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第5回 リーダーは「機能するチーム」を統率せよ|冨山和彦の「挫折力」と強いリーダーの条件|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

冨山和彦の「挫折力」と強いリーダーの条件
第5回 リーダーは「機能するチーム」を統率せよ

どんなに優秀なメンバーを集めて、リーダーが優れた指導力を発揮したとしても、リーダーが「機能するチーム」の前提条件を理解していなければ、必ずしもチームが機能するとは言えません。リーダーとして、与えられた権限を使ってどのようにチームを設計すれば、チームは機能するのでしょうか。「機能するチーム」に必要な前提条件から、設計や統率の仕方について、私の経験則も踏まえて具体的にご説明します。

チームを機能させるための前提条件①
メンバーと自分の時間を管理すること

チームをうまく機能させて成果を出すためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。チームを機能させるための2つの前提条件について説明していきたいと思います。

その1つ目は、メンバーと自分の時間を管理することです。

会社のトップとしてのリーダーも、会社の最小単位である課や係のリーダーも、問われるマネジメントの本質には何ら変わりはありません。集団を束ね、機能的に動かすためにリーダーが最低限身に付けていなければならないのは、メンバーと自分の時間を有効に使えるように管理する能力です。予算の配分や人事権など、チームの大小によってリーダーに与えられる権限はそれぞれ異なるでしょうが、「時間」というもっとも貴重な資源を配分する裁量は、どんなチームでもリーダーが持っているのです。全体会議、定例会議、個々の打ち合わせといったオフィシャルな時間の使い方から、メンバーとのコミュニケーションを図るためのちょっとしたコーヒーブレイク、じっくり話をしたいときの食事やお酒の席まで、リーダーは常に「メンバーの時間」と「自分の時間」を管理して、限られた時間をより効果的に使ってメンバー間の意思の疎通をはかることを考えていなければなりません。

リーダーは常に「メンバーの時間」と「自分の時間」の管理が必要
リーダーは常に「メンバーの時間」と「自分の時間」の管理が必要

とはいうものの、自分の都合だけでメンバーを束縛すること、逆にメンバーやチームのことを優先して自分自身の時間をつくれなくなってしまうこと、どちらも優秀なリーダーのすることとはいえません。誰にとっても貴重な「時間」という資源の裁量権を与えられていることの重要性をリーダーはもっと自覚するべきです。

的確できちんとした時間の管理ができるリーダーを持つチームは、意思の疎通がとれる機能的なチームとして仕事をこなし、そのリーダーはメンバーにも信頼されることでしょう。こうした時間の管理は、あなたが課長から部長を経て、役員へ、そして社長へと上り詰めていっても、常に必要とされる能力です。リーダーとなったその日から、心がけておきたいマネジメントの基本といえるでしょう。

チームを機能させるための前提条件②
チーム・メンバー間・メンバー個人の3者の共通利益をつくること

2つ目は、チーム・メンバー間・メンバー個人の3者の共通利益をつくることです。チーム全体、チームを構成するメンバー相互、そしてそのメンバー個々人という3者が、利益を共有することの意義を確認しておきましょう。

私は産業再生機構の仕事を通じて、経営破綻してしまった会社や組織をたくさん見てきました。その体験から機能しないチームには、ほぼ共通の特徴があることに気づきました。それは、①チーム全体の利益や目標 ②チーム内の人間関係上の利益 ③メンバーそれぞれの利益や価値観の3者の間に、共通の領域を見出せなくなっていることです。チームは人間の集合体です。生身の人間は、この共通の領域が重なるところでしか、思い切り頑張ることができないのです。そして機能しないチームにはこの共通の領域が存在せず、メンバーはその力を存分に発揮することができなかったことが分かりました。

したがってチームを機能させるためには、リーダーはこの共通の領域をつくり出し、最大化させればよいのです。それがチームづくりの鍵になるのです。

1つ目の「チーム全体の利益や目標」が明確になっていないチームは、それぞれのメンバーが目的とは関係のない方向に走り出してしまい、全体としての成果を上げることはできません。2つ目の「チーム内の人間関係上の利益」がうまくかみ合わない、つまりメンバー同士が信頼できる関係でなければそのチームワークは長続きしません。また3つ目の「メンバーそれぞれの利益や価値観」がないがしろにされるチームは、メンバーの相当数が仕事と個人生活や家族生活との板挟みで苦しむことになります。こうなると、いくらリーダーが一生懸命でもチームは機能しません。リーダーが頑張れば頑張るほど空回りして、ますます問題は深刻化していきます。

あなたの周囲にあるチームをよく観察してみてください。身近に適当な事例がなければメディアを通じての見聞きでも構いません。構造的にダメなチームは、必ずといっていいほどこの共通の領域が欠如していることが分かるはずです。

どんな優秀な人材でも個人がチームの中で力を発揮するには、それなりの条件や環境が整っていなければなりません。あなたが有能なリーダーとして成功をおさめたいと思うなら、メンバーのためにもこの共通の領域を必ずチェックしてください。1つでも欠けていたら、すぐに補うようにチームを改革することです。もし共通の領域をつくり出すことができていれば、その共通の領域をいかに大きくするかを考えましょう。

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