ページの本文へ

3ページ目|第5回 「成功は失敗のもと」。昨日の成功に甘えず、組織をさらに活性化させるさまざまな方法。|星野佳路の「組織活性化」講座|第5回 「成功は失敗のもと」。昨日の成功に甘えず、組織をさらに活性化させるさまざまな方法。|星野佳路の「組織活性化」講座|株式会社日立ソリューションズ

~星野リゾート流 意識改革~ 星野佳路の「組織活性化」講座
第5回 「成功は失敗のもと」。昨日の成功に甘えず、組織をさらに活性化させるさまざまな方法。

成功は失敗のもと。業績の良い時こそ人事異動

 これまで述べた5つの取り組みにおいて、5番目の「経営に変化を促し継続する仕組み」は組織を活性化するうえで、最も重要な取り組みです。幸いなことに私が社長に就いてから紆余曲折はあったにせよ、比較的に右肩上がりで成長してきました。しかし、最大のチャレンジ時期というのは会社の業績が非常に良い時期だったのです。なぜなら業績が良い時に会社の変革は止まります。業績が良いことでそれまで活躍していたマネジャーや管理職の人間がどうしても休憩してしまうのです。本人たちは休んでいる意識はないのですが、ついつい気が緩んでしまい、成長が止まってしまうのです。ですので、ビジネスの場合は「失敗は成功のもと」ではなくて「成功は失敗のもと」になると私は常々思っています。

業績が良い時こそ、新たなチャレンジを歓迎する
業績が良い時こそ、新たなチャレンジを歓迎する

 その教訓をもとに、私たちは業績が良い時こそ積極的に人事異動を行なうようにしています。弊社では人事異動はすべて立候補制を取っており、すべてのユニットディレクターは立候補によって成立するのです。それはそのユニットの業績が絶好調であっても例外ではないのです。好業績であっても、その要因はさまざまであると私たちは考えています。一見、そのディレクターの能力や努力によって叩きだした成果のように見えても、ひょっとしたら誰が行っても業績のよい一年だったのかもしれない。 私たちはそう考えるのです。ある意味とてもシビアな考え方ですが、そういう考え方はすでに全社に文化として根付いていて、「確かにあの人は昨年よりも良い実績を残しているが、私がやればもっと良くなります」という社員が立候補をして、自分の戦略の提案を行い認められれば人事異動が行われる仕組みです。

 現任のディレクターは、自分が提案をした戦略がどう展開されているかという状況を毎月必ず報告しなければなりません。この報告会にはスタッフの誰でも参加することができ、うまく機能しているユニットと機能していないユニットが、社内で公開されることとなります。その結果を見て、「あのユニットは上手くいっていないようだ。自分だったらこうできる」と思う人が必ず現れるのです。この仕組みをつくるまでは私や人事部の人間が抜擢人事を行っていたのですが、それよりも速いペースで人事異動が可能となりました。優秀だと思って送り込んだ人材も実際にはあまりうまくいかなかったりすることも少なくなかったのです。私たちが思ってもいなかったような人が、素晴らしい戦略を考えていて立候補してくれる驚きもあり、人事でも優先されるべきことはモチベーションなのではと考えています。私はこの制度は会社に変化を促すためにも非常に有効的に機能していると感じています。

次回

第6回(最終回)   誰でも自由に意見を発せられる環境づくり。これを実現できれば組織は活性化し、脱コモディティも図れる。

リゾートを訪れるお客にとっては、対応してくれるスタッフの印象イコール星野リゾートの印象となる。「スタッフの判断の質を高めるには現場のモチベーションが大事」と語る星野社長は、とにかくすべてのスタッフが自由に意見を述べられるしくみをつくりあげている。星野リゾートの最大の強みともいうべきこのしくみとはどのようなものだろうか? 

※プロフィールや記事など、掲載内容は取材時点のものです。現在と内容が異なる場合があります。

ページの先頭へ

今回の内容

他の回へ

ビジネスコラム

最新IT事情が5分でわかる! ITバー つぐみ物語

もっと学ぶ

もっと学ぶ

本記事の内容は公開当時のものです。本コラムに関するご意見等ございましたら、日立ソリューションズまでお問い合わせください。

ページの先頭へ