一・一貫性」という本能をうまく使うことが大切です。そもそも、脳に入ってくる情報を理解する働きをする前頭前野の機能を生み出す「統一・一貫性」という本能は、取り込まれた情報が正しいかどうかを判断する基準の一つとして、整ったもの、秩序だったもの、筋が通ったものを好む性質ですから、組織を形成するうえで重要な本能といえます。

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