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デジタルトランスフォーメーションの基礎知識・Chapter6:DXをビジネス変革に結び付けるには|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

最新技術で付加価値を生み未来を生き抜く デジタルトランスフォーメーションの基礎知識

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Chapter6DXをビジネス変革に結び付けるには

ここまで見てきたように、DXを実現するには増大する一方のデータをいかに利活用するかが鍵になっているものの、日本企業の多くはレガシーシステムという足かせに頭を悩ませています。

レガシーシステムを刷新して最新のデジタル技術を導入しなければ、データの利活用や連携も中途半端となり、真のDX=デジタルによるビジネス変革にはつながっていかないと考えられます。

「DXレポート」によれば、多くの経営者が、自社の将来の成長と競争力強化のためにDXが重要であることは認識しています。にもかかわらず、実際に既存システムを刷新してビジネス変革に結びつけようと腰を上げる企業はまだ少数であると指摘しています。

つまり、多くの企業においてDXを将来戦略にいかに結びつけるかについてはまだ模索段階にとどまり、動き出していないと判断できます。

DXの推進には経営者のコミットが重要

少数ながらDXに向け動き出した企業では、ほぼ例外なく、経営層の強力なコミットがあります。DXを積極的に推進するには、経営者がDXの必要性を理解するだけでなく、DX実現に向けたゴールのイメージを描き、率先してコミットしていく姿勢が求められるといえるでしょう。

レガシーシステム脱却・更新のために必要な施策 出展:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「JUASデジタル化の取り組みに関する調査」(2017年12月実施)

レガシーシステム脱却・更新のために必要な施策
出展:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「JUASデジタル化の取り組みに関する調査」(2017年12月実施)

日本企業には、各事業部門がそれぞれのシステムで動いているという個別最適の状況を脱してまで、全体最適を求めようとしないという保守的な抵抗があります。これを打ち破るには、やはり経営層が軸となって強力に推進していくことが必要です。“2025年の崖”を考えれば、現状維持のほうが、現状を壊すよりもはるかに大きなリスクを背負うことを訴えるべきです。

そのうえで、特定のベンダー企業に頼りきりの現状も変えていかなければなりません。

もちろん人手不足の現在、ITシステム刷新に活躍してくれる高度IT人材を確保するのは困難な状況です。しかしそれだけに、IT人材の確保や育成に向けた経営戦略をトップ自ら打ち出し、推し進めていくことが肝要です。そのためにも、経済産業省が公表した「DX推進ガイドライン」などを活用し、他の先進事例も参考にしながら進めていくべきでしょう。

DXを積極的に推めた先進事例

既存システムを刷新してDXを進めた事例をいくつか見ていきます。

ある化粧品会社は、世界中の関連会社が持つデータを一元的に活用するためのデジタル戦略を打ち出し、実行しています。グローバルの標準システムを構築し、各地域で得られるデータをシームレスに連携させることで、マーケティングの高度化に活用しています。また、ユーザーがスマートフォンで登録する肌データに各地域の気象データなどを加味してAIで分析、ユーザー個人に応じて調合バランスを最適化した製品の提供も行っています。DXをめざしたシステムの構築だけでなく、実際に売上を増やすという目に見える付加価値向上にも既に取り組んでいる点で注目されます。

ある建設機械メーカーは、建機に取り付けた各種センサーで集めた情報をデータセンターに集約し、稼働状況を遠隔でリアルタイムにモニタリング。これをもとに顧客の車両の保守管理や稼働管理、省エネ運転支援などさまざまなサービス提供につなげています。自社で活用するデジタル技術を顧客の生産性向上にも活かすという付加価値を実現した点で、DXの好事例の一つといえます。

また、大手航空会社では、約7年・総額800億円規模の投資によって50年使い続けた予約・発券システムの全面刷新に取り組み、ITを活用した旅客サービスの向上をめざしています。このほかにも、レガシーシステムの刷新でITコストに占める運用経費の割合を削減し、その分を新たなサービス向上に活用した例、生産・販売プロセスの全体最適化により構築したシステム基盤の活用で量販店のPOSデータをAI分析し、量販チェーンの売上効率を最大化した例など、さまざまな先進事例が出ています。

中小企業ならではのアドバンテージを活かす

ここで出した事例は大企業のものですが、これが中小企業となるとどうでしょうか。

中小企業の場合、たしかに資金力や人材力では大企業にかないませんが、DX推進という点においては中小企業ならではのアドバンテージもあると考えられます。

中小企業は一般的に大企業ほどシステムが複雑化していないため、システム刷新の難易度は高くないでしょう。また経営者のコミットも、社員に対して強い影響力を与えられる傾向にあります。その意味では、中小企業のほうが経営者の鶴の一声でDXに取り組みやすく、その利点を活かして積極的に進めていくことが可能です。

一方、中小でも製造業などではラインによって異なるベンダーの製造機械が入っており、システムの全体最適化が難しいケースも多いと思われます。こういった企業でこそ危機感をより強く持ち、一刻も早くシステム刷新に着手するのが得策だといえるのではないでしょうか。

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公開日:2019年6月17日

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