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ブロックチェーンと分散型台帳技術・Chapter6:物流分野のグローバル事例|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

信頼のプラットフォームとしてビジネスを変えるブロックチェーンと分散型台帳技術

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Chapter6物流分野のグローバル事例

これまで、主に日本国内の分散型台帳技術の活用事例を紹介してきました。今回は、グローバルの事例を見ていきます。

食品流通の状況をリアルタイムに追跡するFood Trust

「Food Trust」は、スーパーマーケット大手の米ウォールマートと米IBMが中心となって進めている食品トレーサビリティのプラットフォームです。基幹となる技術として、Hyperledger Fabricを用いています。スーパーマーケットの店頭に並ぶ多種多様な食品に対して、原産地、加工場、流通過程などをリアルタイムに追跡できるようにすることが、このプラットフォームの目的です。

Food Trustは、例えば食品に問題が発生し、回収が必要な場合に威力を発揮します。従来は数日かかっていた追跡作業が、ほぼリアルタイムへと短縮できるのです。

こうしたプラットフォームは、食品の生産者、加工者、流通業者、小売業者と、複数の企業が連携しなければ機能しません。このような「業界プラットフォーム」を作り上げる上で、分散型台帳技術は有用だと考えられています。

ここまでのポイント
  • ・スーパーマーケットの店頭に並ぶ多種多様な食品に対して、原産地、加工場、流通過程などをリアルタイムに追跡可能な「Food Trust」プラットフォームにおいて、分散型台帳技術が使われています。
  • ・食品の生産者、加工者、流通業者、小売業者といった複数の企業の連携が求められるような「業界プラットフォーム」において、分散型台帳技術は有用だと考えられています。

海上コンテナ輸送をリアルタイムで追跡するTradeLens

2018年8月、デンマークの海運大手マースクと米IBMは「TradeLens」と呼ぶ新たなプラットフォームを発表しました。この段階で1日100万件のイベント(貨物の積み替えなど)を追跡中とのことで、本格的な商用化を目前にした段階と見られています。

TradeLensのプラットフォームにはHyperledger Fabricが用いられており、その目的は「海上コンテナ輸送で発生する全ての出荷イベントと関係書類を、リアルタイムに共有すること」とされています。国際貿易では、複数の国を経由してコンテナを運ぶだけでなく、途中の港で積み替えが発生することもあります。出荷地、経由する港湾、目的地と複数の国にまたがって、税関や検疫など政府機関の手続きが発生します。多くの手続きが紙の書類に基づいていることから、IBMによれば事務処理コストの負担は輸送コストの20%にも及んでいるそうです。

海上コンテナ輸送の状況をリアルタイムに把握できるシステムを分散型台帳技術により構築(TradeLens公式Webサイトより、図中の数字は2018年11月1日時点)

海上コンテナ輸送の状況をリアルタイムに把握できるシステムを分散型台帳技術により構築
(TradeLens公式Webサイトより、図中の数字は2018年11月1日時点)

この領域で情報システムの導入による合理化が遅れていた理由は、複数の国や当事者が関係する複雑な業務だからです。特定の国や企業がリーダーシップを取ることへの抵抗感も強かったといいます。今回のシステムが立ち上がった背景には、分散型台帳技術の存在がありました。繰り返しになりますが、分散型台帳技術は、多くのステークホルダー(利害関係者)が1つの台帳を共有するための技術です。その認識が、多くの企業や複数の国の政府関係者に浸透しつつあり、このようなシステムを実現に導いたといえます。

以上、各分野での分散型台帳技術の取り組みを見てきました。次回では、分散型台帳技術から離れて、エンタープライズITとは異質な技術であるパブリックブロックチェーンの可能性について見ていきます。

ここまでのポイント
  • ・海上コンテナ輸送で発生する全ての出荷イベントと関係書類をリアルタイムに共有できるプラットフォーム、TradeLensが発表されました。
  • ・特定の国や企業がリーダーシップを取ることへの抵抗感が強い領域のため、これまで合理化の取り組みが遅れていましたが、分散型台帳技術の存在がTradeLensを実現に導いたといえます。
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公開日:2019年3月29日

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