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デジタルトランスフォーメーションの基礎知識・Chapter7:DXの実現に向けた国内のシナリオ|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

最新技術で付加価値を生み未来を生き抜く デジタルトランスフォーメーションの基礎知識

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Chapter7DXの実現に向けた国内のシナリオ

前編と中編で「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは何か、DXを起こさないとどのような問題が起きるか、またDXを実施していくうえでどういったハードルがあるか、などを概観してきました。

経済産業省では、民間企業における“2025年の崖”(Chapter5参照)の克服と、DX推進の本格的な展開を後押しするため、2018年9月発表の「DXレポート」で「DX実現シナリオ」を公開しています。

このシナリオがめざすところは次のように整理できます。

「2025年までに複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムを刷新しつつ、IT投資の呼び込みや、需要喚起、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの創出などにより、2030年に実質GDP130兆円超の上積みを実現する」

DX実現シナリオ
出典:「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」

そのために、企業は2020年頃までにDX推進のプランニングを行い、2021年から2025年にかけて「レガシー化」した既存システムの刷新を実施、それにより本格的なDXを実行していく、というシナリオが描かれています。もちろんシステム刷新にすぐ着手できる先行企業は、2020年までに刷新を進め、いち早くDXを起こすことでデジタル競争におけるアドバンテージをつかんでいくべし、としています。

経産省は、2020年までの先行企業によるシステム刷新期間を「先行実施期間」、それに続く2021~2025年を「システム刷新集中期間(DXファースト期間)」と位置づけています。

多くの企業は、既存システムのレガシー化やDX推進に向けたIT戦略の未整備、あるいは投資コスト・人材不足などの事情により、先行実施期間に間に合わせることは難しいかもしれません。2020年までは、多くの企業がIT投資をセキュリティ対策投資に集中させるという事情もあります。

しかし2020年の大イベントが終わり、DXファースト期間に入れば、多くの企業が既存システム刷新に比較的取り組みやすくなるでしょう。ですから今はそこに向けて、各企業がDX推進のプランニングを少しでも進めてほしい……というのが経産省の描くシナリオです。

このプランニングに役立ててもらうため、経産省は2018年12月に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を発表しました。同ガイドラインは今後順次アップデートしていくことが期待されます。また、このガイドラインの実施状況を客観的に診断するために使える「見える化」指標も検討されています。

また、このシナリオでは、企業が今後実行していくべき施策のポイントとして、いわゆる“デジタルネイティブ”世代の人材を中心にDXを検討し、新ビジネス創出に進んでいくことを提言しています。人手不足の時代にあって高度IT人材の確保・育成は大きな課題となっていますが、DXを効果的に実現していくためにも、企業は人材戦略をきちんと立て、実施することが重要だという指摘です。

一方、企業(ユーザー企業)のシステム開発を担うベンダー側も、新技術やそれに基づくプロダクトの提供によってシステム刷新をサポートし、日本全体として競争力を高めていくことが大切だとしています。

ここまで経産省が提示するDX推進のシナリオを見てきましたが、これを読んでいる人の中には、政府が提唱する未来社会像「Society5.0」とDXはどのように関わってくるのか気になる人もいることでしょう。

内閣府のホームページによると、Society5.0は「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義されています。Society4.0(情報社会)は知識や情報の連携が不十分であるという問題意識からスタートし、Society5.0では知識や情報が共有され、新たな価値を生み出すことで、少子高齢化、過疎化、貧富の格差といった社会的課題の解決と経済発展をめざすという未来像になっています。

DXは、このSociety5.0を実現していく手段のひとつだと考えられます。未来のSociety5.0につなげていくためにも、経産省のガイドラインや「見える化」指標などを参考にし、シナリオも参照しながら、既存システム刷新への取り組みを始めることがいま求められています。

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公開日:2019年6月17日

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