Chapter09「コーチング」で守るべきポイントは
これまでのChapterを実践する中で、コーチングの基本的なスキルは身についたはずです。 最後に、「コーチング」を行う上でついしてしまいがちな失敗や、守るべきポイントをお話します。
Point 誘導尋問ではない
そんな風に誘導的なコーチングを行ってしまうと、本当の意味での自主性は生まれません。場合によっては割りきってティーチングを使う決断をすることも必要です。 コーチングが使える状況か、自分自身の質問が誘導尋問になっていないかは常に確認しておきましょう。
Point コーチングの基本は〝相手を認める〟
目の前にいる人といい関係を作りたいと望むのであれば、相手を見下したり、論破したり、探ったり、勝ち負けを争ったりするのではなく、相手の人格や能力を含めたすべてを認め、自らオープンになって相手を受け入れ、誠実な好奇心を持つことが大切です。 童話「北風と太陽」を思い出してください。旅人のマントを脱がすために北風と太陽が競う、という話ですが、結局勝つのは暖かい日差しを注いだ太陽です。つまりダメ出しや戦闘的態度ではなく、相手に対する賞賛や温かい言葉が相手を動かす力になるのです。心を伴うこと無くテクニックだけ用いても、十分な効果を出すことはできません。 いくら鮮やかないい質問をしても「この人になら率直に話してもいいかな」と思えるようなコーチでない限り、表面的で無難な回答が返ってくるだけでしょう。
コーチングではまず、相手をそのまま受け入れて、100%相手の味方としてそこにいることが大切です。その感覚が身につけば、相手は自然と心をひらいてくれるはずです。
Point 先入観を手放し、〝あるもの〟を探求する
自分がどんな才能を持ち、どんな実績や経験を積んできたのか、それらをしっかり把握していてこそ、ここぞという時にフル活用することができるのです。
そしてそれを引き出すためにはコーチ自身も、先入観を手放すことが重要です。例えば「この部下はこういう性格だから」「こんな仕事はきっと苦手だろう」と思い込んでいたままでは、思わぬリソースを見落としてしまう可能性があります。
まずは部下や後輩にもっている先入観を捨て、一人ひとりに眠っているリソースを探す……〝ないもの〟ではなく〝あるもの〟を探求していきましょう。
いかがでしょうか? 「コーチング」の概要についておわかりいただけたでしょうか。実は私自身、30代前半まで「自分の話ばかりして人の話をまったく聞かない」という、いわゆるコミュニケーション音痴でした。
しかしコーチングに出会うことで、人間関係や人生観の劇的な変化を体験したのです。
コーチングは「相手のあり方を変える」のではなく、相手に〝気づき〟を提供する中で「関係性自体が変わっていく」もの。
それはつまり、あなた自身の成長へも結びつきます。また、職場の雰囲気がよくなればビジネススキルもアップし、ストレスも少なくなるはずです。
今回紹介したコーチングのテクニックはごく一部。興味をもった人は、より深くコーチングを学んでみてください。
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今回ご紹介したコンテンツでコーチングに興味をもった方は、ぜひ一度読んでみてください。
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コーチングに必要不可欠な〝聞く〟というスキル。
どうやって聞いたらいいのか、そのコツを非常に詳しく分かりやすく書いてあります。
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タイトルには「ほめる」とありますが、相手の存在や可能性すべてを受け入れて認めるという、 コーチングの際に必要不可欠なスタンスをとても分かりやすく語ってくれている1冊です。
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