Chapter08企画書にまとめる&グループでアイデアを出すための段取り
せっかく手に入れた情報や発想も、ビジネスに使用するためには具体的な企画書に落としこむ作業が必要です。
また、ビジネスの現場で長くキャリアを積むと、リーダーとしてグループのメンバーと一緒にアイデアを出す、という場面も出てくるでしょう。ここでは、この2つのケースで必要なノウハウをご紹介します。
より実現しやすい企画書を作るための3ステップ
これまでのChapterでお話したことを実践すると、さまざまな情報やアイデアがあなたのもとにストックされていることと思います。
しかし、ただ情報やアイデアをメモしたものが溜まっていただけでは、企画書にブラッシュアップすることはできません。必要なのは、下記の3つのステップです。
この中で重要なのは(2)です。このノートはメモの情報を精査し、まとめておくためのツールになります。例えばA4の紙一枚にテーマを書きまとめてみる、マインドマップを利用してみる……など手法は何でもOKです。
大切なのは、自分のメモ(情報)をテーマごとに一度まとめ、本質的なことを理解しておくという、その「作業」なのです。これをしておくかどうかで、企画書を的確に書けるかどうかがかなり変わってきます。また、メモを1枚にまとめておくことで、溜まったメモを破棄できるというメリットもあります。
この3つはどの段階が欠けてもダメなのですが、私が見ていると「よくありがちな失敗」のパターンというものも見えてきます。反面教師のために、そのパターンを紹介しておきましょう。
この2パターンの失敗の原因は、両方とも、一度思考をまとめる(2)の段階、「ノート」の作業が欠けていることです。いくら情報をあつめても、いきなり企画書にするのは難しいということ。そのためにも一度、自分なりの方法でアウトプットをしておいてください。
また「メモの9割はムダなもの」だと思ってください。どんなに情報を集めても、全てが自分の役に立つとは限りません。もしあなたの集めたメモ・情報のほとんどが「企画書に役に立つ」と感じているのであれば、まだまだあなたの情報は集める「数」も足りておらず、視野が狭くなっているということです。Chapter3の方法を思い返し、なるべく幅広い分野の情報に接するようにしましょう。
グループでアイデアを出すためには?
部署やチームなど複数の人数で会議を行い、アイデアや企画をブラッシュアップしていく……という作業は、ビジネスの現場ではよくあること。しかし「なかなか良いアイデアが出ない」「企画がまとまらない」という悩みもよく耳にします。
もしあなたがリーダーの場合、企画会議に必要なことは、まず上の(1)?(3)のうち(1)をメンバーそれぞれにあらかじめ準備をしてきてもらうこと。そして(2)を会議で一緒に行うことです。ホワイトボードなどを利用し、それぞれの集めてきた情報を、全員が共有できる形でまとめていきましょう。
この時、なるべく良い企画やアイデアが出る会議にするためには、コツが2つあります。
- きちんとビジョンを示しておくこと
- (1)の作業をあらかじめ行ったとしても、目的が不明確ではせっかく情報を集めても役に立たないかもしれません。 また、チームメンバー全体のモチベーションが低くては、画期的なアイデアは出てこないもの。事前にきちんとチーム全体のビジョンを示し、目的を明確にしておいてください。
- わくわく:ドキドキが50:50
- チーム全体のモチベーションを上げるテーマ設定は、ワクワクすることが50、ドキドキすることが50という比率がベストです。どんなビジョンを示せば、目標を示せばチームメンバーがワクワク、ドキドキするか。それを考えるのはリーダーの役目です。 受け取った消費者がワクワク、ドキドキするような企画や商品を作り出すためにも、まずはプロジェクトに関わる人たちがそういう感情を持てる、そんなビジョンづくりを行いましょう。