ゴルフをプレーする上で大切なのは、ルールです。とても複雑な上に審判員もいないので、プレーヤーが自分で判断しなくてはいけません。「空振りしても、誰も見ていなければスコアに数えない」、そんな考えのプレーヤーはいないとは思いますが、初めが肝心、自分に厳しく、ルールには厳格になってもらいたいものです。
全てのルールを説明するとなると1冊の本になってしまうので、ここでは必要最小限の内容をお話しします。まずゴルフのプレーは、"あるがまま"が大前提だということ。つまり、ティーグラウンドでティーアップしたら、特別な事情がない限り、グリーンに乗るまでボールを手で触ってはいけません。

排水溝の蓋の上に、ボールが止まってしまったら、罰を受けることなくボールを動かす(ドロップと言います)ことができます。
特別な事情とは、排水溝の上にボールがある、芝の上に水たまりがあってボールが打てない、芝や砂の中にボールが潜り込み、自分のものかどうか確認できないといった状況などです。そのような、通常通りプレーすることができない場合に限って、ペナルティ(罰)なしでボールを拾い上げ、それぞれに対応できますが、それ以外は"あるがまま"のプレーが原則なのです。
日本では、仲間同士で集まってゴルフをするときに6インチ(15センチ)プレースというローカルルールを適用することがあります。これは、芝の状態が悪いときなどに、6インチ以内ならボールを動かしてもOKというものですが、公式な試合では、このルールは適用できないので気をつけましょう。
それともうひとつ、ペナルティにも1打のものと2打のものがあるのを覚えておきましょう。例えばOB(白杭の外)や池ポチャは1打罰、ボールの後ろの芝を踏みつけたり、他人のボールを打ったりしてしまったら2打罰です。一体、どこが違うのでしょうか? 答えは、犯した内容の重大さです。
OBや池ポチャなどは"ちょっとした失敗"なので罰も軽く、芝を踏みつけた、他人のボールを打ってしまったというのはゴルフでは"大失敗"という扱いで、罰も重くなるのです。その判定が難しいときは一緒に回るプレーヤーにアドバイスを貰うこともできますが、先輩や上司とラウンドするならば、あらかじめルールは覚えておきましょう。そして、当日はルールブックを持参し、プレーをしてくださいね。

木の根元にボールがあっても、そのまま打つのが原則です。
どうしても打てない場合は、アンプレアブルを宣言します。
「アンプレアブル」は、ショットが不可能なときに、1打付加して、以下の3つの方法のいずれかを選んでプレーを続行する方法です。
① 最後にプレーしたところのできるだけ近くで打つ。
② ボールのある地点から2クラブレングス以内で、ホールに近づかないところにドロップする。
③ ボールが止まっている地点とホールとを結んだ後方線上にドロップする。

たとえ土の上(ベアグランドと言います)にあっても、そのまま打つのが、本来のゴルフのルールです。
「土の上に乗ったボールをうまく打つことができませんでした! これがゴルフの難しさなんですね」(タカハシ)