Chapter05色の効果をビジネスに活かす その3「文書編」
パワーポイントなどのソフトには、色を自在に変えられる機能がついているものの、文書や企画書を作成する際に、色をちゃんと使い分けている人は少ないようです。このページでは、文書に色の効果を応用するコツをご紹介します。
最初に企画の内容を確認し、テーマカラーを決める
最初に、扱う商品や企画の内容やコンセプトを確認してテーマカラーを決めます。例えば食べ物を扱う企画の場合には、おいしそうに見える暖色系を選ぶのが自然ですし、医薬機器の資料なら、再生力のある緑色や、きちんとしていて落ち着いた印象の寒色系が適切です。
もっとも重要なポイントは、商品や企画の内容・コンセプトや、クライアント企業のコーポレートカラー(CI)に合った色相・トーンの色を選ぶことです。
テーマカラー、アソートカラー、アクセントカラーの3色配色が基本
テーマカラーを決めたら、アソートカラー(テーマカラーを調和させる色)・アクセントカラーを決めます。
文書を書く際には墨文字を中心に使うビジネスパーソンが多いようですが、墨一色ではインパクトがなく、なかなか読む気にはならないものです。
特に企画書や、パワーポイントなどのプレゼン用資料の場合には、見る人の視覚に訴えることが大切。色を効果的に使って視覚に訴えるには、テーマカラー、アソートカラー、アクセントカラーの3色使用が基本です。
面積バランスの基本ですが、テーマカラー70%、アソートカラー25%、アクセントカラー5%くらいを目指しましょう。
3色の配色は、服装のコーディネートと同様に、企画書の内容に合わせて、同一色相でドミナントさせたり、対照的な色でメリハリをつけたり、バランスよく効果的に見える色を選んでください。

配色の一つ「トライアド」とは?
では、配色はどう決めれば良いでしょうか。配色には、マニュアルのようなものがあり、その一つが色相環の中で正三角形になった3色を使うという「トライアド」です。ほかにも、「スプリットコンプリメンタリー」や「ダイアード」といった配色があります。このように、配色にはさまざまな形式やノウハウがあるので、詳しく勉強すれば、悩まずに適した色が選べるようになります。
フレームにもテーマカラーを使う
企画書全体、もしくは目立たせたい文字の部分、写真を入れた箇所などは、フレーム(枠)で囲み、このフレームの色に3色のうち一色(テーマカラー)を使うと、まとまり感が出てきれいで見やすくなります。フレームの線は太くせず、細いさりげない線でOKです。

墨文字にも、基本の3色のうち一色を混ぜてなじませる

大きく見せたい字は膨張色の白で
同じ大きさの文字でも、黒や寒色などの「収縮色」は小さく見え、白や暖色系の「膨張色」は大きく広がって見えます。この効果を利用すると、目立たせたい文字をより目立たせることができます。
広い場所で大人数を相手にスライドで資料を見せるようなときには、タイトルなど目立たせたい部分は、濃い色を背景にして、白い文字で表現すると、視認効果で見えやすくなります。
また、タイトルや見出しに、明朝体のように太さが均一でないフォントを使うと、読みにくいことがありますが、そういうときにも、濃い色を背景に白で文字を書くと、ぐっと見やすくなることがあります。


企画書や資料の色選びの際には、それぞれの色が人の心理にどんなイメージや心理的影響を与えるか知っておくと便利です。