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キャッシュレスで何が変わるのか・Chapter6:キャッシュレス決済サービスの取り組み|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

変わり始める“お金”のスタイル キャッシュレスで何が変わるのか

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Chapter6キャッシュレス決済サービスの取り組み

キャッシュレス社会の実現には、店舗側の受け入れ環境整備、消費者側の意識醸成に加えて、キャッシュレス決済サービスを提供する事業者側の対応も重要です。前回は実店舗側の先進的な試みをいくつか紹介しましたが、決済サービスを提供する事業者側でもさまざまな取り組みがスタートしています。

従来のキャッシュレスといえば、クレジットカード、交通系・流通系その他の電子マネー(のカード)、デビットカードといったように、物理的なカードを使うスタイルが一般的でした。これらに対して最近徐々に浸透を始めているのが、物理的なカードを用いないスタイルのモバイル決済サービスです。代表的なものとして「Apple Pay」「Google Pay」「LINE Pay」「Origami Pay」「楽天ペイ」などがあります。

これらのサービスは、スマートフォンのアプリにSuica、WAON、nanaco、QUICPay、iDといった各種電子マネー、あるいはクレジットカードなどを登録、もしくは銀行口座直結でキャッシュレス決済をスマートフォンから利用できるようにするものです。もちろん実店舗以外に、インターネット上のEコマースでも使用できます。実店舗での決済方式としては、スマートフォンを決済端末にかざすだけで決済が行えるNFC(※)技術に対応したもの(おサイフケータイでお馴染みのFeliCaはNFCを日本向けに改良した独自規格)と、QRコードを提示(あるいは店舗側が提示)して決済を行うものの2タイプに大きく分けられます。

従来、キャッシュレス決済サービスの提供者は銀行やクレジットカード事業者が中心となっていましたが、近年はICT企業など決済を本業としない事業者もサービスに参入してきました。上に挙げたモバイル決済サービスも基本的にはこうした“新たなプレイヤー”によって提供されているものといえます。

そんな中、スマートフォンアプリで単にキャッシュレス決済を行うだけでなく、インターネットと組み合わせて多彩なコミュニケーションを行うサービスも登場してきました。

たとえば、人気のコミュニケーションツールである「LINE」から2014年に生まれたLINE Payは、実店舗やECサイトでのキャッシュレス支払いに加えて、個人間送金にも対応しています。LINEでつながっている友だちであれば、相手の銀行口座情報がわからなくてもお金をやり取りできるのです。これを活かし、飲み会などの料金を均等に割り勘してLINE上の友だちに請求できるなど、ユニークなサービスを実現しました。

LINE Payを使った送金のイメージ 出展:LINE PayのWebページより抜粋

LINE Payを使った送金のイメージ
出展:LINE PayのWebページより抜粋

2018年3月には、LINE Payやクーポンなどさまざまなサービスをまとめて管理できる「LINEウォレット」機能も開始されました。LINE PayをはじめとするLINEのサービスは、金融とテクノロジーを結びつける、いま話題のFinTech(フィンテック)のわかりやすい事例といえるでしょう。

「スマートフォンアプリとインターネットを活用した支払いサービスは、単にキャッシュレス支払いできるだけでなく、消費者と事業者が双方向コミュニケーションを行える点がポイントです。このコミュニケーションを通じ、さらに便利で、消費者が利用したくなるサービスを提供できれば、日本のキャッシュレス促進にもよい効果を期待できると思います」と海老原氏は強調します。

一方、従来の金融の中心プレイヤーである銀行界も、キャッシュレス推進に向けた動きを始めています。

三菱UFJフィナンシャルグループがめざしているのが“デジタル通貨”の実現。同社が開発している「coin」(旧称MUFGコイン)はブロックチェーンを活用した仮想通貨の一種で、1単位が1円と同等の価値を持つように調整する、いわゆるステーブルコインとして計画されています。

一方、みずほフィナンシャルグループも、デジタル通貨による支払いや送金を実現する構想(J-Coin構想)を発表しています。金融業界が共同で利用できるデジタル通貨のインフラを構築することで、キャッシュレス決済の推進をめざす考えです。

こうしたコイン構想は、クレジットカードと比べ低コストで支払いサービスのシステムを構築・運用できる点がメリットで、キャッシュレスの課題を解決するものとして期待されています。将来的にキャッシュレス支払いや個人間送金での利用をめざしています。

ここまで見てきたように、キャッシュレス社会の実現に向け、いま店舗側、キャッシュレス決済サービス提供側の双方で新たな取り組みが模索され、一部はすでに実行されています。後編では、今後のキャッシュレス社会を展望していきます。

※Near Field Communicationの略で、世界共通の近距離無線通信規格です。NFC対応チップはAndroidスマートフォンなどに搭載されており、データをやり取りしたり、スマートフォンを認証手段として使ったりできます。
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公開日:2019年2月15日

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