Chapter04色の効果をビジネスに活かす その2「オフィス環境編」
快適な仕事環境作りにも、色の効果が応用できます。このページでは、オフィス内やデスク回りの文具や小物の色を意識することで、オフィスをきれいに見せたり、自分の気持ちをコントロールしたりする方法をご紹介します。
集中力を高めるブルーを部分的に使う

仕事や勉強の場には、リラックス効果のある暖色を使うより、気分を落ち着かせ、集中力を高め、適度な緊張感をキープしてくれる効果のある青などの寒色が最適。ビビッドなブルーより、水色やスカイブルーのような、比較的明度の高い色がオススメです。
ただし、面積のバランスが重要。部屋全体を水色にすると、かえって落ち着かなくなってしまいます。
例えばパーテーションやカーテン、カーペットを落ち着いたブルーグレーにしたり、パソコンのデスクトップやマウスパッドをきれいな水色にしたりと、部分的に、面積に応じて適度なトーンのものを使うといいでしょう。
暖色の照明にすると、時間経過を速く感じる

色は、時間の感覚にも影響します。赤、オレンジなどの暖色系は、人を興奮させ時間が過ぎるのが速く感じる効果があり、飲食店などの内装に使うと、お客さんの回転がよくなります。
逆に、寒色系は、時間が遅く感じるので、美容院や銀行など人を待たせる場所には寒色が適していると言えます。
また、休憩や食事をする部屋では温かみのある色の照明を使うと、休憩時間が長く感じられ、心からリラックスできるので、仕事の効率が上がるはずです。
ステーショナリーもカラーコーディネートで印象アップ

オフィスには寒色が最適と言っても、もともと日本のオフィス用機器やデスクにはグレーが多く、無機質な寒色ばかりではなかなかテンションが上がりません。
そこでオススメなのが、付せんやクリップ、ホッチキス、ファイルなどのこまごまとしたステーショナリーや小物にカラフルな色を取り入れること。
それも、ただ漠然と好きな色を選ぶのではなく、カラーコーディネートして統一感を持たせると、デスク回りがすっきりとまとまって見えます。青なら青、ピンクならピンクと、同系列の色でなじませるのもいいですし、ペールトーン、グレイッシュトーンなど、同じトーンの色でまとめてもOK。
案件ごと、クライアントごとに、色で書類ファイルを分けてみるのもオススメです。
ストレスフルな仕事には、好きなカラーを使ってやる気を起こす

誰にでも、似合う色とは別に、何となく好きな色や、見ると元気が出る色があるはずです。
ステーショナリーを始め、PC関係の小物やバッグ、名刺入れ、携帯電話などを自分のテーマカラーにして身の回りに集めてみるのも、仕事への意欲・テンションを上げる効果があります。
どうしても気の進まない案件のファイルには、あえて好きな色を使ってストレスを軽減させましょう。

日本では「好きな色」の統計をとると、青が一番人気になる場合が多いことが知られています。青は知的に見える色ですし、遠くに引っ込んで見える効果があるので、控えめな日本人の気質にマッチするのかもしれません。
今回、20代のビジネスパーソンにアンケートをとったところ、1位は青という結果に。続いて「ピンク」、「黒」、「白」、「赤」、「緑」という順に票が集まりました。
男女別で見ると、男性には「青」が、女性には「ピンク」の人気が高く、最近の20代でも、男女で色に対する好みが大きく分かれることが分かります。
色の人気傾向を知っておくと、大勢の人前に出るときの服装選びや、商品開発などにも活かせそうですね。