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キャッシュレスで何が変わるのか・Chapter2:キャッシュレスが求められる理由|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

変わり始める“お金”のスタイル キャッシュレスで何が変わるのか

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Chapter2キャッシュレスが求められる理由

キャッシュレスがいま求められている理由。そのひとつに挙げられるのが、日本を取り巻く社会問題から発生するニーズの高まりです。日本では少子高齢化と生産年齢人口の減少で、人手不足(労働力不足)が今後さらに進行することが想定されています。

そこでキーワードとして考えられるのが、企業の「生産性向上」です。「労働力を増やせない以上、業務を効率化して生産性を上げることで収益向上につなげていかなければなりません。これはどの業界にも共通する課題ですが、こと金融機関や小売業者においては、現金の輸送・管理・集計といった現金取扱業務に他業界よりも多くのコストがかかっており、この部分の業務効率化を優先的に進めていく必要性が生じています」と海老原氏は背景を説明します。

たとえば私たちは街中にあるATMから自在に現金を引き出せますが、金融機関はATMの維持、すなわちキャッシュ社会の維持に対して莫大な費用を投じています。キャッシュレス化を進めることで、現金取扱に関するさまざまな業務の効率化とコストの大幅削減が可能になるわけです。こうしたニーズが背景にあり、昨今のキャッシュレス化推進の流れにつながっています。

もっと身近なところでも考えてみましょう。「小売店や飲食店の店頭にキャッシュレスが導入されることで、レジでの支払いがスピーディーになることは容易に想像できます。現金に触れないので、衛生的でもあります。さらに進めてレジ無人化を実現することも可能でしょう。これは業務効率化と人手不足解消に効果があるほか、機会損失の防止にも有効だと考えられます」(海老原氏)。

たとえばお昼時に食事に行ったとき、店内には空いているテーブルがあるのに店員がレジ業務で手一杯になり、入り口で並ぶ客をさばき切れていないシーンをよく見かけるのではないでしょうか。空席があるのに客を案内できず、あげくのはてに「あの店は混んでると案内もしてくれない」と悪い印象を持たれてしまったら、飲食店としては大きなダメージになります。キャッシュレス化によりレジ業務を効率化できれば、その担当者をフロアなど他の仕事に振り分ける、つまり少ない人員の有効活用が可能になり、より多くの客を取り込むこともできるでしょう。

このほか、従業員による売上現金の紛失や盗難を防げる、レジ締めの手間が減り売上管理が楽になる、店舗と外部間の現金輸送を減らせるため安全性が増す、消費者の支払いデータを利活用することで新サービスの創出につなげられる、といったメリットも考えられます。紙のレシートを電子レシートなどに代えられれば、紙代や印刷代も縮減できるでしょう。さらには公共サービスの観点からも、各事業者の売上資金の透明性確保、税収向上といった効果を見込めます。

また近年は、訪日外国人の増加、いわゆるインバウンド需要が話題に上ることが増えました。キャッシュレス決済が普及すると、外国人はわざわざ日本円を持ち歩くことなく、手軽に決済できます。とりわけ日本よりキャッシュレスが進んでいる国からの訪日客にとっては、自国ではいつもキャッシュレスで買い物をしているのに、日本にくるとそれができないことで、モノやサービスの購入にストレスを感じることも考えられます。実際に、日本交通公社の「日本で外貨両替やクレジットカード・キャッシュカードを利用できる場所が、もし今より多かったら」という調査によると、訪日外国人の約7割が、クレジットカード・キャッシュカードを利用できる店舗などがもっと多くあれば「もっと多くのお金を使った」「おそらくもっと多くのお金を使った」と回答しています。

日本で外貨両替やクレジットカード・キャッシュカードを利用できる場所が、もし今より多かったら 出典:政策投資銀行・日本交通公社「DBJ・JTBF アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査」(2016年版)

日本で外貨両替やクレジットカード・キャッシュカードを利用できる場所が、もし今より多かったら
出典:政策投資銀行・日本交通公社「DBJ・JTBF アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査」(2016年版)

「2019年にラグビーのワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫る中、キャッシュレス化が遅れることで、日本は膨大な機会損失を経験してしまうかもしれません。業務効率化だけでなくビジネスチャンスを的確につかむという視点からも、キャッシュレスは期待されているのです」と海老原氏は語ります。

一方、消費者側としても、現金をキャッシュレスに置き換えることでさまざまなメリットを享受できます。たとえばコンビニ店頭で少額の買い物をする際、お釣りの小銭に悩まされることがなくなります。キャッシュレスでスピーディーな決済が可能となれば、レジで長い列ができ、イライラするケースも減るでしょう。そもそも現金を入れた財布を持ち歩く必要がなくなれば、盗難や紛失のリスクも減らせます(カードなどの場合、条件次第で全額保証されるため、現金を持ち歩く場合に比べてリスクは大きく減ります)。

このように、キャッシュレス化には事業者側、消費者側双方に多様なメリットを期待できるのです。

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公開日:2019年1月22日

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