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Chapter9 官民共同での「グレーゾーン」解消に向けた取り組み|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

シェアリングエコノミーが企業と地域社会にもたらすインパクト

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Chapter9官民共同での「グレーゾーン」解消に向けた取り組み

シェアリングエコノミーは、シェアされる対象の分野が広がれば広がるほど、そこで行われる取引の内容が、従来型のサービスにおいて営業ごとに規定された法令、いわゆる「業法」に抵触する可能性が高まっていきます。

Chapter8において、政府がガイドラインの中で、シェア事業者に対して弁護士などを活用しながら「法令抵触のリスク」に関する自己評価を行うことと、「法令違反とならない根拠を明確化すること」を求めていると述べました。事業者自らがこうした取り組みを行うことで、ユーザーや社会に対する説明責任(アカウンタビリティ)を果たすと同時に、マッチングプラットフォーム上でユーザーが法令違反を行った際に起こり得る、企業としての信用やブランド力の低下、いわゆる「レピュテーションリスク」を低減することができます。

官民共同での「グレーゾーン」解消に向けた取り組み

しかし、シェアリングエコノミーは新しい形の経済活動であるがゆえに、現行法令が適用されるかどうかが不明確な「グレーゾーン」が多く存在することも事実です。こうした場合に活用できる制度として、政府においては産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」を運用しています。これは、シェアリングサービスの内容が、既存の法令に抵触するものかどうかを、事業者からの申請に基づき、一定期間内に行政が判断して公表する制度です。

グレーゾーン解消制度の例

「グレーゾーン解消制度」を活用した事例としては、ライドシェアサービス「notteco」があります。nottecoは「自動車で中長距離を移動するドライバー」と「同区間の移動を希望する人」をマッチングするサービスです。この際、ドライバーは「ガソリン代」と「道路通行料」を折半して利用者から受け取ります。nottecoでは、この行為が道路運送法上の「旅客事業者運送事業」に該当するかどうかの照会を「グレーゾーン解消制度」を活用して行いました。関係省庁で協議を行った結果、「ドライバーが収受する費用は運送にかかるガソリン代、道路通行料を上限に設定されるものであり、これらの費用の範囲内であることから旅客事業者運送事業に該当せず、道路運送法上の許可または登録を要しない」という判断が公表されました。

もちろん、事業の内容によっては「現行法の規制上問題がある」という判断が出る可能性もあります。その場合でも、規制に抵触しない形への事業計画の変更を含めた指導や助言を受けられたり、次に説明する「企業実証特例制度」を活用した規制の「特例措置」の提案につなげられたりする可能性が残されています。

特例措置が、既存の業法とシェアリングエコノミーとの軋轢を緩和する

これらの制度を活用することは、シェア事業者にとって、自らの事業上で行われるサービスが「適法である根拠」を明確にできるという利点があります。さらに、今後、同種のサービスを展開していこうと考えている他の事業者に対しても恩恵を与え、業界全体の発展に寄与します。特に、自治体との連携や他企業からの出資などを受ける際、自社のサービスが適法なサービスのマッチングであることを明確にしたいシェア事業者にとっては、これらの制度を活用するメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。

このほか、グレーゾーンを決めている線引きそのものを見直すこと=新法・改正法の制定も、徐々にですが進みつつあります。例えば、年間180日以内であれば、旅館業法に基づく「許可」ではなく、新たな法律に基づく「届出」で民泊を開始できるようにした「住宅宿泊事業法」や、資格を持たない一般個人でも通訳をしながら地域を案内することができるよう、海外旅行者向けの通訳ガイドの業務独占規定を廃止することなどを内容とする「改正通訳案内士法」などがあり、既存の「業法」とシェアリングエコノミーとの間にある「軋轢」の緩和に寄与しています。

日本が抱える課題を解消し得る、シェアリングエコノミー

ユーザーにとって便利だったり、地域社会の活性化に貢献できたりするようなシェア事業の「アイデア」があれば、まずはそれを「形」にしてみることを勧めます。それが本当に価値のあるものであれば、多くのユーザーを獲得できるはずです。もし、そのサービスが何らかの形で法令上の規制対象になる可能性が出てくるのであれば、「消費者のニーズ」という具体的な根拠を持って、規制緩和を迫ることができます。

日本が抱える課題を解消し得る、シェアリングエコノミー

政府では、「消費者の利便性向上」「国際競争力の強化」「安全性確保」といった観点から、ネット時代に合わなくなった従来の規制を、より現代の消費者のニーズに合ったものへと緩和していくべく、積極的に取り組みを進めています。内閣官房IT総合戦略室内に設けられた「シェアリングエコノミー促進室」では、政府の相談窓口として、シェアリングエコノミーに関する情報提供、関係省庁との連絡調整、成功事例の紹介などを行っています。これらの制度や窓口を通じ、官民共同でシェアリングエコノミーを健全に発展させていくことが、日本が抱えるさまざまな課題の解消につながっていくだろうと期待されています。

重ねてにはなりますが、シェアリングエコノミーはシェア事業者だけでなく、既存産業の企業にとっても大きなメリットを内包しています。本特集が、シェアリング事業を検討されている事業者の方、既存産業の企業の方の助けになれば幸いです。

日立ソリューションズが提供する顧客管理・課金・請求ソリューションのご紹介

シェアリングエコノミーの普及に伴い、ビジネスの転換を図る企業や新たにシェア事業をスタートする企業の増加が推測されます。サービス形態も多様化する中、日立ソリューションズではこうした変化にも対応できる顧客管理・課金・請求ソリューション「BSSsymphony」を提供しています。

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公開日:2017年10月23日

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