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ブロックチェーンと分散型台帳技術・Chapter5:非金融分野の国内事例|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

信頼のプラットフォームとしてビジネスを変えるブロックチェーンと分散型台帳技術

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Chapter5非金融分野の国内事例

物流など、金融以外の分野での分散型台帳技術の活用が始まっています。まず、日本国内の利用事例を見ていくことにします。

分散型台帳技術には「誰が、いつ、どんな情報を台帳に記録したのかを、従来の技術よりも信頼できる形で、複数の組織で共有しやすくする」という性質があります。この性質を、原材料から店舗までの食品流通の追跡を可能にする目的(トレーサビリティ)に応用する取り組みが始まっています。

ジビエ食肉活用のルールを守るためにシステムを整備

日本ジビエ振興協会は、ジビエ食肉トレーサビリティシステムを、分散型台帳技術の一種であるmijin(※1)を活用して構築、運用中です。

ジビエ食肉とは野生の鳥獣の食肉のことで、害獣として駆除したシカなどの食肉を活用する取り組みが進められています。ジビエ食肉には、寄生虫、感染症、解体過程での汚染などのリスクがあることから、加工や流通の過程ではルールを遵守することが求められます。ここ数年でそうしたルールの整備が進んでおり、国産ジビエ食肉の流通が始まった段階にあります。

ルール遵守を支援する仕組みの一環として、同協会ではジビエ食肉トレーサビリティシステムを構築しました。ジビエ食肉をバーコードを使って管理し、「Aさんがシカの個体Xを検査した」「Bさんがシカの個体Xを加工した」といった、「誰が何をした」食肉なのかを分散型台帳により管理し、追跡可能とするシステムです。

日本ジビエ振興協会は分散型台帳技術(※2)を応用したジビエ食肉トレーサビリティのシステムを構築(テックビューロホールディングス、2017年10月3日付プレスリリースより)

日本ジビエ振興協会は分散型台帳技術(※2)を応用したジビエ食肉トレーサビリティのシステムを構築
(テックビューロホールディングス、2017年10月3日付プレスリリースより)

分散型台帳技術を使うメリットは、電子署名などの仕組みによりデータの信頼性を担保し、また複数のノードが共通のデータを持つことで高可用性(ダウンしにくい性質)を実現できる点です。これらの性質を分散型台帳技術の製品の標準機能で実現したことにより、設計、構築、検証のコストを抑えられたとしています。

ここまでのポイント
  • ・ジビエ食肉の加工や流通といった過程におけるルールを遵守するために、分散型台帳技術が使われています。
  • ・コストを抑えながら、食肉のどの個体に対して、誰が何をしたかが管理・追跡できます。

不動産情報をより正確な形で共有する

不動産情報コンソーシアム(仮称)は、複数の会社が集まり、不動産業界にとって必要な情報を共有する取り組みです。初期メンバーは不動産ポータルサイト運営のLIFULL、NTTデータ経営研究所、NTTデータ先端技術、地図情報サービス大手のゼンリン、家賃保証サービスの全保連、与信や代金回収サービスのネットプロテクションズの各社です。

不動産業界では、従来から情報が不正確だったり、タイムラグが大きかったりする課題を抱えており、例えば、ある物件に問い合わせても物件が存在しなかったり、すでに入居者が決まっていたりする問題が発生していました。表記揺れにより、同じ物件が複数の重複したデータとして登録されてしまう例もあります。

このような課題を解決するには、より正確な情報を共有するシステムが必要になります。そのような情報共有のためのシステムを、Hyperledger Fabricを利用して構築を進めています。

情報共有に分散型台帳技術を使うメリットは何かというと「誰が、いつ、どの情報を入力、更新したか」が追跡できるようになり、情報の正確性を追求できる点です。コンソーシアムの参加メンバーの間で利害が一致しない場合もありますが、分散型台帳技術に基づく情報システムは参加するどのメンバーにとっても隠れて不正することが困難な仕組みなので、このようなコンソーシアムとは相性がよいといえます。

以上見てきたように、特定のルールを共有する複数の企業の集まりが、一つの台帳を信頼できる形で共有するために、分散型台帳技術を使う取り組みが立ち上がりつつあります。まだ手探りの段階ですが、分散型台帳技術に取り組む人々の間では知見が蓄積され始めているといっていいでしょう。

ここまでのポイント
  • ・不動産業界では、物件の正確な情報を共有するためのシステムが求められており、分散型台帳技術を利用しての構築が進められています。
  • ・参加するどのメンバーにとっても、隠れて不正することが困難な仕組みのため、情報の正確性を追求できます。
  • ※1
    mijinはパブリックブロックチェーンのNEMと共通の技術を用いて、高速性などを実現した「プライベートブロックチェーン技術」として知られています。当解説では「分散型台帳技術」の用語に統一しています。
  • ※2
    図の中では「ブックチェーン技術」と説明していますが、当解説ではパブリックブロックチェーンとの混乱を避けるため「分散型台帳技術」の用語に統一しています。
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公開日:2019年3月29日

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