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ブロックチェーンと分散型台帳技術・Chapter8:パブリックブロックチェーンを活用した商用サービス|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

信頼のプラットフォームとしてビジネスを変えるブロックチェーンと分散型台帳技術

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Chapter8パブリックブロックチェーンを活用した商用サービス

商用インターネットサービスを提供するためのバックエンドシステムとしても、パブリックブロックチェーンを利用する取り組みが出てきています。パブリックブロックチェーンは、設計思想や開発者文化が従来型の企業情報システムやクラウドコンピューティングとは異なる部分があります。そのメリットについて見ていきましょう。

イーサリアムの「非代替トークン」をゲームに活用する

非代替トークン(ノンファンジブルトークン)と呼ぶ技術を、ゲーム分野で使う事例が出てきています。ブロックチェーン上の価値記録を「トークン」あるいは「仮想通貨」と呼んでいますが、これらは交換することが可能です。例えば「10円玉」の価値が、どの10円玉でも同じで交換可能なように、ブロックチェーン上のトークンも取り替えられるのです。一方、非代替トークンは、一個一個のトークンが個性(個体特有のデータ)を持っています。いわば一点もののアイテムです。ゲーム分野に応用する場合、希少性があるキャラクターや、個性が一個一個違うキャラクターなどを非代替トークンとして表現する使い方があります。

具体的には、イーサリアムのERC-721と呼ばれる規格の利用が広がっており、その応用として有名になったゲームが「CryptoKitties」です。これは「猫」を表現するトークンを集め、カップルにして子どもを作るという内容のゲームです。

イーサリアムのERC-721非代替トークンを応用したゲームCryptoKitties

イーサリアムのERC-721非代替トークンを応用したゲームCryptoKitties

ここまでのポイント
  • ・イーサリウムで固体特有のデータを持った非代替トークンを活用したゲームが登場しています。

スマートフォンアプリ「投げ銭」のバックエンドに活用

スタートアップ企業のエンゲートは、スポーツ選手らに「投げ銭」(ギフト)を送ることができるサービスを開発してリリースしました。「花束」や「拍手」などを模したデジタルアイテムを、アプリ内で選手やチームに「投げる(ギフティングする)」ことで応援を表現するサービスです。デジタルギフトを購入して投げ銭を送ることにより、スポーツチームの収入源となることも狙っています。

この投げ銭の発行と記録のために、仮想通貨NEMのパブリックブロックチェーンを活用しています。ここでパブリックブロックチェーンを活用する理由は、価値記録の信頼性です。お金を払って手に入れた「投げ銭」の価値はブロックチェーンに刻まれているため、システムをハッキングしてデジタルなギフトを複製して増やすような不正を働くことは、きわめて困難になります。

パブリックブロックチェーン上の価値記録にはもう一つの意味があります。ファンが選手を応援した「熱量」が、ブロックチェーン上の履歴となって蓄積されていくことです。例えば、ブロックチェーン上の履歴と、同社のサービスのユーザーデータベースを組み合わせることにより、「選手が引退した後に自分のお店を出した際、以前その選手を応援してくれたファンに案内状を出す」といった取り組みも可能になると、同社では説明しています。

パブリックブロックチェーンの特徴は、信頼できる価値記録であることです。例えば、インターネット上の各種サービスを信頼できるか否かは、運営会社の信頼度に依存しているといえます。パブリックブロックチェーン上の記録を活用することで、小さな組織で運営を始めるスタートアップ企業のサービスでも、その記録内容が改ざんされていないこと、システム障害により失われないことを担保してくれます。これも、パブリックブロックチェーンの一つの利用形態といえるでしょう。

ここまでのポイント
  • ・仮想通貨NEMのパブリックブロックチェーンを活用し、スポーツ選手にギフトを贈ったりして支援するサービスが提供されています。

決済手段を低コストで立ち上げる

京都のスタートアップ企業LCNEMは、仮想通貨NEMのパブリックブロックチェーンを応用して「LCNEMステーブルコイン」を作り上げました。ステーブルコインとは「価格が安定したコイン」という意味で、通常の仮想通貨と異なり、日本円との交換比率が一定なので、決済に使いやすいデジタル決済手段といえます。

このLCNEMステーブルコインの特徴は、まずデジタル決済手段の実現方法としてNEMの機能(利用手数料を払うことで新規のトークンを発行できる機能)を使い、システムの重要な部分である送金機能もNEMの仕組みをそのまま活用していることです。決済システムを新規構築する場合、多額の投資が必要になりますが、同社はパブリックブロックチェーンを活用することにより、最小限の新規開発でステーブルコインを作り上げました。

LCNEMステーブルコインは、日本円との交換レートを固定し、資金決済法が定める「前払式支払手段」という法的枠組みを利用しています。ブロックチェーンを使ってはいますが、仮想通貨ではないのです。

ブロックチェーン上の価値記録は、日本円との交換レートが変動する場合には法律上「仮想通貨」として扱われます。仮想通貨と日本円を交換するには、金融庁に対して仮想通貨交換業の登録をする必要がありますが、この登録のハードルは高く、小さなスタートアップ企業には難しいと言われています。仮想通貨ではなく「前払式支払手段」とすることで、クリアすべき規制のハードルを下げたことが、この取り組みの特徴です。

ここまでのポイント
  • ・仮想通貨NEMのパブリックブロックチェーンを応用し、日本円との交換比率が一定の決済手段「LCNEMステーブルコイン」が展開されています。
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公開日:2019年3月29日

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