Chapter02山の基礎知識
日帰り登山とは言え、山に行く以上は、常識として基礎知識を身に付けておくことが大切です。最低限知っておきたい山についての知識やマナーをまとめました。

標高とは、ある地点の平均海水面からの高さのこと。例えば、陸地や山の高さを表す際に「標高3,000m」というように使われます。この標高が高くなると、気温や気圧などの環境に変化が生じるので注意が必要です。
気温は、季節や湿度により差はありますが、標高が100m高くなるごとに0.6度ずつ低下すると言われています。例えば標高0度のふもとから3,000mの山に登ると、18度の気温差が生じることに。そのため、山では防寒着などの備えが必須なのです。
また、標高が高くなると気圧も下がり、空気に含まれる酸素の量も少なくなります。日帰り登山で行く標高の低い山ではほとんど影響はありませんが、2,000m以上の山では、低酸素状態になり、頭痛、めまいなどの高山病の症状が出ることも。
高い山に登るときは、酸素ボンベを持参したり、休憩や水分補給を十分に行ったりといった高山病対策も必要になります。

山は、平地より気温が低い上、地形が複雑なので、雲や霧が発生しやすく、天気が変わりやすいと言われています。登るときは晴れていても、上に登ると突然雨が降り出すこともあるので、晴れた日でも雨具は必須です。

山によって違うので、事前によくリサーチしてから決めましょう。例えば高尾山のような低山では、初心者でも年間を通して登山可能。特に、気温も涼しく紅葉が見られる秋の登山はオススメです。
富士山などの高山は、冬季は冷え込みが厳しく危険度も増します。登山慣れした上級者以外は、夏にチャレンジするのがいいでしょう。
標高は599m。低山ながら自然が豊かで景色もよく、登山デビューには最適な山。都心からわずか50分で行ける交通の便の良さもポイント。ハイキング向きの道から本格的な登山道まで複数の登山コースが設けられているので、目的に応じて好きなコースを選べます。
標高670.3m。高尾山に隣接する山。小仏城山(こぼとけしろやま)と呼ばれることも。高尾山と同様、初心者向きで登りやすく、景色もきれい。高尾山には登ったことがあるという人にオススメ。
標高857m。東京都と神奈川県の境にそびえ、360度の眺望が楽しめる人気の登山スポット。丹沢山塊や秩父山系、富士山などを望むことができます。
標高929m。高尾山同様、途中までケーブルカーが通っているので、気軽にチャレンジしやすい。
神奈川県北西部に広がる、東西40km、南北20kmにも及ぶ広大な山地。最高峰蛭ヶ岳の標高は1,673m。都心部から行きやすい登山スポットとして人気。ただし、高尾山や城山に比べると登山道が険しく、地形が複雑なので、より本格的な装備と準備が不可欠。

山の中でも、街中と同様に登山道の利用や通行に関して約束事があります。登山者の間では常識なので、最低限のルールとマナーを頭に入れておきましょう。
- 登山者同士であいさつを交わす
- 道を譲り合い、登りの人を優先する
- 自分が出したゴミは必ず持ち帰る
- 登山道を外れて歩かない
- 生き物にエサをやったり、植物を荒らしたりしない