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キャッシュレスで何が変わるのか・Chapter5:実店舗の取り組み|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

変わり始める“お金”のスタイル キャッシュレスで何が変わるのか

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Chapter5実店舗の取り組み

キャッシュレス社会を推進しようとしても、消費者が実際にキャッシュレスで決済できる店舗がなければ、劇的な浸透など所詮ムリな話です。前編でも触れたように、日本ではまだまだキャッシュレス決済を導入せず、現金支払いしか受け付けない店舗が多いのが現状。そこには導入時のコストや手数料、オペレーションの手間、クレジットカードの加盟店手数料などさまざまなハードルが存在することも紹介しました。

その一方で、実店舗へのキャッシュレス決済システム導入を先駆的に進めている業界も存在します。コンビニエンスストアは電子マネーやデビットカードでの支払いにいち早く対応しましたし、少額であればクレジットカードをサインレスで利用できる店舗も増えています。実際、すでにコンビニでSuicaをはじめとする交通系電子マネーや、WAON、nanacoといった流通系電子マネーを使った支払いを日常的に行っている人も多いことでしょう。

こうした状況の中、先進的な取り組みを始める企業も出てきました。ファミリーレストラン・ロイヤルホストなどを運営するロイヤルホールディングスは2017年11月、現金支払いができない完全キャッシュレス型店舗を東京・馬喰町にオープンしました。同社では働き方改革を実現するための施策としてキャッシュレスを位置付け、ICTを活用した完全キャッシュレス店舗の出店に踏み切ったのです。

ロイヤルホールディングスがオープンした完全キャッシュレス型店舗。クレジットカードおよび電子マネーのみの取り扱いになっている 出展:ロイヤルホールディングスのWebページより抜粋

ロイヤルホールディングスがオープンした完全キャッシュレス型店舗。クレジットカードおよび電子マネーのみの取り扱いになっている
出展:ロイヤルホールディングスのWebページより抜粋

この店舗では入店前に、現金は使えずクレジットカード・電子マネー払いのみであることを伝え、了承を得るようにしているほか、ホームページや店頭などでも周知を呼びかけています。料理の注文も客自身が画面から行うセルフオーダー形式を取っており、キャッシュレス決済と合わせて店舗スタッフのホール業務軽減に加え、売上管理をはじめとした店舗業務の効率化に役立てる意図があります。

コンビニエンスストアのローソンも、実験店舗として無人店舗を開設しました。スマートフォンアプリで商品のバーコードを読み取り、クレジットカードや電子マネーでキャッシュレス決済。最後にQRコードをかざして退店する仕組みの店舗です。購入した商品や金額はアプリ内の電子レシートで確認できます。

「コンビニ業界はすでに多彩なキャッシュレス決済手段に対応していますが、それでもローソンの場合は現状で85%がまだ現金払いだといいます。同社は現金を扱うこと自体をコストと考え、店舗業務効率化とストレスのない買い物体験の提供をめざしてキャッシュレスによる無人決済の推進に取り組んでいます」(海老原氏)

同様の取り組みは他のコンビニチェーンでも実験的に行うところが出てきたほか、2018年秋以降もファストフード、ファミリーレストランといった飲食系チェーンで続々とスタートしています。また、スーパーマーケットでもキャッシュレス決済を前提とした無人レジを、数としてはまだわずかながら設置の方向に動き出しており、すでに利用経験のある方もいることでしょう。そもそも有人レジでも、クレジットカードや電子マネーなどで支払う姿を見かける機会が増えてきました。

小売店舗や飲食店などの実店舗においては、生産性向上のためにレジでの支払いスピード改善、売上など現金の確認作業に費やす時間と手間の削減といったオペレーション効率化のニーズがありますし、恒常化している人手不足への対応も必須です。

また、インバウンドを想定したキャッシュレス化のニーズも高まっています。キャッシュレス決済ができないことによって買い控えする訪日外国人が7割に上るという話は前編で触れましたが、Visaの調査によると、現金しか使えないことに不満を感じる外国人観光客は4割に達し、キャッシュレスへの非対応は大きな損失につながる可能性があります。Visaでは、キャッシュレス決済のインフラを整備しなかった場合、2020年に約1.2兆円の機会損失が発生すると試算しています(2020年の外国人旅行者を4,000万人と想定)。

海老原氏は次のように語ります。

「キャッシュレス決済の導入によって、実店舗のさまざまな課題が解決する可能性があります。キャッシュレス決済の導入に際しては、端末を設置する初期コストや、利用代金が店に支払われるまでのタイムラグなどが問題点として指摘されてきましたが、最近では端末コストを実質無料とする、最短翌営業日で利用料金を店に払う、といったキャッシュレス支払いサービスも登場しており、ハードルは下がりつつあります。今後は、これも問題点として指摘される加盟店手数料の高さをいかに解決するかが重要になるでしょう」

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公開日:2019年2月15日

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