Chapter02 体の仕組みを知り、暑さに負けない体づくり
今年の夏は部屋や社内が暑くなりそうです。では、暑さに負けないための体作りをするためにはどうすれば良いのでしょうか? 尾関先生に、3つのポイントを教えていただきました。
- 暑い部屋や環境にずっといて、体温が下がらない状態にいるのは「熱中症」など危険性を伴います。 そこで大切なのは、「汗をかく体質になること」です。汗には、体にこもった熱を放出して体温を正常にキープするという役割があります。ですから、暑い夏こそ、汗をどんどんかく必要があるわけです。 汗をかくためには、次の3つが必要です。
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まず、1の筋肉量を増やすですが、汗をかくようにするには、基礎代謝を上げてくれる筋力を運動で維持することが必要です。本格的なトレーニングでなくても、 1日10分~20分程度のストレッチや簡単な筋トレでかまいません。効果的で質の良い運動をすれば、長時間の運動をする必要はないのです。
運動する時間がとれない人は、たとえば、駅やデパートなどではエスカレーターを利用するのではなく、階段を使うようするなど日常生活において体を動かすことを意識しましょう。これだけで筋トレの代わりになります。ちなみに、階段では、昇りよりも降りるときのほうが、「筋肉を鍛えられる」ということを覚えておいてください。
2の水分を摂ることは、当然ですが汗をかくのに重要です。まず、のどが渇いたら飲むのではなく、乾く前に飲むようにしてください。のどが乾いている状態は、既に水分不足になっているからです。
1日の水分量の目安は、さまざまな説がありますが、基礎代謝を上げることを目的とするなら、自分の体重の数字×50mlが目安です。体重が50kgの人なら、1日2.5リットルの水を飲むとよいでしょう。
とはいえ、水が苦手な方はほうじ茶や麦茶、ジャスミンティーなどノンシュガーでカフェインが少ないドリンクがおすすめです。コーヒー、紅茶、緑茶はカフェインによる利尿作用があるため、これらを飲むときには、量を摂取する必要があります。そのため、できるだけカフェインが入っていないもので水分補給するようにしましょう。
また、運動後の水分補給にもポイントがあります。スポーツ飲料、アミノ酸飲料は運動直後にブドウ糖を補充し、筋肉を形成するのに役立ちますが、ドリンク内に含まれる糖分や運動の度合いによってはカロリーオーバーになって太ってしまうこともあるので、注意しましょう。
そして最後に、3のカリウムですが、不足すると水分が体内に貯まってしまい、汗が出にくくなります。カリウムは新鮮な生野菜や果物に多く含まれているので、1日に1回は野菜や果物を食べるようにしましょう。
- 暑さに対する抵抗力を養うには、「タンパク質」、「炭水化物」、「脂質」の三大栄養素をバランスよくとることが大切です。 とくに若い独身男女の食生活は、朝食はパンにコーヒー、昼食はラーメンや冷やし中華などにおにぎり、夕食はイタリアンでパスタやピザ……など炭水化物が過多でタンパク質が不足しがちです。
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タンパク質(肉・魚・大豆製品など)が不足すると、筋肉量が減って疲労などへの抵抗力が落ちてしまいます。筋肉量を減らさずに基礎代謝を維持するために必要なタンパク質は、自分の体重の数字×1.0gです。例えば50㎏の女性なら、1日50gのタンパク質が必要です。
とはいえ、魚の場合、骨や皮などを省いた「身の部分」のタンパク質含有量は100g中25gしかないので、1日50gのタンパク質をとるには、200gの魚の身を朝昼晩に分けて食べるのが理想です。
また、オリーブ油など質の良い脂質を摂取するのも有効です。
- ほてった体を冷やすには、動脈やリンパの部分を冷やすと効果的です。たとえば、首、脇の下、足の付け根など。冷やし方としては、濡れタオルや保冷剤をハンカチでくるんだものや、市販のクーリンググッズを利用してもよいでしょう。これは熱中症の応急処置でもあります。ただし、動脈の周囲を強く抑えることや、冷やしすぎは避けるようにしてください。
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体から出た汗を効率よく気化させるには、うちわや扇風機で風をあてたり、風通しのよい服を着たりするのがおすすめです。冷感素材を利用したスーツや下着もクーリングには効果的です。

両手を写真のように、片方の手を上に、片方の手を下にひじから曲げます。上げている手のひらは正面に、下げている手のひらは背面にむけます。ひじを中心にして、手の上下を入れ替えます。このとき、ひじを落とさないようにするのがポイントです。

ジョギング以上の効果があるのがこのスクワットだそうです。壁に向かって脚を大きく開き、つま先を外に向けて立ちます。両手を壁につけ、背筋を伸ばしたままゆっくりとお尻を落とします。かかとに体重をかけるイメージで。ヒザが90度に曲がるまで落としたら、再び元の位置に戻ります。これを1セットとして10回、朝と夜に1日2回行います。
