Chapter07情報やアイデアをストックしておくには
Chapter3でもお話したように、情報はなるべくジャンルやカテゴリを超え、多く収集しておかなければいけません。しかし、これらの情報をいくらストックしておいても、実際にアイデアや企画が必要になった時に取り出せなくては意味がありません。
日常生活のなかで、これら情報を効率よく溜めておくためのポイントを、このChapterではご紹介しましょう。
ストレスにならない方法で習慣化する
例えば、情報を得るために雑誌や新聞、インターネットのニュースサイトを定期的にチェックしているという人は多いでしょう。また、実際に街に出て情報やアイデアの元を探すこともあるはずです。
そういう情報を、みなさんはどうストックしているでしょうか? 例えばスマホのメモ帳やアプリケーションにまとめておく、ノートを一つ作っておく、手帳にまとめておく、など、人によって手法は様々ではないでしょうか。
私が思うのは「手法は何でもいい」のです。しかし重要なのは「ストレスにならないこと」。なぜなら「習慣化」しないと意味が無いからです。
例えば情報収集のために新聞をスクラップしようとしても、それが自分の中で面倒になると、どうしても続かないのではないでしょうか。ちなみに私は、情報を手帳やノートにまとめておくのが苦手です。
なぜならそれは「字を書くのが不得意だから」。私にとって「書く」ということはストレスになるので、情報のストックはPC内だったり、スマートフォンでの撮影写真だったりと、デジタルを活用するようにしています。
もちろん、人によっては私とは逆という人もいるでしょう。
自分に合った方法なら、何でもいいのです。自分が「続けられるもの」を見つけていく方が、はるかに重要です。
時系列で検索できるようにする
アイデアのメモや走り書き、気になったサイトやニュースのブックマーク、企画書やニュースリリースなど。気になる情報をどんどんストックしていくと、どうしても後ほど探すときに手間がかかってしまいます。
かといって手間をかけて整理をしながらストックすると、前に挙げたようにストレスになってしまうことも多々あります。
私はそういう場合、「時系列」だけをわかるようにしてストックすることにしています。
例えばスマホのカメラで撮影した情報や、走り書きのメモ。情報やアイデアを整理・分類しておくよりも、「その行動を行ったのが何時頃だったか、情報を得たのが何時頃だったか」という時系列から探っていったほうが、効率よく探せることが多いです。
記憶のリンクをうまく利用し、情報のストックに役立てましょう。どうしても思い出せないものが出てくるかもしれませんが、それはおそらく「必要ない」もの。無理をせず、より新しく、より幅広い情報を得ることを考えていきましょう。
「忘れる」ことを大切にする
情報は「常に覚えておかなくてはいけない」ものではありません。むしろ、一時的には「忘れる」ことが重要です。
「ワーキングメモリー」という言葉をご存知でしょうか? 「作業記憶」「作動記憶」とも言われるこの言葉は、短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力のことを指します。
例えば日常会話や読み書き、計算など……私達の日常生活や学習を支える能力だといえるでしょう。
いま目の前にある情報を「覚えておかなくては」と強く思い込むと、あなたの中のワーキングメモリーはそれに従事してしまい、その他の発想やアイデアの変換、応用を行うための力が限られてしまいます。
ですので、情報は「忘れるために記録しておく」と思うようにしましょう。例えばカメラで撮影すれば、その「撮影した」というワンアクションや撮影した写真が後々記憶を引き出すためのきっかけとなってくれるので、ムダなワーキングメモリーを使わずに済みます。
料理をするときに、材料がぎっしり置かれていては調理ができませんよね。作業を効率よく行うためにも、作業台=ワーキングメモリーはなるべくからっぽにし、必要に応じて情報を取り出すようにしましょう。