Chapter06そのほかの贈答品マナー/今回のまとめ
このページでは、そのほかの贈答品について、水引の種類や表書きなどの体裁マナーを一覧にしてご紹介。最後に今回の講座のまとめとして、岩下先生から、読者に向けたメッセージや、大切な人と距離を縮めるためのアドバイスを伺いました。
忘れがちな水引の種類や、表書きの書き方などの体裁マナー。デパートなどで品物を購入する際に「どうしますか?」と聞かれて慌てる人も多いのでは?
前のページまでで紹介できなかった贈答品についても、一通りの体裁マナーを一覧にしていますので、サッと目を通しておきましょう。
水引き |
のし |
表書き |
|
出産祝い | 赤白のちょう結び | 付ける | 御出産御祝、祝御出産 |
新築祝い | 赤白のちょう結び | 付ける | 御新築御祝、祝御新築 |
入学祝い | 赤白のちょう結び | 付ける | 御入学御祝、祝御入学 |
卒業祝い | 赤白のちょう結び | 付ける | 御卒業御祝、祝御卒業 |
病気お見舞い | 赤白の結び切り | 付けない | 御見舞 |
お葬式の香典(仏式) | 黒白または銀、 黄白の結び切り |
付けない | 御霊前、御香典 ※浄土真宗は御仏前 |
お葬式の香典(神式) | 黒白または銀、 白の結び切り |
付けない | 御霊前、玉串料 |
法要の香典(仏式) | 黒白または銀、 黄白の結び切り |
付けない | 御仏前、御供物料 |
法要の香典(神式) | 黒白または銀、 白の結び切り |
付けない | 玉串料、御神前 |
贈答品の基本は、物ではなく「気持ち」を伝えること。相手を思う気持ちや感謝の気持ちを伝えるには、主に二つの重要なポイントがあります。一つは、相手の立場や状況を考えること。
何も考えずに贈ると、品物や渡すタイミングによっては、相手を困らせてしまったり、迷惑になったりすることもあります。相手が品物を受け取った後どうするのか、どうやって食べるか(使うか)など、相手の状況を想像しながら贈れば、自然にマナー上手に近づけます。
さらに、相手に心から喜んでもらうには、相手のことをよく知った上で贈ることが大切。自分がどんなに気に入った品物でも、それが相手の好みや健康状態、生活スタイルに合わなければ喜んではもらえません。好みや生活スタイルはすぐに分かるものではないので、日ごろのお付き合いや会話を通して情報収集しておく必要があります。
常に相手を知ろうとしていれば、お客様や職場の人との間の話題も増え、コミュニケーションが活発になるでしょう。贈る習慣は、そのように見えない部分でも、人と人との心をつないでいるものなのです。
上級者の贈り方のコツを教えて!
相手のことをよく知ることができたら、日ごろからアンテナを張り巡らせて、相手が好きそうな食べ物や、驚いてくれそうなトレンドの品物を探すのが贈り物上級者。私も、おいしいお菓子などを見つけたら、誰かに贈り物をするときのために情報をストックしておくようにしています。
また、私の友人は、時間ができると街を歩いて、友人たちの誕生日プレゼントにいいものはないか探しているそうです。ビビッとくる品が見つかると、誕生日がずっと先でもその場で買ってしまうので、もらうころには品物がほこりをかぶっていることも。でもそんなふうに、いつも私を気にかけてくれているという気持ちがうれしいものです。
贈答品にはしきたりや決まり事が多く、ちょっと面倒に感じる部分もあったのですが、そうしたしきたりも、本来の意味を知ると、「なるほど」と納得させられるものばかり。贈答の習慣は、日本人らしい細やかな気遣いが込められたすてきな文化なのですね。
また、紙袋の渡し方など、細かい部分での疑問が解決でき、マナーにも自信がつきました。今までは、贈ることで相手への気持ちを伝え、コミュニケーションに役立てるという意識がなかったので、お客様への手土産は、近所の駅ビルなどで、深く考えずにパパッと適当なものを選んでいました。今後はお客様の喜んでいる顔を想像して、もっと時間をかけて選んでみようと思います。
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