Chapter03敬語・言葉遣いNG集その2/社外編
社外の取引先やお客様との面談・打ち合わせでは、社内での会話以上に言葉遣いに気をつけたいものです。このページでは社外業務での敬語・言葉遣いのNG例と、その正しい使い方を解説します。
Case. 1
お客様との面談中、資料を見てくれたかどうか聞く
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「○○の資料はご覧になられましたか?」
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「○○の資料はご覧になりましたか?」
たとえば、「見る」を尊敬語に変える場合、正しくは「ご覧になる」もしくは、「れる・られる」を付けて「見られる」となります。「ご覧になる」に「られる」を付けて「ご覧になられる」としても、さらに丁寧な表現にはなりません。
Case. 2
お客様に必要事項を記入してもらう
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「こちらにご住所とお名前をお書きしてください」
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「こちらにご住所とお名前をお書きになってください(お書きください)」
「お~する」に対応する尊敬語は「お~になる」なので、正しくは「お書きになってください」です。「お書きください」でもかまいません。
こうした間違いが起こるのは、尊敬語と謙譲語の区別がちゃんとついていないから。「そんなことは小学校で習ったから必要ない」と思うかもしれませんが、間違うということは、知識が身に付いていないということ。本などで丁寧語・尊敬語・謙譲語の違いを把握し直し、自分の中にしっかりとルールを確立しましょう。
Case. 3
お客様から、「うちの会社は本社が銀座なんですよ。ご存知ですか?」と聞かれたら?
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「はい、存じ上げております」
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「はい、存じております」
ヒントは「上げる」にあります。「上げる」ということは、持ち上げるべき相手がいるということ。従って、知っている対象が人であるときは、「存じ上げている」となります。知っている対象が物なら、「存じ上げている」ではなく「存じている」を使います。
たとえば、「うちの息子は○○社の課長をしているのですが、ご存じですか?」と言われたら「はい、存じ上げております」と言いますが、 上の例のように、本社について聞かれた場合は「はい、存じております」と言うのが正解です。
Case. 4
お客様との名刺交換のとき、名前が聞き取れなかったのでもう一度聞きたい
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「お名前、もう一度いいですか?」
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「恐れ入りますがお名前をもう一度伺えますか?」
クッション言葉を何パターンも使いこなせる人は、意外と少ないようです。使えるクッション言葉のバリエーションが多い人は、表現力が高く、営業もクレーム対応も上手。クッション言葉を10種類くらい言えるようになれば「オトナのたしなみ」ができていますので、数パターンしか思い浮かばない人は、ぜひこの機会にボキャブラリーを増やしておきましょう。
恐れ入りますが、失礼ですが、申し訳ありませんが、お手数ですが、 ご足労ですが、あいにくですが、ご迷惑でしょうが、差し支えなければ、申し上げにくいのですが。
20代のビジネスパーソンには、アルバイトで身に付けたおかしな婉曲表現や若者言葉を、ビジネスシーンではふさわしくない言葉だとは気づかずに使っているケースも目立ちます。
たとえば、「メニューの方はお決まりですか?」というように、意味もなく「~の方」を使うのは日本語として変。
「ご注文は~でよろしかったですか?」と現在のことなのに過去形にするのもおかしな言い方です。
また、「タメですね」、「ゴチになります」、「超~」
といった言葉は、一種の若者言葉。ビジネスで使うには、くだけすぎた表現と言えます。